忍者ブログ
カレンダー
12 2025/01 02
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31

最終更新日*4.14
お知らせ 更新
前回更新日*2.13
こばなし 更新

やる気出ます!

現在お礼10種
ドラゴン二世×真吾
※完全パラレル設定
次回キリは50000番!
キリ番取られた方は
リクどうぞ!



連絡手段
←メール
プロフィール
HN:
仲里 沙月(ナカザト サツキ)
性別:
女性
趣味:
読書*映画鑑賞*ゲーム
自己紹介:
7/12生 
本の虫!倅とメシアが大好きです!好き過ぎる!
携帯はコチラ!
リンク
最新コメント
最新トラックバック
ブログ内検索
仲里沙月の悪/魔くん小説(二埋)ブログ。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

今日は倅のブレーキを破壊してみました。
もはや何も言うまい。

【つづき】よりドウゾ!






「真吾ー!」
「わぁああああああッ!!」


ブレーキ故障中 メフィスト二世編


あの後。
何があったか鳥乙女に聞いて
僕は顔から火でも出しそうになった。
無言のままのユルグの視線が痛い。

「そ…そんな事になってたんだ…」
「ま、日頃我慢ばっかしてっからツケが回ってきたんだろ」

ニャハハ、と他人事のように笑う二世にムッとした。
鳥乙女やユルグも同じようで、二世を睨んでいる。

「我慢させてたのはあんたでしょ」
「俺は我慢させられてる方だっつーの!」
「へぇ、じゃあ飲んでみなさいよ」

鳥乙女がどこから仕入れたのか、
薬瓶を差し出した。
ちょっと、と止めても二人とも聞く耳持たず。

「それで、普段あんたが我慢してるかどうかがわかるわよ。
 好き放題してるお坊ちゃんに"我慢"なんて文字があるように
 思えないけど」
「なんだと!…あぁ、飲んでやらぁ!」
「ちょっと、二世!」

慌てて止めたけど後の祭り。
瓶はあっという間に空になった。

「あー…全部飲んじゃった…」
「ふふ、見てなさいよ悪魔くん。絶対面白い事になるから」

鳥乙女は楽しそうだけど…
少し、いや、すごく、かなり嫌な予感。

「…なんだ。あんまり変わんねぇな」

僕も飲んだ当初は、そう言ってたらしい。
…今のうちに逃げとこうかな。
こっそり席を立って、扉に向かったけど

「真吾、どこ行くんだ?」

あっさり捕まった。

「え?あ、えーっと…っていうか、名前。
 みんなといる時は"悪魔くん"って呼んでって言っ」
「嫌だ」
「…え?」

いつもは文句言いながらも了解するのに
きっぱりと断られた。

「真吾」

抱き締めて肩に頭を埋められた。

「ちょ、ちょっと!おおおお落ち着いて二世!」

とにかく座ろう、と二人でソファに向かったけど
背後から抱き締められたまま二世は僕の肩に顔を埋めたまま
まるで"抱っこ"のような形で座ると
…コレ余計に恥ずかしい!
しまった、と思った頃にはもう遅い。
向かいのソファに座る鳥乙女とユルグが笑ってる。

「なるほど。そーゆー事を我慢してたのねぇ」
「感心しないでよ…」
「意外に甘えたがりなのね、メフィスト二世って」
「…子供だからな」

やっと喋ったユルグの一言に、正直、"そういえば"と思った。
二世は幾ら僕よりずっと長い時間を生きてても
悪魔としてはまだ"子供"なんだ。

「自分が甘えてばっかりで、僕は…二世の事、ちゃんと考えてなかったのかな」
「そうでもないだろう」
「自分の事ちゃんと考えてくれない人に、メフィスト二世は
 そんな風にならないわよ」

猫みたいにゴロゴロの首筋に甘えられて何だかくすぐったい。

「そうだけといいけ、ひゃッ!」

思わず出た声に慌てて両手で自分の口を塞いだ。
甘えていただけの二世が首の裏を舐め上げている。

「悪魔くん、どうしたの?」

こんな所で、冗談じゃない!
鳥乙女に答えず、僕は慌てて二世を振り切って立ち上がった。
二世はキョトンとした顔でこっちを見てる。

「真吾、どうしたんだ?」

一歩近寄られる度に 一歩後ずさって。

「あ、おい!真吾!」

ダッシュで逃げ出した。


………。


そして今。
まだ僕を探す二世の声が聞こえる。
どこかに隠れようと見回して、一番近い部屋 書庫に飛び込んだ。
昼寝をしている黒い翼が見える。

「あれ?悪魔くん大先生!」
「蝙蝠猫!ちょっと、外の二世、追い払って!」
「へ?」
「訳は後!頼んだよ!」

僕はそう言って、書庫の奥まで走った。
一番奥まで行き着いて、本と埃の匂いの中で息を潜めた。
ドスン、という大きな音と蝙蝠猫の悲鳴が聞こえる。
あー…やっぱり駄目だったか。
とにかく今は見つかる訳にはいかない。
今の二世は何をするかわかったもんじゃない。
コツ、コツと靴音が近づいてきたけど
すぐに遠ざかっていって、ようやくホッと息をついた。

「見つけたぞ」

声も出ない程驚いて心臓を吐きそうだった。
恐る恐る見上げると、二世がニッコリと笑った。

「逃げる事ねぇだろ」
「う、うん、ごめんね」
「せっかくユルグのヤローに見せつけてやろうと思ったのによ」
「う、うん、ごめ………え?」

何でユルグ?

「あいつは絶対ぇ真吾を狙ってやがる」
「まさか…一体どこからそんな突拍子もない考えを引っ張ってきたの」

嫌われてもないと思うけど、そんなに好かれてる訳がない。
呆れられないか、こっちは必死なんだから。

「お前は知らねぇんだ。他の使徒連中も貧太のヤローもお前を狙ってんだぜ」

二世の頭の中では、僕は随分人気者なんだなぁ…
なんて考えてたら思い切り抱き締められた。

「なにが"悪魔くん"だ」
「え…」
「お前は俺のもんだ…俺だけのもんだ」

あぁ…君が我慢してたのは『それ』か。
ずっと、その小さな胸でジリジリ抱えてたのかと思うと
…切ないよ二世。

「そうだよ。僕は、君だけのものだよ」
「…でもお前は"悪魔くん"だ」
「そうだよ」
「…お前は…メシアだ」
「でも君は そういう僕が、好きでしょ」

頭を撫でて、小さい子をあやすように言った。

「僕が"悪魔くん"じゃなかったら、出逢う事もできなかったんだよ」
「手に入らねぇなら…出逢わねぇ方が良かった」
「…そんな事言わないでよ。僕は、君と出逢えて良かった」
「………」
「僕が"悪魔くん"じゃなくなったら、
 身体でも心でも魂でも 好きなだけあげるから。
 だから、そんな悲しい事言わないでよ」

我慢弱い君に、我慢させてたんだ。ずっと。
ごめんね 二世。

「なら、今ちょっと貰っとくか」
「え?」

本棚に両手を捻り上げられて、片手でシャツを裂かれた。

「なッ…に、二世!」
「俺に全部くれるんだろ?つまみ食いくらい許せよ」

真っ赤な目がニヤリと笑って身体を舐めだした。

「ま、待って!こんな所でッ…」
「たまんねぇ。つまみ食いじゃ、すまねぇかもな」
「ひッ…、」

まずい。あの二世が満足するまでシたら……死ぬ!

「二世ッ、お願いだから待っ」
「待てねぇ。ブレーキ故障中だ」

キスされて、口内まで舐められて、足が震える。
今ばっかりは流されちゃだめだ。流されたらッ…

「悪魔くん!大丈夫!?」

ガンッ

思わず二世の腹を思い切り蹴り飛ばしてしまった。
二世は向かいの本棚にぶつかって、更にその頭に本が落ちて来て
痛みに悶絶してる。
追いかけてきた鳥乙女とユルグに裂かれたシャツを隠しながら

「だ…大丈夫」

答えたけど、あんまり説得力は無いかも。

「いっっってぇー……ん?どこだ、ここ」

いつもの真っ黒な目に戻った二世に
とりあえずホッとした。



(ブレーキ壊す時は、時と場所を選ぶべきだね)





おしまい。
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:

material:wolke  template:ゆずろぐ

忍者ブログ [PR]