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仲里 沙月(ナカザト サツキ)
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仲里沙月の悪/魔くん小説(二埋)ブログ。
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やってきました拍手お礼一気替え!!
今回の拍手お礼小説の合い言葉は
『ダーリン!おしお○だっちゃー!』ですww

今回はこの「Rain」の続編?を拍手お礼にしました。
なので、これ読まないと「?」「?」ってなる箇所が
幾つかあります。
他にもウチのこばなしやら小説やら
ちょいちょい絡めてみました。
あ、でもそれは読まなくても大丈夫です!

ちなみにこの「Rain」は死にネタです。
そういえばウチで死にネタは初だなー。
バッドエンドと思いきや…!
死にネタさえもハッピーエンドというかバカエンドにしちゃうのが
仲里です。
こちら一本でも一応完結してます。

それでは!メフィスト二世による【真吾育成計画】
発動前の「Rain」は【つづき】よりドウゾ☆








それは よく晴れた日で。



Rain



東嶽大帝を倒し 十年が過ぎた。
今 魔界と人間界の戦争が始まる。

「二世…」
「真吾、起きて大丈夫なのか?」
「うん…今日は、気分いいんだ」

真吾は戦闘中に黒悪魔の攻撃を受け、その身体は呪いに蝕まれている。
一家揃って、見えない学校へ避難して
今も治療を受けてはいたが、真吾の身体は日に日に弱っていった。

「…これは……」
「…昨日、な…」

魔眼に映し出されたのは焼け爛れた、かつての町。
真吾はそれを見ると、俯いて拳を握った。
俺以外の十二使徒は各地で仲裁に入っているが、
戦況は 人間界の敗北が目に見えている。

「二世、行って」
「バカ言え。今のお前を放って、俺が行ける訳ねぇだろ」

真吾は俺の隣へ来て、消えちまいそうな笑顔を見せた。

「大丈夫だから」
「真吾…」
「君は強い。きっと…こんな戦い、すぐ終わる。
 第一使徒、メフィスト二世…命令だよ」

身体がどれだけ呪いに犯され 弱っていっても
真吾の目は確かに強く光っていた。
俺はその目に、片膝を着いた。

「…仰せのままに メシア」

そう言うと、一段と細くなった腕が俺を抱いた。
十年でデカくなった俺と違い、真吾は少し背が伸びただけで
あの頃とほとんど変わらねぇ。

「きっと、無事に帰ってきて」
「あぁ…必ず帰る。だから、待ってろ。約束だ」

真吾を抱き返し、キスをした。

「…続きは、帰ってからな」
「…バカ」




ーーー






みんなの戦いを見守る事しかできない僕は
ずっと魔眼の前にいた。
みんな、傷ついてる。 人間も、悪魔も。
けど、メフィスト二世が加わってからは
戦闘の治まるところも増えた。
さすが、魔界最強と自称するだけはある。

「…ッ、ゲホッ、…!ゲホッ」

口を押さえていた手に血を吐いた。
もう …時間がない。

「悪魔くん!」
「百目ッ…どう、して……」
「悪魔くんの様子を見て来いって、みんなに言われたんだモン…」
「……そう…相変わらず、みんな…心配性だな」
「悪魔くん…」

百目に笑いかけ、立ち上がった。
まだ、まだやる事が残ってる。
"悪魔くん"として  "メシア"として。





ーーー





「悪魔くん、今日は具合は…」
「………」
「…悪魔くん?」
「……ッ…」
「…泣いてる、のかモン…?」






ーーー



「ちくしょう!こいつで最後だっつーのに!」

俺が加わってから、もう半年が過ぎようとしていた。
人間界に押し入ってきた悪魔の大半が、
魔界に逃げ帰ったり死んじまったりで、ほとんどいねぇ。

あとは 俺達の目の前にいる こいつだけだ。

「くそッ…!」

東嶽大帝と大して変わらねぇデカさだ。
どんなに攻撃してもビクともしねぇ。他の黒悪魔とはケタ違いだ。

「どうすりゃいいんだよッ…!」
「…メフィスト二世!あれ!」

鳥乙女の声で振り返ると、背後の空から見慣れたものが現れた。

「見えない学校ッ…!!?」

真吾…!






「悪魔くん!無茶だモン!」
「……百目…早く…みんなの、ところへ…」

ソロモンの笛を握りしめて、床に手をついた。
見えない学校…君だって、戦いたいはずだ。

「一緒に…いこう」

そう呟くと見えない学校の車輪が音を立てて動き始めた。
百目をみんなの元へ行かせて、僕は見えない学校から
みんなを見下ろした。
僕が笛を構えると、みんなが位置についた。

きっとこれが …最後になる。

僕はありったけの力を込めて 最後のメロディーを奏でた。

その時 一羽の鳥が飛んで
黒い雲の隙間から 青空が見えた。




ーーー




最後の悪魔を倒したのは 東嶽大帝と同じ 究極の六芒星だった。

「真吾ッ!」

疲労で倒れて行く十二使徒を横目に、俺は見えない学校へ
走っていった。
真吾は笛を奏でたその場所で倒れていた。

「しっかりしろ!しんッ…」

抱き上げた身体から、カラン、とソロモンの笛が落ちた。

いつも暖かかったその身体は もう冷たくなっていた。

「……嘘、だろ……待ってろって…約束、したじゃねぇか…
 …なぁ、おいッ…真吾!」

揺すっても 返事は返って来なかった。
微かに微笑んだままの顔に 雫が落ちた。

『雨…嫌なんだよねぇ』
『なんで雨、嫌いなんだ?』
『今は好きだよ』


雨が降ると 俺が来なくなるから だから嫌いだと言ってたっけな。
もう雨が降っても 傍にいてやるから だから

「起きてくれよ…真吾ッ!」

雫は真吾の頬に絶え間なく落ちた。
泣いているんだと知ったのは 他の十二使徒が来てからだった。






ーーー





それから 人間界は復興を始め、魔界は穏やかになったが
俺は見えない学校から一歩も出なかった。
真吾の遺体は博士と親父が弔ったと聞いた。

「………真吾…」

毎日気を失うまで酒に溺れる日々が続いた。
だが、その日は百目が俺のもとへ来た。

「メフィスト二世…」

傍へ寄っても返事もしない俺に百目が差し出したのは

「悪魔くんがいた部屋から出てきたんだモン。
 …メフィスト二世に…書いてたんだモンッ…」

一通の手紙。『メフィスト二世へ』と書かれている字は
確かに真吾のものだった。

「メフィスト二世、読んでだモン!悪魔くんの…
 最期の手紙なんだモンッ…!」

百個の目を潤ませている百目を見て
ゆっくりと その手紙を開いた。













メフィスト二世

君がこの手紙を読んでるって事は
僕は君の帰りを、待てなかったんだね。

ごめん 二世。

守ってもらってばっかりで、ごめんね。
いつもバカバカ言って、ごめんね。
心配してくれたのに無茶して、ごめんね。


約束破って ごめんね。


おかえりって、言ってあげたかった。
もっともっと、してあげたい事たくさんあった。

本当はちゃんと、直接伝えたかったんだけど…
今までありがとう 二世。

君がいたから頑張ってこれた。
君がいたから寂しくなかった。
君がいたから楽しかった。
君がいたから幸せだった。

君がいたから 生きてこれた。

傍にいてくれて あいしてくれて ありがとう。

僕は 遠くへ逝ってしまうけど きっとまた逢える。

だから今度は、二世が待ってて。

何年かかるか、判らないけど 君の傍へ 戻ってくるから。

だから






その先は、涙とインクで滲んで読む事ができなかった。
けど、その下に続きがあった。







キスの続きは それまで待ってね。

メフィスト二世  愛してる。



埋れ木真吾






俺はその手紙を握りしめ、また泣いた。
窓の外には青空が広がっていたのに。









ーーー















あれから 何年経ったかわからねぇ。
時々人間界に来ちゃいたが、復興はもの凄い勢いで進み
もうすっかり平和ってやつだ。

今日も一人で人間界に下りた。

黒悪魔に氷づけにされた公園も今は穏やかな陽が差していた。
そこで 一人の女に会った。
栗色の髪をした、幼さの残る女はどこか真吾に似ていた。
ベンチに座って、本を広げている女の腹は
そこに命があるんだとすぐに判る程大きかった。

「……そこ、いいか?」
「え?…あ、どうぞ」

俺は女の隣に座り、横目で腹を覗くと、クスッと笑い声が聞こえた。

「妊婦が、珍しい?」
「あ、いや……悪ぃ」
「いいえ。…来月、産まれる予定なの。父親の、いない子になってしまったけど」

腹を撫でた女の顔が曇った。

「…父親、人間じゃねぇのか」
「…わかるの?」
「俺も、"そう"だからな」

微かに感じた気配は 悪魔のもの。
女は確実に人間で、気配は腹の中から出ていた。

「あの戦争の時に…彼と出逢ったの」
「そいつ…今は?」
「……殺されたわ。人間に…」

予想してたが、実際に聞くと胸クソ悪ぃ話しだ。
戦時中は黒悪魔に殺された人間は多かったが
人間に殺された悪魔も数えきれねぇほどいた。

「でも彼は…最期まで、人間を守ろうとしてくれた。
 私と、この子を…だから、恨み言を聞かせて育てるつもりはないのよ」

人間も悪魔も 愛せる子になってほしい、と
女は晴れ渡った顔で言った。

「……さわって、いいか?」
「…どうぞ」

笑った女の腹に手をやると、そこで微かな動きを感じた。

「あら、喜んでる」
「……こんな頃から、元気のいい坊主だな」
「性別は聞いてないのよ。女の子かもしれないわよ」
「……いや」

『 二世 』

「男の子だ。…きっと」
「あなたがそう言うなら、そうかもね」

女とはそこで別れてから、会う事はなかった。
後日 見えない学校に知らせが届いた。
ーメシアが生まれるー
"悪魔くん"が転生する、と大喜びの十二使徒を横目に
俺は窓の外を見た。

「やっと逢えるな…真吾」

この日 青空を見上げながら 数年ぶりに笑顔が浮かんだ。





fin.
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