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仲里 沙月(ナカザト サツキ)
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女性
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読書*映画鑑賞*ゲーム
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7/12生 
本の虫!倅とメシアが大好きです!好き過ぎる!
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仲里沙月の悪/魔くん小説(二埋)ブログ。
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お伽話の裏事情とか結構好きです。
眠り姫は周りに妬まれて育ったとか
シンデレラはわざとガラスの靴を置いたとか。

そんなどうでもいい話しをしながら、(3)です。
メシア、本格的に女体化します。
ご注意を!

ドンとこーい!な方は【つづき】よりドウゾ!





飛び起きてあの城へ向かおうとして、誰かとぶつかった。
そいつは

「お…お、親父?」

俺よりかなりデカい身長で、凛々しく立つ姿は別人だったが
気配は確かに親父だった。

「ようやく起きたか」
「なッ、なんで若返ってんだよ!」

皺一つ無い顔を摩りながら
「倅に似たこの姿なら、悪魔くんも
 ショックが少ないかもしれんと思ってなぁ」
と言われて、また倒れそうになった。

「本気であいつとヤる気かよ!」
「そんな訳なかろう!時間稼ぎじゃ!」
「そうだ!真吾が策を教えてくれたんだ!」

説明してる時間はねぇ、と親父を擦り抜けて扉を出て
一番見たくないものを見た。

確かに真吾の姿だが、髪が伸びて、
身体が一回り小さくなって胸元が膨らんでいる。

「なッ…」
「残念だったわね。夢を渡ったりするから、彼…もう限界ね」

話し方まで真吾じゃなくなった。
呆然とする俺を擦り抜けて、ターリアは親父に抱き着いた。
親父はゆっくり抱き返しながら、早く行け、と合図を送った。

そうだ。まだ、手遅れじゃねぇ。

俺は何も考えず、城まで最大のスピードを出した。
一度来た事がある場所だ。糸車を見つけるのは簡単だった。

「魔力!稲妻電撃!」

これで終わりだ、と思った途端
稲妻電撃は俺の方へ跳ね返った。

「どゎああ!」

ギリギリ避けたが、魔力が通じねぇのか、
ハット鋸も跳ね返った。
これもギリギリ避けたが、頬をザックリ切っちまった。

「ちくしょうッ…早くしねぇと!」

『頼んだよ。僕の第一使徒』
これで最後だ、と魔力を最大限まで高めて糸車に向けた。

「魔力!火炎放射ー!」

***


ビク、と真吾の身体が震え、ターニアはメフィストを見上げた。
メフィストは哀しそうに自分を見るだけだった。

「…あなたの息子が、成功したようね」
「ターニア…すまなかった」

ターニアはメフィストの背中に腕を回した。

「悪魔でしょう?お別れの時は甘美な嘘で見送って」

メフィストはその身体を抱き締めて、愛してると囁いた。

「…ありがとう…」

目を閉じると、ガクン、と真吾の身体が力を無くした。
宙で女の声が舞った。

『あなたの息子に伝えて。
 …あんた、きっとイイ男になる、って』

「…あぁ、確かに伝えよう」

メフィストは真吾を抱き上げて、空を仰いだ。


***


「で、魔力使い切っちゃった君を、メフィストが迎えに行ったってわけか」
「あぁ、親父の方は若返って魔力余ってたみてぇだしな。
 城ごと燃えちまって騒ぎにもなったし」

あれから二日。
僕と二世はあの後、メフィストに今回のお詫びとして
魔界の別荘を貸してもらった。
学校にも行けない僕には有り難いお詫びだった。
露天風呂から月を見上げて、今回の一件を思い出していた。

「この身体、いつになったら戻るんだろ…」

乗っ取られる直前まで行った僕の身体は
髪が伸びて、背が縮んで、胸が膨らんで、
ご丁寧に下半身まで女の子仕様。
こんな格好じゃ学校にも行けないと困り果てた僕に
サシペレレが代わりを申し出てくれたのは有り難かった。

「っつーか、俺はいつまで此所なんだよ…」

一緒に入ろうとする二世に笛を構えて、浴槽の外に追い出した。
こんな身体で一緒に入ったらどうなるか、
いくら僕でも判らないはずがない。
二世は僕の髪を弄って、入りたそうにしてる。
…こんな至近距離じゃ、あんまり意味なかったかな。

「すぐ戻るはずなのに、もう二日も
 このままだし…髪は切ればいいとしても…」
「そんなに考え込むなって。戻らなかったら嫁に貰ってやるから」

戻らなくても嫁にしてやるぞ、と言って笑うその額に
思いっきりデコピンをお見舞いしてやった。
バチン!と気持ち良く音が鳴った。言葉も出ない程効いたらしい。

「でも…彼女、本当にメフィストが好きだったんだね」
「いってぇー…あぁ、親父のためなら
 何人殺してもいいとか言ってやがったしな」
「彼女が身体にいる時、少し彼女の記憶を見たよ」

周囲から できて当然だ と、 
美しくて当然だ と睨まれ育った一人の王女。

「彼女は生まれた時、妖精に
 美しさや知恵なんかを貰ったと言われてたんだ。
 本当は、おまじないのようなものだったんだろうけど、
 信仰深い時代だしね。
 それでお城のみんなからは随分冷たくされたみたい」

そんな自分の前に現れた悪魔に 恋をした。
生涯ただ一度と思える恋。

「人間が悪魔に恋、か…」

僕もいつか、二世と離れたら、あぁなるんだろうか。
誰を殺しても、何を捨てても、愛していると 
狂ったように自分に呪いをかけて。

「どうした?」
「…なんでもないよ」

そう答えて、浴槽の端に寄った。

「真吾?」
「追い出してごめん。寒いだろ?入りなよ」

まだ寒いはずなのに、二世の顔が赤くなった。

「そんな状態で黙ってられる程、我慢強くねぇぜ?」
「一緒に入ろうとしたくせに何言ってんの。…わかってるよ」

珍しく紳士的でいようとするのは、僕が女の子の身体だからかな。
でも、我慢弱いのがメフィスト二世だ。
お湯が揺れて、浴槽の中で抱き締められて、キスをした。
今度はちゃんと 触れられた。

「また眠れねぇかもな」
「今度は、君のキスで起きるよ」

茨で雁字搦めになりそうな僕を 助けてくれたらね。



End.
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