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仲里沙月の悪/魔くん小説(二埋)ブログ。
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今日も元気に更新でーす!
6もちょっと短くなってしまいましたが
ここで切らないと、やたら長くなるので…。

って、こんな事言ってたら凄い長さになるんじゃ…。
テヘ!で何でも許してもらえる年齢に戻りたいです、ホント。

では!(6)は【つづき】よりドウゾ!




(6)



ノックをして入ると
博士の隣にメフィストもいた。

「親父、どうしたんだ?」

二世が訊いても、メフィストは渋い顔をするばかり。
かなり深刻な話しなんだと、僕は博士に呼ばれた理由を尋ねた。

「メフィスト二世にはしばらく、ヨーロッパへ戻ってもらう」

博士の最初の一言に、僕は頭がついていかなかった。
噛み付いたのは二世だった。

「冗談じゃねえ!いきなりなんだよ!」
「どうもこうもないわ。
 …何故、第一使徒でありながらメシアを穢した」

ハッと顔を上げると、メフィストが困った顔をしている。
博士は白髪から鋭い眼で僕たちを睨んでいた。

「本来ならば決して許されんが…
 メフィスト二世は第一使徒じゃ。運命数一の使徒を失うわけにはいかん」

戦いとなれば召喚すれば良かろう、と言いながら
博士は僕の肩に手を置いた。

「悪魔くん。君はまだ人間で、子供じゃ。
 悪魔に魅入られては、人間として、メシアとして
 この先が辛いだけじゃ。
 メフィスト二世とは、しばらく別れた方が良い」

僕の頭はまだフリーズしたまま
壊れたように、みんなの声を再生していた。


『ヨーロッパへ』
    『メシアを穢した』
『いつでも悪魔くんの味方でヤンスよ!』
『絶対守ってやる』
         『別れた方が』


「嫌です」


気付いたら、そう言っていた。
三人が驚いてるのが、見なくてもわかる。

「嫌だ…」

頭がぼんやりして、右目が痛い。
自分が何を話しているのか よく わからない。

「僕は、ずっと、…苦しいんです。
 負けられない、立ち止まれない、たとえ…死んでも」

頭がグラグラして前が見えない。
真っ暗だ…ここは あの洞窟みたい。

「それでも、多くは望まない。望んでない。
 ただ、みんなと、好きな人と、一緒にいたい。
 望んだのは それだけです」
「悪魔くんッ」

メフィストが呼んでる。
答えようと思ったはずなのに口からは返事も出ない。

「たったそれだけの、望みも捨てろっていうんですか。
 それじゃあ、僕は…僕はまるで、理想郷への生け贄だ」

あの悪魔は 生け贄を望んでいた。

「僕は生け贄なんかじゃない!」

ガラスの割れる、大きな音が聞こえて
目の前が本当に真っ暗になった。
…頭の奥で 悪魔はまだ 生け贄を欲しがっていた。




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