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仲里 沙月(ナカザト サツキ)
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女性
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本の虫!倅とメシアが大好きです!好き過ぎる!
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仲里沙月の悪/魔くん小説(二埋)ブログ。
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捨てる神あれば拾う神あり。

今日の自分の郵便受けはまさにそんな感じでした。
不幸の手紙かと思うような郵便の有象無象の中に!
素敵神サイト様の二埋本が!フハッ!

これで明日も生きていけるよ、お姉ちゃん。

そんな際どい毎日を過ごしながら、
本日は『499!あと1だったのに!』記念の二埋小説を持ってまいりました。

女装注意です!次は倅と一緒に女子制服でも着せるか。ムハ!
勢い余って書いたおまけは成人向けなので裏ブログへ。

脳内でキュートなメシアをイメージしてから【つづき】よりドウゾ!(何)





めでたし めでたし …って。
そんなにピッタリのガラスの靴が
ちょっと走ったくらいで脱げるわけないのに。


うそつきシンデレラ



二世が急に来なくなって三日。何事もないからいいようなものの…
抱くだけ抱いて、散々スキだとかアイシテルだとか言って
突然、音信不通になるなんて。
机で頬杖ついて、夕日を見ながらため息をついた。
今日も来なかったら四日会わない事になる。

「……あー…」

もうほんとにやめよう。たった三日じゃないか。
頭を振ってベランダに出たら、もう冷たくなった空気が
身体に染みた。

「悪魔くん」

頭上から声がして見上げたら

「鳥乙女!どうしたの!?」

普段、滅多に人間界に姿を見せない鳥乙女が
屋根の上で笑ってた。

「ちょっとね…あら、百目ちゃんは?」
「百目ならエツ子と買い物に行ったけど…
 一体どうしたのさ!?」

問いかけると真っ白な翼を広げて、鳥乙女が僕の部屋に入ってきた。

「悪魔くん、メフィスト二世の事が気になってるんじゃないかと思って」

ドキ。としたけど、平静を装って「別に」と答えた。
僕たちの関係は、一応、みんなに隠してる。
二世曰く、バレバレらしいけど。

「ふふ。嘘吐かなくてもいいわよ。ね、今から見えない学校に行きましょう」
「え…どうして?」
「今あいつ、大変な事になってるのよ」
「大変…って」
「花嫁選びをさせられてるの」



鳥乙女が言うには。
少し前からメフィストは二世の花嫁探しに夢中になっていて、
ここ三日は見えない学校にも来れない程、散々親子喧嘩をしていたらしい。
でも結局は二世が折れて。
二世は今夜、メフィストの屋敷で花嫁選びのパーティーに参加させられる。
息子を心底可愛がってるメフィストが選んだ女の子に囲まれて
二世はその中から一人 花嫁を見つける、らしい。

「………それで。どこから、こうなったの?」

説明を聞きながら、結局見えない学校まで連れて来られて。
着替えやら化粧やらさせられて、着せ替え人形にでもなったみたいな僕は
姿見で自分の格好を睨んだ。

透明の肩紐で着た、ベアトップの真っ赤なバルーンスカートのミニドレス。
ふんわり膨らんだスカート部分に同じ色の花。豪華なネックレスとイヤリング。
足首でリボン結びをした真っ黒のヒール。頭には赤い薔薇の花飾り。

「…これ、誰…?」

鏡の中の僕は詰め物で膨らんだ胸を押さえて、心底困った顔をしてる。

「悪魔くん、可愛い!やっぱり私の目に狂いはなかったわ!」
「鳥乙女!これ一体…」

振り返ると、鳥乙女もいつもの格好じゃなかった。
薄いピンクの、マーメイドラインのロングドレスを着て
華やかにセットした髪を気にしてる。

「…ど、どうしたの本当に…」
「ね、おかしくない?」
「おかしくない…っていうか、凄く綺麗だよ!」

鳥乙女は、ありがとう、と笑って、シルバーのヒールが音をたてた。

「じゃ、行きましょう」
「行くって…どこに?」
「決まってるじゃない」

そう言って取り出したのは一通の招待状。
いつか二世に見せてもらった、メフィストの家紋が押してある。

「ま…まさか」
「そう!花嫁選びに乱入してやるのよ!」
「え、い、嫌だよ!」
「あのお坊ちゃんに一泡吹かせてやるわよ!」

鳥乙女はもう僕の声が聞こえないようで。
招待状に向かって呪文を唱えると、無人の車が僕たちを迎えにきた。
ウキウキしてる鳥乙女に促されて車に乗り込み、僕は覚悟を決めた。

***


「凄い数だね…」
「メフィストったら、あちこちに招待状バラまいてたのよ?」

だから手に入れやすかった、と話す鳥乙女に答えながら
周囲を見渡した。
多分、全員が悪魔なんだろうけど、可愛い子が沢山いる。
これ全員が二世の花嫁候補なんだと思うと目眩がしそうだ。
それでもなんとか二本の足でしっかり立っていると
ホールが騒がしくなってきた。

「悪魔くん、いたわよ」

鳥乙女が指差した先に、二世がシルバーのダブルタックピンを付けた
タキシードを着て、心底機嫌の悪そうな顔で立っている。
周りの子はウキウキと二世に挨拶に行って、一人一人、
ここでも機嫌の悪そうに挨拶を返していた。
この中の誰かと、二世が、結婚する。
眺めながら、僕の心中はどんどん荒んでいった。

「ね、私たちも行きましょう」
「…僕は、いいよ」
「…悪魔くん?」

今はもう 彼を見ていたくない。

「だめよ」
「…鳥乙女、僕は」
「だめ。そんな風に、大切なものまで投げ出さないで」

鳥乙女は僕の手を握って、二世とメフィストの所まで進んだ。

「ゲッ、鳥乙女!」
「なんじゃ、来ておったのか」
「メフィスト二世をからかいに、ね」
「んだと、コラ!」

言い合いを始めても、僕は顔を上げる事ができずに、床を見たままだったけど

「…おや?その子は誰じゃ」

メフィストに覗き込まれて、慌てて顔を上げた。
二人とも、僕だって気付かない様子で一安心だけど…。

「あぁ…私の知り合いの子なの。メフィスト二世にはもったいないくらい、いい子よ」

頭を下げるだけの挨拶。いくらなんでも、喋ったらバレてしまう。
緊張して顔を上げると、二世がじっとこっちを見てる。
バレてないか不安だったけど、二世はすぐに他の女の子の挨拶に対応していた。
僕たちは壁の方まで下がって、また二人を眺めた。

「鳥乙女、本当に、もういいよ」
「悪魔くん…」
「二人とも気付いてないみたいだし、今のうちに帰ろう」

そう言って鳥乙女の袖を引いたら、ホールに音楽が流れた。

「な、何?」
「ダンスよ。悪魔くんも、踊っていく?」
「まさか。ダンスなんて踊れないよ」

精々、盆踊りくらいしか経験のない僕は笑って首を横に振った。
周りの女の子達が一斉に二世を見つめた。
きっと、誘ってほしいんだ。
二世はきょろきょろ首を振って、真っ直ぐ歩き出した。

「…悪魔くん。私ね、悪魔くんが好きよ」
「鳥乙女…?」
「勿論、仲間って意味でだけど。だから、笑っていてほしいのよ」

見上げた彼女の顔は、真っ直ぐに前を向いて微笑んでいた。

「幸せで、いてほしいの」

カツン、と自分の前で鳴った靴音に目を向けると、そこに二世が立っていた。
二世は僕を見て片膝をついて、手を差し出した。

「Würden Sie tanzen?」
  ーーー踊っていただけますか?

ダンスなんか踊れない。僕だってバレるかもしれない。
第一、他の子をおいて僕が踊っちゃ、このパーティーの意味がない。
色々考えていたはずなのに 何も言えず その手を取ってしまった。
途端に、引き寄せられて、腰を抱かれた。
全く知識のない僕は二世に合わせて足を動かすので必死だ。
二世は余裕の顔をして、僕を見つめてる。
…正確には、『僕』じゃなくて『喋らない女の子』だけど。

今 彼が見ているのは 『僕』じゃない。

急に手が震えて、動けなくなった。
ピタリと止まった僕に、二世も立ち止まって、耳元で訊かれた。

「…どうした?」

いつもと同じ声でそう訊くから。


    ボクジャナクテモ?


気付いたら二世を突き飛ばしていた。
倒れはしなかったものの、いきなりの事で二世も驚いている。
それに、ホールは音楽が止まってザワザワと話し声が聞こえた。
困ったように手を差し伸べる二世に、僕の手はもう伸びなくて
混乱する頭で、ホールを飛び出した。

「お、おい!」

二世の声が聞こえたけど、もう聞きたくなかった。
静まり返った廊下を当ても無く走って、走って、走った。
息がきれて立ち止まったら泣きそうになって、また走った。
階段を上ったり下りたりして、廊下はどんどん暗くなっていった。
慣れないヒールで走り回って、ついに走れなくなった時
離れた場所から足音が聞こえた。
二世かも、と思ったけど、その足音は重々しく響いていた。

『宴がある時は、門番以外にも屋敷を守る悪魔がウロウロしてんだよ』

いつか、二世から聞いた屋敷を守る者かもしれない。
だとしたら、招待状も持ってない上に、正式に招待された訳じゃない、
しかも人間の僕が見つかったら…。
隠れようか逃げようかと迷ってると、暗闇から手が伸びた。

「こっちだ!」

腕を掴んだのは二世だった。
二世に引かれて、一番近い部屋に二人で隠れた。
そこは宝物庫のような部屋で、小さな窓には鉄柵がはまっている。
重い足音は、部屋の前を通り過ぎて、聞こえなくなった。

「あいつ等は親父のいう事しか聞かねぇからな…大丈夫か?」
「………」

気付いて、いるんだろうか。僕だって事。

「…ま、いいか。あんなパーティーなんか飽き飽きしてたとこだ」

顎を掴まれて、キスをされた。
三日ぶりだったけど、深くなる前に終わった。
僕が二世の腹をヒールで蹴り飛ばしたから。
足首に巻いたリボンが解けて、カンッと靴も一緒に飛んだ。

「ゲホッ、な、」
「なにするんだよ!」

思わず叫んでしまって、慌てて口を手で塞いだけどもう遅かった。
二世は僕の声を聞いて、驚く事もなく笑った。

「やっと喋ったな」
「……気付いてたの」
「当たり前だろ。あんまり可愛くなってんで、見惚れてたんだよ」
「い、いつから…?」
「挨拶に来ただろ?そん時」

それって一番最初じゃないか。

「…悪かったな。三日も留守にしちまって」
「事情は鳥乙女から聞いたよ。君も、大変だったんだろ?」

飛んでいった靴を拾おうとして、足の痛みが走った。

「痛っ…」
「どうした?どっか、怪我したのか!?」

怪我なんかしてないよ、と言って足を見たら踵から血が出ている。
ヒールなんかで走り回ったから、派手に靴擦れをしたみたいだ。

「バカ!怪我、してんじゃねえか!」

二世は僕を抱きかかえて、大きな箱の上に座らせた。

「うわ、痛そうだぞ」
「平気だよ、これくらい」

二世はもう片方の靴も脱がせて、顔を顰めた。

「こっちもか…なんだってあんなに走ったんだよ」
「…よく、わからない」
「ま、どんなに走ってもヒールの音がしてたからな。
 追いかけんのは楽だったが…あそこまで必死に逃げなくてもいいだろ」

そう言われて、僕はもう一度、よくわからない、と答えた。
どうしてあんなに走ったのか。何から逃げたのか。
本当に、わからない。

「…二世」
「ん?」
「…結婚、するの?」

そう訊いても、二世は僕の足を持ったまま、俯いている。

「……メフィストの名を継ぐには、それしか、ねぇんだ…」

絞り出すような声が、低く響いた。

「メシアの片腕でいるには、力だけじゃだめなんだ」
「それで…それで名を継ごうとしてるの?そんな事で!?」
「そんな事とはなんだ!俺がどんだけ悩んだと思ってんだ!」

二世が立ち上がって僕を睨んだ。でも、謝る気にもなれない。

「名前なんか継がなくても君は強いじゃないか!」
「今のままじゃだめなんだよ!名前を継げば、力も上がる!
 お前を守るために、魔大公の地位がいるんだ!」
「そこまでして守ってくれなんて言ってないだろ!」
「お前のためだろ!」
「僕のためだと思うなら結婚なんかしないでよ!!」


思わず叫んで、息を飲んだ。
だから 君と言い合うのは嫌なんだ。
いつでも、本音を引きずり出される。自分でも、見たくないのに。


「……僕のためだって言うなら…他の誰かのものにならないで」


なんて自分勝手な言い分だろう。僕は、二世のものにならないのに。
二世だけのものには、永遠に、なれないのに。

「………」

何を言われるか怖くて黙り込むと、二世も黙った。
重い沈黙に耐えられなくなって、立ち上がろうとすると
いきなり二世に抱き締められた。

「…離して。鳥乙女が、待ってる、から」
「親父が相手してるだろ」
「…離して。苦しい、から」
「我慢しろよ」
「……離してよ。今の僕を、君に見られたくないんだ」
「俺は見てぇ」

そう言って二世は僕の顔を見て、キスをした。
額に、瞼に、頬に、唇に。
僕は大人しく一つずつ受け取って、息を吐いた。
ようやく僕を離した二世はまた、足を取って
血の滲んだ踵に舌を這わせた。

「痛ッ、二世…!やめて、き、汚いよ!」
「うるせぇ」

取りつくしまもないくらいキッパリと言い切られて、また黙った。

「…とんだシンデレラだな」

まだ零時でもねぇのに、と喉の奥で笑うのが聞こえた。

「…ごめんね。折角のパーティーだったのに」
「…俺はもともと乗り気じゃなかったんだ。
 親父のやろーが、せめて選ぶだけでもしねぇと
 人間界に行かせねぇって言い張ったからな」

そう言って、こっちを向いた二世は真剣な顔をしていた。
思わず魅入ってると、足の甲にキスが一つ落ちた。

「 Heiraten Sie bitte. 」

一瞬、何を言われたのかわからなかった。
あの二世が、僕に、結婚してください、って。

「…今すぐじゃなくていいからよ。魔大公の花嫁だぜ?タマノコシ、だろ」
「た、え、いや、は………え?」
「おいおい、大丈夫かよ」

ようやく笑った二世にほっとしながら、僕の頭はぐるぐる回った。

「お前がいいと思う時期でいいからよ。気長に待ってるぜ」
「…本気?」
「当たり前だろ。冗談でプロポーズなんかするか」

月明かりに見た二世の顔は真っ赤になっていた。

「僕は、男だよ?」
「その格好してるとまるっきり女だけどな」
「…人間だよ?」
「人間と悪魔の共存目指してる奴が言っても、説得力ねぇよ」
「…"悪魔くん"、だよ?」
「…正式に婚儀の契約を交わさなきゃいいだけだろ」

周りに嫁だと言いふらして、契約を交わさない。
そう言った二世はバツの悪そうな顔をしてる。

「婚儀なんざ、どうとでも誤摩化せるが…お前は、嫌だろ」
「僕が…?」
「周りを騙す事になるんだぜ?」

ドキ、と心臓が鳴った。

「…結婚して苦しめるんじゃ、意味ねぇだろ」

苦しそうな顔に、鳥乙女の言葉を思い出した。
『幸せで、いてほしいの』
そう言って微笑んだ鳥乙女。僕は、本当に、守られているんだな。
頭の片隅でそう考えて、二世の首に腕を回した。

「君が傍にいてくれるなら、苦しくないよ」

額にキスをして、いつもより赤い顔を抱き締めた。

「永遠に、僕のものでいてくれる?」
「…ヘ、お易い御用だ」

ガラスの靴も、薬指の指輪もないけど。 神に誓いを立てられなくても。

「愛してるよ」

悪魔に 永遠を誓う。



(ガラスの靴を拾って 僕を見つけて カボチャの檻に入れてしまって)


End. おまけは裏ブログにて。
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