忍者ブログ
カレンダー
12 2025/01 02
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31

最終更新日*4.14
お知らせ 更新
前回更新日*2.13
こばなし 更新

やる気出ます!

現在お礼10種
ドラゴン二世×真吾
※完全パラレル設定
次回キリは50000番!
キリ番取られた方は
リクどうぞ!



連絡手段
←メール
プロフィール
HN:
仲里 沙月(ナカザト サツキ)
性別:
女性
趣味:
読書*映画鑑賞*ゲーム
自己紹介:
7/12生 
本の虫!倅とメシアが大好きです!好き過ぎる!
携帯はコチラ!
リンク
最新コメント
最新トラックバック
ブログ内検索
仲里沙月の悪/魔くん小説(二埋)ブログ。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

持ってきました30000リクエスト!!!!
爆裂嫉妬しまくりのメフィスト二世』です(・∀・)!
嫉妬と独占欲の狭間が判らなくて、エラい事になってしまいました。
もう、どこをどう直せば良くなるのか判らない。
と、いう事で下手に弄るよりありのままをupです□_((ヾ(・ω・*)カタカタ

タイトルはコチラから。
色々ネタが溢れましたが、ここに落ち着きました。
いつかリベンジします(°Д°)!

リクエスト品は指定がない限り、成人向け表現は取り入れてません。
と、いう訳でエロエロしてませんが、表現が無いだけで
やる事やってはおります。ご注意★☆★

自信はないが図々しさはある!
そんな感じで30000記念!
苦情も謹んでお受け致します((((;゚;Д;゚;))))カタカタカタカタカタカタカタカタカタ
『っていうか、書き直せ』も覚悟できてます!!

それでは★
本編は【つづき】より出ます★









再会したのは五年が過ぎた、夏だった。
"悪魔くん"一万年に一人と言われた少年は
高校生になっていた。
月明かりを背負い、マントを揺らす長身の悪魔は
シルクハットを指先で上げ、懐かしい笑顔を向けた。

「メフィスト…二世…?」
「よぉ。久しぶりだな!」

呆然としていた顔が満面の笑みに変わり
真吾は二世に走り寄った。

「メフィスト二世!本当に君なんだね!」
「当たり前だろ。あんまり男前になってて気づかなかったか?」
「そういうところも変わらないなぁ。
懐かしい。会えて嬉しいよ!」
「あぁ、俺もだ」

腕が真吾の身体へ伸びた瞬間、二世の眉間に皺が寄った。

「…狐」
「え?」
「狐の匂いがする…お前から」

五年も会っていないはずの蒼い狐。
彼の匂いが、真吾から香った。

「あぁ…うん。ユルグとは、時々会ってるんだ。
色々相談に乗ってもらってる」
「あいつはお前がお気に入りだからな」

そう言った二世の目は夜の闇の中、紅く光っていた。

「二世…?」
「教えてやるよ。俺が戻ってきた意味を、な」

何、と問おうとしたが、真吾は頬を大きな手に覆われて
そのまま意識を失った。

「…お前は…俺だけのもんだ」

紅い目は笑顔に歪み、二世は真吾を抱きしめたまま
闇へ消えた。



・蝶・



カツ、カツ、と廊下を歩く足音が大きく響いた。
二世の手には豪勢な食事が乗せられたトレイ。

「坊ちゃん!そのような事は私たちが…」
「っるせぇ」

メフィスト家の使用人が声をかけても見向きもせず
二世は、ある一室を目指した。
重い扉を軽々と開けると
窓のすぐ傍で、大きなシャツを一枚着ただけの真吾が
悲しそうに空へ目を向けていた。

「真吾」

五年前には一度も呼ばなかったその名を呼ぶと
真吾はゆっくりと二世に振り返った。

「腹減っただろ。ほらよ」
「…二世」
「なんだよ。好き嫌いは聞かねーからな」

上機嫌な二世を見ながら、真吾は小さく呟いた。

「…どうして、こんな事…」

トレイをテーブルに置き、二世は笑った。

「言っただろ。これが、帰ってきた意味だ。
真吾を手に入れるために、魔力を上げて
立派んなって帰ってきたんだぜ?」
「わからないよ…僕たち、友達だったじゃ」
「そう思ってたのは、てめぇだけだ。
…俺はずっと、真吾が欲しかった。
契約なんざ関係ねぇ。ずっとお前を、愛してたんだ」

真吾を映す瞳の中に、紅い色が揺れた。
真吾はいつか、メフィストに聞いた話しを思いだしていた。

『倅はまだ子供じゃ。だからこそ、十二使徒となれた。
…倅の力は魔界でも有数じゃ。
いつか…強大な力を得たら、倅は…黒に堕ちるやもしれん』

メフィストの言うように、彼は力を手に入れ
黒に堕ちたのだろうか。
そして、彼の言うように、自分を手に入れようとして
焦って力を手に入れたのだとしたら。

「君をそんな風にしたのは…僕?」

情に熱く、涙脆いあの頃の面影はどこにも無かった。
目の前にいるのは確かにメフィスト二世なのに
真吾は彼に抱いていたものは、恐怖心だった。

「…かもな。けど、どうでもいい。
ユルグなんかにやってたまるか。
お前は、…俺だけのもんだ」

そう言って真吾のシャツをつかみ、剥いだ。
白い小さな身体には、大きな紅い蝶の痣が
刻まれていた。

「逃げられねぇぜ?」

逃げようとすれば、蝶が真吾の肉を引き裂く。
一歩でも部屋を出れば、真吾は死ぬ。
ピンで打ち付けられた蝶のように
ただ、そこにいる事しか出来なかった。

「愛してるぜ」

ただ彼の望むように抱かれて、
壊れてしまった彼を
壊れていく自分を、傍観する事しか出来なかった。




***





真吾が行方不明になって一週間が過ぎた。
人間界では捜索願いが出され、
魔界では十二使徒が急遽、見えない学校に呼び寄せられた。
そこに、メフィスト二世の姿もあった。
使徒は博士から、全力で真吾を探せと命じられ
その場は解散となった。

「メフィスト二世」

屋敷へ戻ろうとする二世を呼び止めたのは、ユルグだった。

「…なんだ?」
「随分、落ち着いているんだな。
悪魔くんが行方不明だというのに」
「顔に出ねぇだけで、これでも内心焦ってんだぜ?」

嘲笑うような姿を見て、ユルグが顔を顰めた。

「変わったな。メフィスト二世」
「何も変わっちゃいねぇさ。あの頃と何も、な」
「…今のお前を見たら、悪魔くんはさぞがっかりするだろうな」
「…何が言いてぇ?」

怒りに動いた右手に、ステッキが握られた。

「…単刀直入に訊こう。悪魔くんは何処だ?」

二世は動揺することもなく、それを笑い飛ばした。

「自分で探せよ。あいつが欲しいんだろ?」
「メフィスト二世」
「ま、今度あいつに近づいたら…殺してやるけどな」

殺意の溢れた目でユルグを笑い、
二世は再び屋敷へと足を向けた。

「…何も、変わっちゃいねぇ」

呟いた言葉は、響く事なく溶けて消えた。





***





真吾の元へ戻ると、言葉も交わさず
二世は真吾をベッドに押し付けた。
やめろと叫んでも、聞く耳さえ無かった。
窓から差し込む月明かりだけが部屋を照らし
蝶の形をした呪いに蝕まれた身体を乱暴に抱いた。
ようやく行為が終わった時
荒れる息を整えて、真吾が口を開いた。

「…肩甲骨」
「あ?」
「…人が、天使だった頃の名残りなんだって。
人は昔は天使で…羽根があったって…」
「羽根でも生やして飛んでくってか?」

二世は真吾の髪を撫でて笑った。
真吾の手首には、押さえつけた手の跡が焼けつくように残っていた。

「今日、ユルグに会ったぜ」

驚きで見開かれた真吾の目を見て
二世はベッドから起き上がった。

「次に会ったら、殺してやるさ」

冷酷に嗤う横顔を見て、真吾はシャツを羽織り、ベッドから立ち上がり
そのまま、窓へ向かった。
大きな窓を開けると、風が部屋に吹き込んできた。

「どうした?」

真吾は窓辺に足を掛け、そこに上った。
崖のように高いその場所。
一歩踏み出せば、呪いなど関係ない。
人間である真吾は確実に死が決まる。

「真吾!」
「来たら飛び降りる!」

風がシャツを揺らし、月が真吾を照らす。
一週間前とは全く逆だった。
手を伸ばせば届く距離。
それが二世には、随分と遠くに思えた。

「…ずっと…君が好きだった。
会えなくなって、寂しくて…世界なんてどうでもいい。ただ君に会いたいって…
何度も思った。
これじゃ悪魔くん失格だって、ユルグに相談したりしたけど…
でも…どうしても君が好きだった」

世界も、夢も、全てを捨てて 会いにいけたら。
言えなかった言葉を伝えられたら。

「意地っ張りで、プライド高くて…優しい君が、大好きだった。
いつかきっと会えるって…それだけを信じて頑張ってきた。
それなのに……それなのにッ!」

顔を上げた真吾の目から涙が溢れ、雫は風に舞った。

「真…吾…」
「どうしてただの悪魔になっちゃったんだよ!
どうして僕の愛した君のままで…、いてくれなかったんだよ!」

呆然とする二世に、真吾は首を振った。

「全てが僕のせいなら、今、ケリを着ける」

膝を折り、少し屈んだ姿勢のままゆっくりと
二世にキスをした。
揺れるシャツの隙間から見えたのは、血のように紅い蝶。

「…さよなら。メフィスト二世。
ずっとずっと…君が大好き」

涙を流していた顔が笑った。
此処へ来て初めての笑みを見せた真吾の身体が
ぐらりと揺れ、足が窓辺を蹴った。
手を伸ばしても、身体は指先を掠めただけで届かない。


羽根を無くした紅い蝶は
闇へ飲み込まれていった。




***




「…此処…は…」

目を開け、真吾は首を振り辺りを見回した。
見慣れたそこは、見えない学校の仮眠室だった。
ベッドのすぐ傍で、人に化けたユルグが椅子に腰掛け
真吾を見ていた。
長く蒼い髪が揺れた。

「気がついたか…悪魔くん」
「ユルグ……僕…」
「まったく、君は無茶をする。
たまたま俺たちがメフィスト家にいたから助けられたんだ。
でなければ今頃君は潰れていただろうな。
服は鳥乙女が選んだものを、学者が着せた。
さすがに、シャツ一枚では目のやり場に困るからな」

微かに笑う様子を見て
ゆっくりと自分の身体に目をやると
シンプルな真っ白のワンピースを着ていた。

「メフィスト家……そうだッ…二世は!?」

真吾は勢いよく起き上がり、ユルグに詰め寄った。
ユルグは顔色一つ変える事無く、真吾を、見たまま。

「…今は、メフィスト老と一緒だ。
魔道具を使って、無理やり魔力を上げたらしいな」

魔力は精神と肉体があってこそ扱える力。
強大な魔力を手に入れるには、彼はまだ幼過ぎた。
暴走した欲を抑える術はなく、ただ己の願望にだけ
忠実に動いていた。

「……そう、だったんだ…」
「メフィスト二世がかけたという呪いは
ピクシーの薬草で消えた。
簡単な呪いだったぜ。君が解けないとは思えない程、な」

ワンピースの下にはもう、蝶の刻印は何処にも無かった。
それを見て、真吾は自嘲するように口元を歪めた。

「…本当は、…嬉しかったんだ」

強い力で雁字搦めに束縛されて
彼以外、何も見えない。
毎晩のように抱かれて、身体に手の跡を想い
ただ、彼だけを見て、彼だけの傍にいられた。

「悪魔くん…」
「でも…僕が好きな二世は、仲間を殺すなんて
絶対に言わない」

好きだったはずなのに
愛していたはずなのに。

シーツを握り締めた真吾の手は震えていた。
ユルグはそれに手を乗せ、真吾を見つめた。

「…まだ、メフィスト二世が好きなのか?」

真吾は一度驚いた顔をしたが、すぐに笑顔を浮かべた。
それは慈愛のメシアの名のように、優しいものだった。

「好きだよ。きっともう、逃げられない。
空だって飛べないしね」
「…俺にしとけば、幸せにしてやるぜ?」

その言葉に一瞬キョトンとしたが、すぐに元の笑顔に戻った。

「ありがとう。でも、それは女の子に言っちゃダメだよ。
本気にしたら可哀想だからね」

真吾はユルグの言葉を慰めと受け取り、
感謝を伝えたが、ユルグはただ苦笑して真吾の手を離した。
その瞬間。
扉の向こうから、賑やかな声が聞こえた。

「だぁーかぁーら!いいっつってんだろ!」
「バカモン!あんな無茶をして悪魔くんに迷惑をかけたじゃろう!
きちんと謝ってこい!」

バンッ、と扉が開き、メフィスト老が誰かの腕を掴んだまま
部屋に入ってきた。

「おぉ、悪魔くん!気がついたか!」
「メフィスト…それと…」
「ほれ!早く入って謝らんか!」

ぐい、と腕を引くと、真吾くらいの背丈の
少年が入ってきた。
少年は黒髪に角を生やし、白いシャツに黒のパンツ姿。
それはどう見ても

「に…二世?その姿…」
「魔力が成長したのは事実じゃからな。
成長したと言ってもこの程度じゃが、
それでも大したものだというのに…このバカモンが!」
「バカバカ言うなっつーの!」

照れているのか、ほんのり赤い顔。
それは真吾を見ると、気まずそうに目を反らした。

「おぉ、ユルグ。ファウストが呼んでおったぞ」
「…あぁ」

メフィスト老は一度二世の頭を小突いて
ユルグと部屋を出て行った。
重い沈黙が流れたが、耐えきれず口を開いたのは
真吾だった。

「あー…その……似合うよ。その姿」
「お世話言われたって嬉しかねぇよ」
「本当だって。なんだか…あの頃に戻れたみたいで、嬉しい」

辛い戦いの中で、確かに在った幸福。
それを思い出しながら、真吾は笑った。
けれど二世は、暗い顔のまま。
真吾は二世を真っ直ぐ見つめたまま尋ねた。

「どうして…魔道具を使ったりしたんだい?
君は十分に、強いじゃないか」
「…お前に、早く会いたかった」
「どうして?君たち悪魔には、時間なんて」
「早くしねぇと…真吾は死んじまう」

のんびり成長を待つ時間はない。
人間に寿命はどんなに長くとも、たかだか百年程度。
迎えに行った時 彼は 冷たい土の下かもしれない。

「強くなれば会える、なんて、励みにもならなかったぜ」

どれだけ強くなれば会いにいけるのか。
どこまで強くなれば傍にいられるのか。
答えが出る頃にはもう、叶わなくなっているかもしれない。

「魔道具を使えばどうなるかくれぇ、わかってた。
それでも、お前に逝かれちまうよりマシだ。
だから…後悔しちゃいねぇ」
「……二世…」
「主を監禁した上に、反省もしてねぇんだ。
どんな罰でも喜んで受けてやるぜ」

二世は笑って言ったが、真吾は首を振った。

「僕だって…同罪なんだ。
君に囚われて、本気で逃げようとしてなかった。
自分に言い訳して、本当は…このままずっと
傍にいられたらって、思ってた」

許されない事だとわかっていても。
また離れて、死ぬまで会えないんじゃないかと
不安に駆られる日々が終わるなら。
それなら、どうか、このまま。

「…でも、僕は"悪魔くん"なんだ。
囚われ続ける訳にはいかない。
でも…もし、君がまだ…僕を好きなら
傍に、いてくれる?」

薄く笑った真吾に手を伸ばし、二世は真吾を抱きしめた。
真吾は二世の背に腕を回して、目を閉じた。

「約束して。ずっと、傍にいるって。
変わらず僕を好きでいてくれるって。
そうしたら…僕も、約束する」
「何を…?」
「君をおいて逝ったりしない。
ずっと傍にいて、君を、好きでいる」

閉じた目から雫が一筋落ちた。
二世は濡れた頬にキスをして、約束だ、と呟いた。

「何処にも行かねぇ。
ずっと傍で、愛していく。だから…俺だけを愛してろ。
俺をおいて…死ぬなよ」
「うん…。変わらず君の、傍にいる」

顎を取られてキスを受けながら、真吾は頭の隅で、考えていた。



まだ、囚われてる。
もう此処から、この腕から、逃げられない。
それでもいい。
ずっとずっと、君を愛して、君の傍にいる。
標本になった、蝶みたいに
飛べなくていい。



光が滲む窓の外で、蝶が飛んだ。
標本の蝶は紅い愛の夢を見る。




End.


PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:

material:wolke  template:ゆずろぐ

忍者ブログ [PR]