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仲里 沙月(ナカザト サツキ)
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仲里沙月の悪/魔くん小説(二埋)ブログ。
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既に7…予定では7で終わるはずでした。ダメダメだ!
今回はちょっと説明台詞が多いですねー。そうですか?(何)

BGMは是非コチラで!

他サイト様は素晴らしいのに、どうして自分はこうなんだーッ!
と、イーッ!!!!て、なる事が増えました。
今日は郵便局で態度悪い人に、またイーッ!!!!て、なりました。
クソー。火炎放射が使えたら…(ヲイヲイ

そんな駄文でも付き合ってやるよ!という
後光のさしてるあなたは【つづき】よりドウゾ!





(7)





生け贄なんかじゃない、そう叫んだ途端
部屋中の窓が割れて、本が倒れた。
真吾もそのまま意識を失っている。

「おい、しっかりしろ!」

揺すっても目を開ける気配がねぇ。
その時。
右目の瞼から真っ赤な模様が
真吾の顔の右半分に広がった。

「なッ!なん、だ…これ」

それは少しずつ、真吾の身体に広がろうとしていた。

「倅!ヨナルデとピクシーを呼んで来い!」
「親父ッ」
「急げ!」

俺は言われた通り博士の部屋を飛び出して
ヨナルデとピクシーを連れてきた。
親父は、広間に残りの使徒を集めておけ、と言って
扉を閉めた。
だが、集めても親父や博士は現れやしねぇ。
痺れをきらした鳥乙女が呼びに行こうとした時
ようやく、親父が疲れきった顔で入ってきた。
博士も真っ青で、ピクシーとヨナルデは
まるで真吾が死んだかのような顔をしている。

「おい!し……悪魔くんは、どうなんだ!?」

黙りを決め込んでいたが、口を開いたのは
ヨナルデだった。

「黒悪魔に襲われた時に、右目を剣で刺されたと言っていた。
 あれが…モレクの呪いだったんダワサ」
「モレクの、呪いって…?」

幽子がオロオロしながら訊いた。
ヨナルデは喋りながら泣きそうな面だ。

「黒悪魔のような心に、支配され…悪魔くんの魂も、
 やがては…黒悪魔と同じものになるんダワサ…」

倒すはずの"悪魔くんが" 黒悪魔になる。
メシアとしての力を持つ真吾がそんな事になったら
東嶽大帝より手に負えないと、そこで言葉が無くなった。

「呪いなら、術者をブッ殺しゃいいだろ!」
「モレクの呪いに…術者などおらん」

ヨナルデの代わりに親父が口を開いた。

「かつて、モレクと呼ばれる像があった。
 その像の内側には子供達が生け贄として入れられ、
 生きたまま焼かれたんじゃ。
 モレクはアンモン人の神じゃが、今、悪魔くんに
 かけられている呪いは、像に染み付いた、
 苦しみながら死んだ子供達の呪い、そのものじゃ」

真吾を襲った黒悪魔も、その呪いで狂ったんだと言う。

「術者がおらんあの呪いは、ただ生け贄を欲しがっておるとしか思えん。
 生け贄、とは本来何かを祈って差し出すもんじゃ。
 だが、モレクの像から生まれた呪いには祈りや望みがない。
 何の目的もなく、生きた犠牲…生け贄を欲しがっておる」
「治す方法はないのかモン!?」
「どんな薬草でも無理だったんだ!」「傷を癒すだけじゃ意味がないんだ!」

ピクシーが二人とも泣きながら叫んだ。

「じゃあ、前に仮眠室の窓が割れたりしたのは…」

サシペレレが思い出したように呟いた。
仮眠室、俺の寝室のワイン、博士の部屋。
力の暴走のようだ、と言ったサシペレレの台詞は
正しかったらしい。

「…悪魔くんとしての力に、呪いの力が入り、
 強大な力を制御できる身体が無い。
 感情の起伏で、恐らく力が暴走したんじゃ」

親父は俯いたまま、万策尽きたように言った。
全員が 黙り込んだ。

「…博士、どうするの?」

鳥乙女が全員の疑問を博士に投げた。
博士は真っ青な顔で口を震わせた。
だが、声が出る瞬間に 広間の扉が開いた。
そこに、真吾が立っていた。

「悪魔くんッ!」

百目が走り寄って、真吾の手を握った。
真吾はいつものように笑って、百目を撫でた。
ただ、その首には ソロモンの笛が無かった。

「ヨナルデ、ピクシー、メフィスト、博士…
 ありがとう。ここからは僕が、言うね」

一度深呼吸をして、真吾は全員を一人一人見つめた。

「僕は、これから聖水に入る。
 ピクシーに水中で呼吸できる薬草を作ってもらったから
 そこへ入って静かに眠るよ。
 神に近い水の中なら、呪いの進行も遅いはずだし
 僕の感情で力が暴走するなら、眠っていた方がいいはずだ。
 でも…呪い自体はもう、僕の意思では、どうする事もできない。
 みんなは、手分けして、対処法を見つけて」

その指揮はメフィストにお願いするね、と
親父に向かった。

「あぁ…任せておれ」
「……そして、メフィスト二世。
 君には、一番重大な命令を伝える」

真吾は真っ直ぐ俺を見つめた。

「もしも…解決策が見つからず、僕が暴走したら…
 その時は…」

震える喉で深呼吸して、俺を見て笑った。


「その時は 僕を殺して」


十二使徒全員が目を見開いた。

「そんな事できないモン!」
「そうよ!バカ言わないで!」
「そうでヤンスよ!大先生らしくねぇや!」

納得のいかない十二使徒が訴えるが
真吾は背筋を伸ばして、笑顔を消した。

「それ以外に方法はないんだ。
 東嶽大帝がいなくなった今、
 また世界を混乱に貶める事はできない。
 みんな、聞き入れてくれ」
「…冗談じゃねぇ」

俺は真吾の襟首を掴み上げて怒鳴った。

「冗談じゃねぇ!俺がお前を殺せると思うか!?」
「実力的に、暴走した僕を止められるのは君しかいないよ」
「そういう意味じゃねぇ!」
「メフィスト二世!」

真吾は掴んでいる俺の手を払いのけて叫んだ。

「…これが、悪魔くんとして、最後の命令になるかもしれない。
 第一使徒、メフィスト二世。…命令だよ」

真っ直ぐ俺を見て、そう言った。
真吾は、頼んだよ、と言い残して部屋を出て行った。
誰も動けなくなっているその部屋を飛び出して
俺は真吾を追いかけた。

「待ちやがれ!どういうつもりだ!」

腕を掴んでも痛いとも言わずに、笑顔を向けた。

「もしも呪いが暴走したら、だよ。
 別に今すぐ殺してなんて言ってないじゃない」
「当たり前だ!たとえ止められなくなっても
 お前を殺したりできるか!」
「君がやらないなら…メフィストが僕を殺すんだよ」

その時に俺が動かなかったら、親父以外に"悪魔くん"を
殺せる者がいない、と震える声が言った。

「どうせ殺されるなら、君がいい」
「バカ言うな!らしくねぇ。お前がそんなに簡単に諦めんな!」

真吾は俺の腕を振り切って、向き直った。
薔薇のように紅い模様の痣が首まで伸びている。

「僕はもう"悪魔くん"じゃない!
 ソロモンの笛も…吹けなくなってるんだ」

笛は魂で吹いているから
呪いに浸食された魂では奏でられない。
魂が"悪魔くん"ではなくなっていく。
痣は、青ざめた顔に映えている。

「博士は…君が僕を穢したって言ったっけ…。
 なんにも知らないんだもんね、博士は。
 僕はもうとっくに穢れてたっていうのに」
「お前はどこも穢れちゃいねぇ!」
「よく見てよ!黒悪魔の手にかけられて、
 この身体には呪いの痣が広がってるんだ!
 二世にッ……」

そこまで言って、無理に笑顔を作ろうとした真吾の目から
涙が落ちた。
真っ赤な右目を押さえ俯いて、声を震わせた。

「……怖いなんて言ってないで、もっと早く…
 君に抱かれてれば良かったね…」

涙を拭おうとする腕を引き寄せて真吾を抱き締めた。
強く抱き締めても、痛いとも言わずに
真吾は俺の肩で、ただ、ごめん、と、愛してる、を繰り返した。

「お願いだよ…二世。
 君の手で…僕を殺して」

約束だよ、と真吾は最後に笑った。






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