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仲里 沙月(ナカザト サツキ)
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仲里沙月の悪/魔くん小説(二埋)ブログ。
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一気upは仲里の大好物です。
っていうか今やらないと次はいつになるんだ!!
最近、成長痛で腰が痛いし…

成長痛です。決して腰痛ではありません。背が伸びるんです。

仕事先の先輩には「それは腰痛って言うんだよ」と優しく諭されました。
でもまだ諦めません。伸びるまでは。


今回は幽子→二埋な感じで。…で、良かったんだろうか、と
今でも悩んでます(手遅れ)
今回メシアが歌ってる曲はコチラです。
またボカロwww

幽子ちゃん書くとなんかドレも切なくなる。



好きになってほしい。愛してほしい。
でも 叶わないなら それなら どうか。




そんな気持ちで書きました。
【つづき】よりドウゾ!






あなたが 好きでした。



愛してるの代わりに。




見えない学校の広間。
いつもは賑わう場所で
幽子は一人 窓の外を眺めていた。
そこに鳴った 一つの足音。

「幽子、しん……悪魔くん見なかったか?」
「メフィスト二世さん…」

ドキ、と鳴った心臓を隠すように
幽子は首を振った。

「図書室は?」
「それがいねぇんだよ…ったく」

吐き捨てながらキョロキョロする二世に笑い

「私も…一緒に捜すわ」

そう言った。
幽子にしてみれば勇気のいる台詞だったが
二世はあっさり、サンキュー!と笑った。

二人は見えない学校を歩き回り
辿りついた先は
ほとんど使われない音楽室。

「…此処、かしら」
「…此処じゃねぇと思いてぇがな」

え?と尋ねるより先に二世が扉を開けた。
そこには
大きなグランドピアノの足に隠れるように
うずくまる真吾がいた。

「…真吾」

二世が声をかけても
真吾はピクリともしなかった。

「悪魔くん…?」

答えたのは二世だった。

「まーた懲りずに何か抱えてきやがったな」
「…どういう事…?」
「…慈愛のメシアは誰でも救う。
 けどな…救うってのは、そんなに簡単な事じゃねぇんだ」


例えば
自分を殺そうとした相手を許す。
つまり いつか殺される恐怖を背負うという事。


例えば
悪魔に苦しめられている人間を救う。
悪魔にしてみれば本能に従っただけ。
無邪気な子供に手を上げるのと何ら変わりがない。


「人間のガキが背負い込める程
 "助ける"ってのは簡単じゃねぇんだ」


恐怖 不安 後悔
押し潰されるまで秒読み。
そんな時に真吾が選ぶ場所が 此処だった。

二世は一度大きく息を吐いて
ピアノの前に座った。
軽快で明るいメロディーが響き渡った。


「…膝を抱きかかえ、夜の帷。引き裂いてみても涙は枯れ
 当たり前の"普通"焦がれてた。当たり前の"普通"求めてた」


歌詞をなぞったのは
少し顔を上げた真吾。



『普通に生きたい』

メシアとしての運命を歩む彼が
決して口にしてはいけない言葉。



「悪魔くん…」

もしも もしも もしも自分なら



「もがいて 傷を負い"それが正義"って
 当たり前みたいに世界がわらう」


時々 人間達から聞いた台詞。
『普通なんて嫌だ』
目の前の少年は
それを求めることすら 許されない。

気づくと幽子は静かに泣いていた。



「輪郭が溶ける その前に 君の両手で僕に触れて。
 まだ此処には僕が居る。
 君の中にだけ存在してる」


「赤い残像目に焼きつく
 限界がくるその前に 君の両目に僕を映して。
 まだココには僕が居る。
 君の中にだけ存在してる」



「世界が消えるその前に 君の一番を僕に下さい。
 当たり前はもういらないよ。
 君の中にだけ存在してる」


曲が終わると真吾は顔を上げて、二世を見た。
真吾の目は泣き腫らして真っ赤になっていた。

「目、真っ赤だぜ。
 ウサギ耳つけてやろうか?」
「…ほんと、悪趣味」
「バカヤロー。バニーは男のロマンだぞ」

笑い合う二人を見て
幽子は涙を拭い、笑みを浮かべ
静かに部屋を出ていった。




『普通』でいたいと
『人間』でいたいと泣いても
『あなた』がいれば いらない。




そんなにも強い思いが
あの自由な黒い悪魔を射止めたんだと知った。

「幽子ちゃん」
「…ナスカお姉ちゃん…」

鳥乙女は幽子の隣に舞い降りて
小さな頭を撫でた。

「ナスカお姉ちゃん…あのね…」

それ以上言葉の続かない幽子に
鳥乙女は優しい笑みを見せた。

「自分が主役になれる恋を探しなさい」

その言葉に
幽子の目からまた涙が落ちた。




メフィスト二世さん。

私 あなたが好きでした

でも

私が恋したのは

悪魔くんと出会ってからのあなた。

だから




「幽子!」

幽子のもとに真吾が慌てた様子で走ってきた。
その後ろには二世。

「悪魔くん…」
「ごめん。僕の事…探してくれてたんだよね…」

息も切れ切れに言う真吾に
幽子は笑って

「悪魔くんは…優しい」

そして二世に向き


「今度泣かしたら、悪魔くん、私が取っちゃうから」


そう言って、二人に背を向け
見えない学校の廊下を歩いた。

その背中は 凛と伸びていた。





だから  変わらないで。

愛してくれなくていいから

一番をくれなくていいから

私の愛したあなたのままで

いてください。





End.
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