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仲里沙月の悪/魔くん小説(二埋)ブログ。
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本日は中学生編!こっちもとんでもないとこで止まってました。
そしてまたとんでもないとこで終わります(ヲイ

中学生編は実に五ヶ月ぶり!もう、死んでしまえ仲里!!
頭の中ではどんどん話しが進んでます。
のんびりダラダラ進んでいた中学生編もここから急★展★開!(予定)

そしてやってくるハロウィン&一周年。
一周年はできたので次はハロウィンだな…スケジュール整えて
きっちり更新したい!今月は特に!!

はい。そんな感じで。
始まります中学生編11話!
前回どんな話しだったか忘れた方も覚えてる方も
本編は【つづき】よりドウゾ!









なぁ もう 届かねぇのか…?




11:Wishes





魔界に戻って親父を見つけるのに三日かかった。
博士とあちこち渡り歩いてやがる親父は
もう真吾のところへ戻ろうかと思った三日目
見えない学校で見つけた。

「こんなとこにいやがった!」
「おぉ、倅!」

博士の部屋は相変わらず狭く、薄暗かったが
それでも博士が真っ青な顔をしているのはしっかりと見えた。

「博士?どうしたんだ?」
「倅からも言ってやってくれ。
ずっとこの調子じゃ。何を訊いても答えやせん」

デカい溜息を吐く親父を見ながら、シルクハットから
預かった手紙を差し出した。

「手紙?」
「しん……悪魔くんからだ」

そう言った途端、博士が椅子から立ち上がった。
白髪に隠れた目は大きく見開かれていて
両手が震えてやがる。

「な、なんだよ?」

何も答えない博士を横目に、親父が封を切った。
静かにそれを読んでいたが、親父の顔色も
博士同様、すぐに真っ青に変わった。

「ファウスト…お前が気に病んでいたのは…これかッ…」

博士と親父は目を合わせ、黙っていたが
俺が間を割った。

「なんなんだよ!真吾に、何かあったのか!!?」

少しの沈黙の後、親父が俺にその手紙を差し出した。
真っ白な便箋に、綺麗なドイツ語が並んでいた。






メフィストへ

この手紙を読む頃、僕はもういないかもしれない。
東嶽大帝との戦いで、僕は生命力を使い過ぎた。
もうきっと長く生きられない。
でも、後悔はしていない。
悪魔くんとして、みんなを…大切なものを守れた。
それが、今、とても嬉しいんだ。
だから、十二使徒の誰にも言わずに、逝きます。
みんなもあの戦いを後悔してほしくないから。

本当は会って言いたかったけど
時間がないので、手紙を書きます。

メフィスト。
会えて嬉しかった。
ずっとずっと、あなたに会いたかった。
僕のところへ来てくれて、ありがとう。
沢山助けてくれて、ありがとう。
二世と会わせてくれて、ありがとう。

もし僕が死んで、二世が悲しんだら教えてあげてほしい。
僕は二世といられて、一生分幸せだったって。

後悔なんか無い。
僕は本当に、幸せだった。

ありがとう。



埋れ木真吾







「…なん…だ……これ…」

手紙を持つ手が震えた。
真吾が…… 『ありがとう』 ……死ぬ?

「倅…悪魔くんの元へ戻れ」
「いかん!」

博士は慌てていたが、親父は落ち着いていた。

「ファウスト。悪魔くんの意思を汲みたい気持ちも判るが、
このまま別れては使徒の心に大きな傷が残るぞ」
「しかしッ…」
「それに」

親父が俺の手から手紙を取り、それを眺めた。

「たった十数年しか生きていない子供が
後悔もなくあの世へ行くのは…悲し過ぎる」

『後悔なんか無い』
親父はその言葉を見ていた。
折れたのは、博士の方だった。

「…そうじゃな。すぐに十二使徒を集めよう。
メフィスト二世。悪魔くんの元へ」
「言われるまでもねぇ」

それだけ言い残して、見えない学校から
文字通り飛び出して、真吾の家に向かった。

『…僕も…ずっと…好きだよ』

やっと手に入れたんだ。
今更、お前を失ってたまるかッ…!!

いつもの半分の時間で真吾の家に着いた。
勢いよく中に入ろうとノブを掴んだ手は
結界に弾かれた。
家中を強い結界が取り囲んでいやがる。
それでもなんとか中に入れねぇかと模索していると

「…ほら、やっぱり」

貧太が俺の後ろに立っていた。

「おい!真吾はッ…」

掴みかかる勢いで尋ねても、貧太は険しい顔のまま。

「悪魔くんの事、知ったんだね」
「お前…知ってたのか!?」
「そりゃね。僕は悪魔くんの一番の友達だから」

貧太は鼻で笑うように言ったが
その顔はすぐ真剣な目を見せた。

「何しに来たんだい?
悪魔である君にできる事なんて何もないのに」

貧太の言うとおりだ。
悪魔は寿命を奪う事はできても、延ばす事はできねぇ。
弱っていく真吾を、見ているだけしかできねぇ。
けど、それでも。

「今…あいつを一人にはできねぇ」

たった一人で 逝かせてたまるか。
貧太は一瞬俯き、すぐに顔を上げた。
吹っ切れたような、妙な表情だった。
そのまま俺の隣をすり抜け、ドアノブに手をかけた。
結界は人間である貧太は弾かなかった。

「…悪魔くんに言ったんだよ。
たった一人でなんて…絶対に無理だってね。
君たちが悪魔くんをどれだけ大切にしてるかなんて、僕でもわかる」

ノブはゆっくりと回り、扉が開いた。

「なんの後悔もなくたった一人で死んでいくなんて、僕だって許せない」

扉が大きく開いた瞬間、家の中に飛び込んだ。
中はいつも通りだったが、俺たちを出迎えたエッちゃんの目は
真っ赤に腫れていた。

「メフィスト二世さん!!」
「エッちゃん…!真吾は!?」
「部屋で…眠ってるわ。お兄ちゃん…ッ、おかしいの!
どんどん弱っていって、でも、どこのお医者さんも原因がわからないって…!
お父さんもお母さんも、他のお医者さんを探しに行ったんだけど…」

真っ赤な目からまた涙が溢れ

「お兄ちゃんを…助けてッ…!」

震える声がそう言った。
俺はエッちゃんの肩を叩いて

「任せとけ」

真吾に部屋へ向かった。
階段を上り、扉を開けると 嗅ぎなれた匂いとは別に 嫌な匂いがした。
悪魔が好む、死の匂い。
その中でベットに横たわる真吾は、たった三日間で随分痩せていた。
真吾は微かにだけ目を開けて、けど、俺の方は見なかった。

「…貧太君だな……苦労して張った、結界なのに…」
「真吾ッ…お前、なんでッ…!!?」

どうして言わなかったんだ
どうしてたった一人で逝く事を選んだんだ
訊きてぇ事は、喉から上手く出なかった。

「……さよなら、したくなかったからかな」

真吾の声は小さくて、油断すると聞き逃しそうだった。

「やっと…好きだって言えた。言って、もらえた。だから…」
「だから黙ってたのか?だから一人で死ぬ事を選んだってのかよ!!?」
「…さよなら、したら…終わってしまう、から…」
「何が!?」

真吾はようやく俺を見て、青白い肌で笑顔を浮かべた。

「この恋が」

人と悪魔 主と使徒
それでも俺たちが選んだ、茨の恋

「他の使徒達も…そう。友達になれた。仲間になれた。…恋人になれた。
終わらせたく、ない」

今にも呼吸を止めそうな真吾を抱きしめて、泣いたのは、俺の方だった。

「終わらねぇ!いつまでも仲間だって、言ってたじゃねぇか!
いつまでも…ずっと…!!」

こんな時 人間なら もっとマシな事が言えんのかな。
俺、頭は良くねぇんだ。だから 腕の中 小さく泣き出した真吾に
何を言えばいいのか わからなかった。

「後悔する事が、怖かった…なのに、今…後悔、してる」
「後悔…?」
「もっと…二世に、優しくしてあげれば、良かった。
行きたいところも、したい事も、沢山…あるんだ。
もっと一緒に、いたいッ…こんな風に、別れ、たく、ないッ…」

真吾は苦しそうに息をして

「二世………二世ッ…!」

震える手で俺の腕を掴み、あの日 真吾を抱いた夜 拾えなかった言葉を言った。




「死にたくないッ…」



そう言って、真吾は目を閉じた。
掴んでいたはずの手がゆっくりと落ちて、閉じた瞼から雫が伝った。






『……二世……僕…』

『死にたくない』







あの時確かにお前は、そう言っていたのに。



なぁ 謝るから もう見落とさねぇから
お前が望む事 なんだって叶えてやるから だから
そんな遠くへいくなよ。
あの世なんて、手も届かねぇ場所に

俺をおいて いくなよ。







It continues.
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