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仲里 沙月(ナカザト サツキ)
性別:
女性
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読書*映画鑑賞*ゲーム
自己紹介:
7/12生 
本の虫!倅とメシアが大好きです!好き過ぎる!
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仲里沙月の悪/魔くん小説(二埋)ブログ。
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9000!
いつの間に8000越えたんだww
本当にありがとうございます!
2000以来、踏み逃げされまくり【悪辣メシア】では
9000ゲット様・近い数字の方のリクエストお待ちしております☆
リクしてくれないと益々突っ走りますよー!ww

なんて言いながら心身共にブッ倒れてました仲里です。
でも二埋は 止 ま ら な い!

久しぶりのゴシックホラー30題
全く怖くない事実。
本日は『不思議の国のメフィスト二世』ですww
メシアがどんどんヤンデレ化してしまった一作。まぁいいか。
アリスネタはもう一回くらいリベンジします!(無謀)
長くなったので前・後編に分けましたー。

それでは!倅の頑張る前編は【つづき】よりドウゾ!








それでは ハートの裏側へ




08:





自分の見てるもんがまだ信じられねぇ。
黒悪魔に殺された子供を見下ろす真吾は、怒りも泣きもせず無表情で。

俺だけじゃねぇ 十二使徒全員が思った。

………まるで、人形みてぇだ。

ピクシーや学者が診ても、真吾は顔色一つ変えねぇで
言われるがまま。
蝙蝠猫が騒ごうが 幽子が泣こうが真吾は笑顔すら浮かべねぇ。

呪いかもしれねぇと調べ物に躍起になる使徒を横目に
俺は一人 真吾の傍を離れなかった。

「…どうしたんだよ…真吾…」
「何が?」
「お前はもっとよく笑う奴だった。
 しょっちゅうキレて泣いてただろ」

そう言うと相変わらず変化のねぇ顔が
斜めに傾いた。

「さぁ…そうだったかな…。よく判らないよ」
「…俺の事、好きなんだろ」

東嶽大帝を倒して三年。
たった三年の間に
散々好きだと言い合って 散々抱き合って
けど それも

「……どうだったっけ」
「…てめぇ…ッ!」

襟首を持ち上げても真吾は驚きもしねぇ。

「だって…何も感じない」

だらりと垂らした腕と言葉通りの顔。
苛立ちながら真吾を離すと
真吾の胸に小さな黒い華を見つけた。

乱れた服を正す真吾の腕を掴み、シャツを捲った。

胸に刻まれた 漆黒の華。
それは 魔太公 メフィスト家の家紋。

「なんでこれが…」

今この家紋がつけられるのは俺と

「親父ッ…!」

俺は他の使徒に見つからねぇように
真吾を連れ、屋敷へ向かった。
その途中も真吾は文句一つ言わなかった。

『僕にだって色々あるんだから
 二世の思い通りばっかりにはいかないよ!』

そう言ってキレた真吾が 今は 懐かしい。


屋敷に着くと何もかも無視して親父の部屋の扉を開けた。
親父は俺に顔を向け、右手を繋いだ真吾の姿を見た途端
眉間に皺を寄せた。

「なんじゃ…騒々しいのぉ」
「親父!こりゃ一体どういう事だ!」
「はて。何の事じゃ」

しらばっくれる親父に向かって真吾を突き飛ばした。
転びそうになりながら、真吾は親父の前に立った。
それでも真吾は相変わらず無表情で親父を見上げていた。

「…真吾に何しやがったか聞いてんだよクソ親父!」
「………それを聞いてどうする」

親父が俺を睨んでも俺はただ睨み返した。
それにため息を吐き、親父は真吾を見ながら 俺の質問に答えた。

「倅。この家紋の意味は知ってるな?」
「当たり前だろ。俺は"メフィスト二世"だぞ」

漆黒の華
それは 何かを封印した時につける紋。
魔太公として邪魔な奴はこの紋と一緒に永遠に封じ込める。

「悪魔くんを封印したんじゃ。正確には…彼の"感情"」

喜怒哀楽に始まり 様々な感情。
それを一切封印したと、言った。

「なッ……なんでだよ!」

親父は俺の肩に手を置いた。

「悪魔くんとして、それで不具合がある訳ではあるまい。
 それに…倅や。お前は"メフィスト二世"じゃ。
 近い内に位の高い魔女と婚約し、正式に名を継ぐ事になる。
 …人間の、それも契約を交わした主を愛してどうなる?」

真吾は 確実に俺より早く死ぬ。
真吾は 守らなきゃならねぇ俺の主。

けど。

「…んな事、とっくに判ってんだよ」
「倅ッ」
「魔女と婚約だ?冗談じゃねぇ!自分の嫁くれぇ自分で決める!」
「ならば悪魔くんを娶るか?」
「あぁ。…初めっから、そのつもりだ」

主従の契約と婚姻の契約は同時には結べねぇ。
なら、契約なんかいらねぇ。
真吾だけを愛していく。
最期まで、こいつだけが俺の嫁だと 言い続けて死んでやる。

「…倅……」
「…真吾を、元に戻せ」

封印は術をかけた本人にしか解けねぇ。
親父はようやく諦めた顔をして真吾の額に触れた。
無表情のまま真吾は瞼をゆっくりと落とし
親父の腕に倒れた。

「ついて来い」

親父は真吾を抱き上げ、部屋を出た。
向かったのは、俺の部屋。
ベッドに真吾を横たえ、親父はステッキを出した。

「…悪魔くんの心へ、入るのじゃ」
「真吾の…心?」
「そうじゃ。悪魔くんの心に入り封印を破壊してくるが良い」

真吾の 心。
そこがどんなものなのか 俺には想像もできねぇ。

「良いか、倅。
 悪魔くんはお前に攻撃してくるやもしれん。
 じゃが、封印に辿り着くまで決して呑まれてはならん。
 心の中から出られなくなるぞ」
「…要は、上手く避けてりゃいいんだろ。任しとけ」
「相手はメシアじゃ。気を抜くな」

そう言うと親父のステッキは
強烈な光を放ち、俺は真吾の胸に倒れた。

「…わしに出来るのもここまでじゃ…
 あとは…お前達で答えを出すがいい」






***





「……ん?」

目を開けると、俺は森の中にいた。
静かに風が吹く、緑一色の森。
此処が…真吾の心…か。

「…っと。見てる場合じゃねぇ。
 封印を探さねぇと」

とりあえず飛んで探すか、と飛び上がろうとしたが

「ぅぎゃ!」

マントは風に揺れただけでいつものように飛べやしねぇ。
…此処は真吾の心の中。
いつも通りにはいかねぇって事か。
仕方なく歩いて進もうとした時

「どいて、どいて―ッ!」

茂みから何かが飛び出し、それは俺の上に落下した。

「いったー…」
「…そりゃ俺の台詞だっつーの」

落下してきた奴を払いのけ、そいつを見た。

「し、真吾!?」

確かにそいつは真吾だったが
頭には長く白い耳。ガキ用のタキシードなんか着て
首からデカい懐中時計をブラ下げている。
歳も今より少しガキっぽい。

「あ!メフィスト二世!」

真吾は俺の顔を見た途端いきなり抱き着いてきた。

「会いたかった!」
「あ…あぁ…」

ニコニコ笑うツラが酷く久しぶりな気がする。
良かった、と思いてぇところだが
封印はまだ見つけてもいねぇんだぞ。

「真吾。封印ってのは、どこにあるんだ?」
「そんな事、どうだっていいじゃないか。
 ねぇ、遊ぼうよ!」

俺の腕を引く真吾は 今まで見た事もねぇような
ガキらしい笑顔をしていた。
折れてやりたい気持ちを押し込め、真吾の腕を掴んだ。

「どうでも良くねぇだろ。みんな心配してんだぞ。
 早く封印をぶっ壊さねぇと…」

そう言うとさっきまで笑っていた目から
涙がポロポロと零れ落ちた。

「…二世は…僕が嫌いなんだ…」
「…はぁああ?」
「だから遊んでくれないんだ!
 だから僕を一人ぼっちにするんだ!」
「ちょ、ちょっと待て!」

コロコロと顔を変え、言ってる事も無茶苦茶で
…これじゃマジでガキだな。
冷や汗を出しそうになってると真吾は俺を強く抱きしめた。

「二世、大好きだよ。だから…どこにも行かないで。
 僕を置いていかないで。
 寂しくて…死んじゃうよ」

長い耳がペタリと垂れた。

「…真吾…」

まだ泣く真吾を抱き返すと
懐中時計がけたたましい音を立てて鳴り出した。

「な、なんだ!?」
「いっけない!呼ばれてるんだった!」
「呼ばれてるって…誰に?」
「女王様だよ。遅れたらおやつ貰えなくなっちゃう!」

急がなきゃ!と真吾は俺を突き飛ばし
止めるのも聞かず森の奥へと走っていった。
…置いていかないでって言ってたのは誰だよ…。

呆然とする俺の頭上で笑い声が聞こえた。

「誰だ!!?」
「誰、は酷いんじゃない?メフィスト二世」

木の枝に寝転び俺を見下ろしているのは
また、真吾だった。
今度は頭に猫の耳をつけて、おまけに尻尾まである。
歳は…今の真吾と同じだな。

「お前…」
「彼をまともに相手しちゃだめだよ。
 子供なんだから」

可笑しそうに笑っちゃいるが
お前だってまだガキだろうが。

「封印を壊すんだって?
 悪魔の君が、それじゃまるで王子様だね」
「ケッ。ガラじゃねぇや」

そう言ってもまだクスクス笑い、真吾は森の奥を指差した。

「進んでごらん。…君に壊せるもんなら、ね」
「…どういう意味だ?」
「さて。謎々の答えは自分で見つけなきゃ」


―――頑張ってね 王子様―――


笑い声だけ残して真吾は風に溶けるように姿を消した。
森の奥は悪魔の俺でも見えない暗闇。

「…上等じゃねぇか」

売られた喧嘩は買う主義だ。
ステッキを構えて進み、見つけたのは

「…百目…?」

見慣れた仲間の姿。



***




「どゎああぁああッ!!」

上等だと息巻いて五分もしねぇ内に
とんでもない目に合った。
次々と現れる使徒はロボットみてぇに俺を攻撃してきた。
一発当てりゃ幻みてぇに消えたが
それでも仲間を攻撃すんのはいい気分しねぇ。
百目に始まり、幽子、ピクシー、象人、学者、鳥乙女、妖虎、サシペレレ。
…蝙蝠猫ん時ゃやり易かったな。

俺を潰そうとする家獣に稲妻電撃を喰らわせ、ようやく十人。
最後の一人は…

「…やっぱりてめぇかよ…ユルグ」

蒼く長い髪を揺らした男。
それが ユルグが人間に化けた時の姿だ。

『ユルグの人型、すっごくカッコイイんだよ!』

嬉しそうに話す真吾を思い出して笑っちまった。
あん時ゃ我慢したが 今は

「手加減しねぇぜ」

そう言うとユルグは狐火を出し
俺に攻撃を仕掛けてきた。狐火は幻覚を見せる。
現実じゃねぇ此処で幻覚なんか見せられちゃ終わりだ。
狐火を避け、ステッキを振り上げた。

「魔力!火炎放射!」

所詮は偽物。
ユルグは絶対零度を受け、あっさり消えちまった。

「第二使徒が俺に勝とうなんざ、一万年早ぇんだよ」

吐き捨てるように言うと、頭上でまたあの笑い声。

「酷いなぁ。仲間じゃないか」
「本物はもっと強ぇ」

こんなに弱くちゃ、暴れ足りねぇぜ。

「さっすが第一使徒。
 それじゃ、次は楽しめるかな?」

指差した先に小さな光が見えた。

「次はなんだ?封印ってのは、一体どこに…」

見上げると真吾の姿はもう無かった。
ただ風に混じって笑い声が聞こえた。


―――さて 君ならどうする?―――


どうもこうもねぇ。進むしかねぇだろ。

光の元へ行くと、そこでまた真吾を見つけた。
ただし 歳はかなり上がった。二十…二十四くれぇ、か。
真っ黒の燕尾服を着て長いテーブルを前に
紅茶を飲む真吾の横顔は、微かに今の面影があって
随分美人になったとマジマジ見つめちまった。

「…見惚れてないで、座ったら?
 メフィスト二世」

笑顔でそう言われ、とりあえず真吾の前の席についた。
テーブルに並んだ菓子は全部、よく似せた玩具だった。
真吾が飲んでいると思った紅茶すら、空のカップだった。
偽物に囲まれたティーパーティー、か…。

「…封印はどこだ」
「一言目がそれ?情緒無いなぁ」

肩を竦める仕草も真吾そのものだ。

「封印を探すなら、女王様のところへ行った方がいいかもね」
「女王……兎の格好した真吾も言ってたな…。
 女王ってのは、一体なん」
「君が辿り着けるとは思わないけど」

可笑しそうな笑みを浮かべ、そいつは空のカップを置いた。

「どうして封印を解きたいの?」
「感情が無ぇお前は、つまんねぇ」
「どうして?君の好きなようにすればいいじゃないか。
 文句一つ言わず従順になるかもしれないよ?
 それとも…」

薄笑いを浮かべながら真吾は指を鳴らし、俺の足元から弦が伸びた。
驚く暇も無く俺の四肢は弦に捕えられ
テーブルに叩きつけるように乗せられた。
その勢いでレプリカがどれだけ落ちようとも
真吾は俺を見たまま 笑ってやがる。

「虐められる方が好み?」
「…てめぇッ…!」

睨むと真吾はおどけた様子で肩を竦めた。

「どうしてそんなに怒るのさ。こんなに、愛してるのに」

俺のシルクハットを奪い
自分の頭に乗せて、もう一度指を鳴らした。
シルクハットは真吾の頭にピッタリのサイズになり
真っ赤な薔薇の飾りまでつきやがった。

「似合う?」
「十年早ぇ」
「…たまには褒めてよ。
 愛してるって言って。僕だけのために在るって誓ってみせて」

真吾は俺のタイを解き、それを俺の首に巻き付けた。
まさに 絞殺寸前。

「…何度も言ったはずだぜ。
 真吾を愛してる。お前のために生きてやるってな」
「レプリカにはうんざりだ」

格好だけで 本当は何の役にも立たない玩具。

「本心なら、もっと欲しがって」
「…忘れてるみてぇだな。
 俺は悪魔だぞ。ぶっ壊れる覚悟があんのかよ」
「覚悟するのは君の方だろ」

テーブルに脚をかけ、真吾は俺の上に被さった。

「どこにも逃がさない。僕だけの…可愛い悪魔」

俺のシャツを乱し、身体に舌を這わせた。
不意打ちに声を上げそうになったが
それを喉で押し殺し、真吾を睨み、笑ってやった。

「お前が…ッ…ヤれんのかよ」
「試してみようか」

耳に、角にキスされて真吾が間近に迫った。

「愛してるよ メフィスト二世」

『決して呑まれてはならん』
…マジでヤベェ!

親父の言葉を思い出し、身体を捩った瞬間
大きな風が吹いた。





後編
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