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仲里沙月の悪/魔くん小説(二埋)ブログ。
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長編…?まぁ長編かな?てな、長さです。自分的に。

実はとあるサイト様のドラゴンの絵を見て
いきなり書き出した一作。
記念すべき?二埋小説・第一作目です。
なので、いつも以上にグデグデというか
無茶苦茶というか、もう見てらんないというか…

BGMはコチラ

(1)にはありませんが
読んで行くと成人向け表現があります
ご注意下さい。

ドンと来い!な方は
【つづき】よりドウゾ!






・tune the rainbow・(1)


近頃 悪魔くんはジョーチョ フアンテイだ。
すぐ怒鳴るし、反論しようとすれば
すぐに笛を構えやがる。
かと思えば、俺や百目が眠ったあと 一人で泣いている。
膝を抱えて、声を我慢して、
泣き疲れて ようやく眠る。
寝たフリを決め込んでそれを見ていたが
どうにも かける言葉も見つからない。

そうやって 何日も過ぎた頃。

いつものように窓からお邪魔しようと
ベランダに降りると、ガラスの向こうで
本を見つめながら嬉しそうに微笑む
悪魔くんの顔が見えた。

「よう。何、にやついてんだ?」
「メ、メフィスト二世!
 …あ、いや、え、な、なんでも無いよ!」

いつもなら上手く誤摩化すくせに
見苦しい程、動揺してやがる。

「なんだよ…あ!あれだろ!エロ本!」
「バカ!何言って…っていうか、
 どこで覚えてきたの、そんな言葉!」

お前は俺の母ちゃんかっての。

「俺と悪魔くんの仲じゃねぇか」

そう言って、浮かび上がって悪魔くんが
隠した本を取り上げて天井まで上がった。

「か、返せよ!メフィスト二世!」
「なんだ?魔導書じゃねぇか。こんな本…」

ずっと開いていた跡があるページには
大きなドラゴンが空を舞う絵があった。

「…もういいだろ、返してよ」

悪魔くんは諦めたように呟いた。
床に足をつけて返してやると、
その顔が赤くなってるのに気付いた。

「…好きなのか?」
「え?」
「ドラゴン」
「あ………うん」
「…ふーん」

赤くなって俯いて、本を大事そうに抱えて。
そんなに好きとは知らなかったなぁ…。
黙っていると百目がおやつを抱えて入ってきた。

「今日も頑張るモーン!」

またいつも通り、調べ物で夜が来る。
俺はページを捲りながら、
あぁ、また今夜も
悪魔くんは泣くんだろうなぁなんて考えていた。

***

「魔界で?」
「あぁ。ちょっと嫌な気配がしてさ。
 悪魔くんにも知らせといた方がいいかと思ってな」

もう月も高くなってるってのに
悪魔くんは早速、魔界へ向かおうと防空壕へ向かう。
…よしよし。計画通り。
見えない学校から、そう離れていない場所に
ポツンと森がある。
昼の間に一通り調べたが、ここなら良さそうだ。

「ここ?」
「あぁ。俺は向こうを調べるから、
 何かあったら百目でも呼べよ」

あ。百目の奴は寝てるんだった。
言いながら気付いたが、そんな事は無視して
悪魔くんからどんどん離れた。


***


「…百目は寝てるじゃないか。メフィスト二世のバカ」

そう呟いて、森の中を進んだ。
うーん…なんにも無いように思うけどなぁ。
高い木の下をどんどん進んだけど、果てが見えない。
小さな森に見えたけど、結構広いんだなぁ、
なんて暢気に考えていたら
視界のすみで木が大きく動いた。

「ッ!!」

思わずタロットカードを構える。
何かいるのは間違いないのに
それは僕に襲いかかることもなく
ただ、そこで動いていた。

おそるおそる近づいて それがはっきりと見えた。

「……ッ!!」

言葉を失った。  声が出なかった。
それは大きく真っ黒な翼、身体に黒い鱗を付けて
真っ赤な目をした ドラゴンだった。

「…君…は…」

***

悪魔くんは驚いた顔をしてこっちを見ている。
ドラゴン化したのは初めてだが
思ったよりデカくはならなかった。
悪魔くんより二周りデカいくらい、か。
あの本に載ってたやつよりは小さい。
…うーん…失敗か?

考えながら尻尾を揺らしてると
悪魔くんが少しずつ近づいてきた。
その目はもの凄く輝いていて、初めて見る顔だった。
そのまま言葉も出さず、ペタ、と俺の足に手の平をくっつけて
赤い顔で、うっとりと鱗を撫でていく。
初めて見るその表情をまじまじ見ていたら、
悪魔くんがゆっくりこっちを向いた。

「君は、どうしてここにいるの?」

よしよし。
俺だってこともバレてないみたいだ。
この姿じゃ喋る事ができないから
嘘もつかなくていい。
ただ、喉の辺りで軽く唸った。

「お腹が空いてるの?」

あぁ、そういや今日ラーメン食い損ねたんだった。
ラーメンくれ!
とは、さすがに言えず、俺は悪魔くんの胸に首を寄せた。
…たしかテレビで見た犬は懐いた人間にこうしてたよな。
アニメだったけど。

悪魔くんは少しだけ驚いて、そして嬉しそうに
俺の頭を優しく撫でた。
 あぁ、君の笑顔 久しぶりだなぁ。
どれくらいそうしていたのか、悪魔くんは手を下ろして
俺から離れた。

「今日はもう帰らないと…メフィスト二世に
 見つかったら色々面倒だからね」

面倒ってなんだよ。散々こき使ってるくせに。

「今度は一人で来るよ」

悪魔くんは去り際に俺の首に抱きついて
またね、と笑った。

***

「随分と上機嫌だね、悪魔くん」

学校からの帰り道。
貧太と百目と俺と悪魔くんと。
四人で帰っていたら、いつになくニヤけている悪魔くんに
貧太の突っ込みが入った。

「え?そう?そんな事ないよ」
「でも、悪魔くんが笑うの久しぶりだモン」
「…そう、だっけ?」

気付いてなかったのかよ。
悪魔くんは、そうかもね、と言って
百目の頭を撫でて笑った。

「で?何があったんだい?」

貧太はのめり込むようにして訊いた。
てめぇ、近づき過ぎんじゃねぇ。メガネ割んぞコラ。
意味も判らず貧太に苛々したが

「へへへ…秘密!」

と、悪魔くんがまた笑うから
なんか、もう、どうでも良くなった。
君の秘密を 俺だけが知っている。
ちょっとした優越感だ。

***

日付が変わって一時間した頃、百目は
二時間前にあっけなく撃沈。
俺も寝たフリを決め込んだ。
ギッ、と小さく音をたてて悪魔くんが椅子から立ち上がる気配。
悪魔くんの匂いと暖かい感触がして、
布団をかけられたんだと知った。

「おやすみ…メフィスト二世」

そう言うと悪魔くんは部屋を出て行った。
行き先は判ってんだ。
目を開けて、窓からこっそり飛んで先回り。
昨日と同じ場所で、親父から貰った薬を飲んだ。
身体からバキバキと音がして、俺は人の形を無くす。
二回目だが、まだこの変身する時の感覚
ってのには慣れねぇな。
痛くはねぇけど、全身を走るとんでもない違和感。
ようやくその短い時間が終わって
ドラゴンの姿で首を伸ばすと、
息を切らせた悪魔くんがやってきた。
ナイスタイミング。
膝は擦りむいてるし、肩が上下に揺れてる。
そんなに慌てんなよ。

「良かった。いなくなってるかと思ったよ」

あたらずとも、とーからずってヤツだな。
翼を広げて、さも今までずっと
ここにいたかのように見せた。

「僕の言葉が、わかるんだね?
 あ、そうだ。まだ僕が誰かも言ってなかったっけ」

知ってんだけどな。
”悪魔くん”。我らが泣き虫メシア様。
悪魔くんが咳払いをすると、少し赤くなって向き直った。

「僕は、真吾。埋れ木真吾だよ」

赤い色をしてる翼の内側まで来て、よろしくね、と笑った。
『真吾』
そういや、そうだった。
”悪魔くん”の前に こいつは
人間の まだ子供の 埋れ木真吾だったっけ。

「大きな翼だね。…いいなぁ。
 こんな翼で空を自由に飛んだら、気持ちいいだろうね」

悪魔くんは空に両腕を伸ばして、高い場所を見つめた。
また、俺の知らない顔で空ばっかり見るから
俺は屈んで、背を向けた。

「え?」

翼を少し揺らして、催促。

「の…乗って、いいってこと?」

俺には遠慮なく乗るくせに、何、気ぃつかってんだ。
早く乗れ、と尻尾で背中を押してやった。

「わ、わ!…じゃ…遠慮なく!」

そう言って飛び乗った悪魔くんに
『しっかり捕まってろよ』と内心、警告した。
聞こえるはずもないが、悪魔くんは
しっかりと俺の背中を掴んでいた。
翼を広げて、空に浮かび上がる。
いつもより高く飛べるし、速さも段違いだな。
背中から聞こえる歓喜の声。
よくわかんねぇけど、なんかすっげー満足感。

「あッ…虹だ!」

魔界に虹がかかるのはかなり珍しい現象だ。
それは勿論悪魔くんも知っていて
背中で興奮してはしゃぐ声が聞こえた。

しばらくそうやって魔界の空を飛んで、
少しずつスピードを落とした。
あんまり速く飛ぶと目立って、大騒ぎにもなりかねない。

「僕には翼はないけど」

背中から声が聞こえた。

「いつも乗せてくれる奴がいるんだ」

家獣か、俺か。
まぁ乗せるつったら、二択だな。

「君みたいに真っ黒で、その割に肌は真っ白で。
 意地っぱりで、強情で、乱暴で、負けず嫌いで、ラーメン好きで」

どうやら俺の事らしい。
っつーか、乱暴ってなんだよ。
それとラーメン並べんなよ。

「純粋で、優しくて、強くて、思いやりがあって…
 君みたいにすっごくカッコイイんだよ」

批判から一挙反転。
そこまで褒められるとさすがに照れるな。
悪魔くんは正座していた足を崩して
上半身を前に倒した。
全身で、抱きしめられてる感じ。

「…メフィスト二世」

一瞬、バレたのかと思ったが
背中から寝息が聞こえてきた。
毎晩聞いてた、あの押し殺した泣き声じゃなくて、
幸せそうな呼吸音。
君がしてくれたように、
『おやすみ……真吾』
と心の中で言った。
かけてやる布団はねぇけど、風が優しく吹くように
俺はできる限りゆっくりと飛んだ。


(2)へ。
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