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仲里 沙月(ナカザト サツキ)
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仲里沙月の悪/魔くん小説(二埋)ブログ。
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前回からなんと半年の月日が過ぎました。

えぇええええええええええッ!!

早い!月日があまりに早過ぎる!!
あれかなー…毎日、仕事→寝る、の繰り返しだから
やたら早く過ぎちゃうだけなのかなー…。

しかも今回はちょっと書いてる方もちょっと物足りない回想モード。
メシアの謎・解明でございます★
他所様は素敵メシア炸裂なので、うちのメシアは素敵さの欠片もない
そんな感じでいきます。
いや!あれだ!逆に新鮮かもしれない!

そんな言い訳で自分を誤摩化しながら、【未来編】
とうとう金曜日まできました。残り二話!
まだまだ書きたいネタあるんだけどなー…まいったなー…。
そうは言っても一週間は7日しかない!

それでは、グロくとも暗くとも許せる寛大な方のみ
【つづき】よりドウゾ★






カップ一杯分の 幸せを




*Friday





翌日 僕は起きてすぐにメシアの部屋へ向かった。
早足で廊下を進むと、途中でメシアに会った。

「おはよう」
「…あの、訊きたい事がッ…」
「わかってるよ。立ち話も何だし、行こう」

僕が来ると判っていたのか
メシアは相変わらずの笑顔のまま、食堂へと誘った。
食堂にも、大きい二世の姿はない。
きっと朝食の用意をしているんだ。

「今頃、二世同士も同じ話しをしてるよ」

それは僕も同感だった。
昨日の事を、二世が何とも思わない訳がない。
メシアは椅子に座り、僕も向かい側に腰掛けた。

「さて、何から話そうか?」
「…あの力…魂で身体を貫かれてた。あれは、何?」

"救えなかった子供たち"
その魂はメシアを貫き、天へ還っていった。

「悪魔に殺された魂は、囚われていて…
その間に憎しみを溜めてしまうんだ」

理不尽に殺され、安らかに眠る事もできない。
歪んでいく魂は、誰かを傷つけずにはいられない。

「僕の身体を使って、歪みを取り払う」
「そんな事が…」
「出来るんだよ。"僕"は、ね」

そう言って微笑むメシアに、一番の疑問を口にした。

「…人じゃ…ないの?」

ただの人間にそんな力がある訳ない。
ただの人間が五百年も生きられるはずがない。
僕は汗ばむ手を膝の上で握り締め、答えを待った。
メシアは微笑んでいたけど、その目は泣きたがっているように見えた。

「どうかな」
「誤魔化さないで!…どんな答えでも
受け入れる覚悟は、できてる」

そう言うと、メシアは僕を見て笑った。

「本当に頑固だね。僕たちは。
…僕は確かに君の未来だけど、君たちとは"違う未来"
それをよく理解した上で、聞いてほしい」

僕は黙って頷いた。
"未来" だけど "今より先の話し"じゃない。
メシアは一度俯き、すぐに窓へと目を向けた。

「もう…五百年も経つんだね、あれから」

東嶽大帝と戦った日々。
楽しい事も辛い事も、みんなと乗り越えた宝物のような日々。

「二世や他の十二使徒に再会したのは
あの戦いが終わって、三年が経った頃だった。
僕が魔界で噂になってて、黒悪魔に狙われてるって、守りに来てくれたんだ。
…二世と、こういう関係になったのもその頃」

恋して、愛して、身体を重ねて、ずっと一緒だと言い合って

「幸せだった」

窓からの光に照らされたメシアは
一枚の絵のように、まるで現実味がなかった。
なのに、話された事実には夢や希望なんて一つもなかった。

「ある日、僕は突然死んでしまった。
何もかも…二世も置き去りにして。
…二世は発狂寸前だったって聞いたよ。
僕の死に一番怯えていたのは、彼だから」

メシアが死に、二世は人間を滅ぼそうと暴れた。
それを止めたのは、十一の使徒。

「"僕が蘇る可能性がある"
そう言って、みんなで必死に止めたって言ってたよ。
事実、僕はそれからたった一年後に蘇った。
身体は腐ったりしてないよ?焼かれる前に、保存されていたから」
「保存…?」
「…二世が僕の死体を抱いて、離さなかったんだって。
だから、メフィストが僕の身体に魔力をかけた。
死んでいる間も生きてるみたいだったって言ったのは…幽子だったかな」

冷たい身体を抱いて、二世は何を想っていたんだろう。
あの、小さい二世も僕が突然死んだら…そんな風になるのかな。

「"一万年に一人"
でも世界には、次の"悪魔くん"を待ってる時間はなかった。
…どうやって蘇ったのかは僕にもよくわからない。
気づいたら、もうこの城にいたんだ」
「じゃあ、この城は…」
「二世を始めとする十二使徒が作ってくれた、僕たちの今の拠点だよ」

城は主がいる限り力を持ち、どんな黒悪魔も攻撃できない。
主が、いる限り。
城や使徒に守られているはずのメシアが
僕には何故か、悲しく思えた。
それに気づかれたのか、メシアは笑顔を浮かべて
続きを話してくれた。

「蘇る代償は、僕の自由。
人として一度死んだ僕はもう、人間界では生きていけなかった」
「それじゃあ…家族にも…」
「…会ってない。蝙蝠猫が時々様子を知らせてくれたけど…」

珍しく言葉を濁すメシアが、何を言いたがっているかは、すぐに判った。
五百年経てば 僕を知る人は、誰もいない。
家族や友達だって、もう…
メシアは僕を真っ直ぐに見た。その目は力強いものだった。

「それでも、僕は後悔してない。悪魔くんになった事も、蘇った事も。
きっと一万年経っても、僕が本当に消える日がきても…胸を張れる」

守りたいものを守れた事
大切なものを大切にしていけた事
愛しいものを 愛していけた事

「これが"僕"。…ガッカリさせちゃったかな?」

苦笑いをするメシアに、僕は首を振った。

「話してくれてありがとう。聞けて良かった」
「くれぐれも僕を参考にしちゃダメだよ?
これでも十二使徒に怒られっぱなしなんだ。"無茶するな"ってさ」

その言葉に二人で笑い合い、僕は 最後の質問をした。

「最後に、一つだけ」
「どうぞ?」
「…どうして、死んだの?」

思い知ったよ。
綺麗なだけのものなんて、ありはしないという事。



「…強姦されて、殺された。見ず知らずの、人間にね」






***




「なッ…なんだと!?」

でっかい俺からメシアの話しを聞いて
死因を聞かされた。
真っ白なシーツの干された屋上 晴天のその場所に
全く似つかわしくねぇ、ドス黒い死の話し。

「黒悪魔なんて関係ねぇ。ただの薬中ヤローだ。
当然、俺たちは怒り狂った。いきなり主を殺されたんだ。
しかも、あいつがずっと守ってきた"人間"に、だ。
脆弱で 群れるだけの 薄汚ねぇ生き物だ。人間なんか皆殺しにしてやるって…
相当暴れたっけな。よく覚えてねぇや」
「それで…どうなったんだ?」
「…あいつは蘇って、俺を止めた。
あの時のツラは…今でも忘れられねぇ」


『第一使徒、メフィスト二世。僕を困らせないで』


泣き出すんじゃないかと思ったその瞬間
メシアは 笑った。

「人間は今でも憎い。けど…あいつは笑った。
あいつが人を信じる限り、俺たちゃ従うまでだ」
「…その、人間は…どうなったんだ?」

つまり メシアを殺した人間は。
目の前の男は前髪を書き上げ、可笑しそうに笑った。

「十二使徒を怒らせたんだぜ?死んで楽になんて、なれるかよ」

恐らくは 今も。

「誰が許そうとしても、俺は、俺たちは許せねぇ」

人間は悲しみや憎しみを、時間で忘れると聞いた事がある。
悪魔である俺たちには 許す術がねぇ。

「あいつはあれから、泣けなくなった」
「何…?」
「もう人間界で生きられねぇと知った時も
黒悪魔に誰が犠牲になっても
家族が死んだ時でさえ、泣かなかった」

『泣けないんだ』

そう言った時でさえ、困ったような笑顔をしていたと言う。
痛い、と 苦しい、と 心は悲鳴を上げているのに
瞳から雫が落ちる事は一度もない。

「この城を作った時、十二使徒全員で誓った。
もう二度と、主を傷つけさせねぇ。
もう二度と、あいつを失わねぇ」

誇り高く 強く 優しく 弱い 我が主。
もう二度と辛い思いはさせねぇ。

「…待ってんだ、この五百年。あいつが泣ける日を」

誰でもねぇ、あいつが 救われる日を。
そう笑って、俺の頭をがしがし撫でた。

「"悪魔くん"を、絶対に守れよ」
「…あぁ、約束する」

同じ未来は辿らせねぇ。
あいつをずっと 守る。



***





「あんまり遅いから、取りに来ちゃった」

キッチンで朝食の準備をするメフィスト二世に、メシアが声をかけた。

「あぁ…」
「悪魔くん達には部屋で食べるように言ったから。
きっと、混乱してるだろうし」

メシアは淹れたばかりの珈琲を持ち上げ、一口飲んだ。

「うん。今日も最高」
「そりゃドーモ」
「ね。どこまで話したの?」

まるで世間話でもするかのように軽い質問に
二世もまた軽く返事をした。

「お前と同じとこまで、だな」
「そう」

悪魔くんと、小さい二世の分の珈琲がコポコポとカップに注がれた。

「誤解してなきゃいいけど」
「誤解?」

メシアは珈琲を口に運んだまま、うん、と頷いた。

「僕は決して"可哀想"でも"犠牲"でもない。
だって今、幸せだから」
「…幸せ、か?」

その質問にメシアは驚いた顔をして、すぐに笑った。

「立派で素敵な城に住んでる。
仲間はいつでも会いに来てくれる。
読みたい本はまだまだある。
傍には、君がいてくれる。そして」
「そして?」
「美味しい珈琲」

空になったカップを二世に渡すと、二世は呆れた顔で再び
カップの中を満たした。

「人の幸せって本当はきっと、カップ一杯分くらいなんだよ。
もっともっとと求めると、溢れてダメになる」

僕のカップは相当大きいみたいだけど、と笑って
メシアが悪魔くんのカップに小さな乾杯をした。

五百年生きた"人"は キッチンの小さな窓から
空を見上げた。


「今日もいい天気だね」


その笑顔は五百年前と変わらず 優しいものだった。






つづく?
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