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仲里沙月の悪/魔くん小説(二埋)ブログ。
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ゴシックロマンホラー30題
27:通りゃんせ デス。
どうしても怖い感じにならなくて、テンションを極限まで下げました。
現在鬱です。

困ってる人がいても、なんとかしたいと
アレコレやって結局空回り。バカじゃないのか自分。
他人の不幸は知らんがな、と笑える強さが自分には無いのだ。あああああああ……

と。ここまで↑下げて書いてみました。怖いというよりグロくなっただけ…?
ゴシックロマン ムズカシー!でもまだ完遂目指す。
流血表現あります!

ドンとこーい!な方は【つづき】よりドウゾ!





27:りゃん



夕暮れ時。
妙に静かな水木町の上を飛んで
俺はいつも通り
真吾の部屋のベランダに降りた。

「…いねぇのか」

百目は博士に呼ばれて
見えない学校に帰ってるらしいが
エッちゃんやママさんもいねぇ。

「…なんだ…この匂い」

漂っているのは 血の匂い。
匂いのする方は、パパさんの仕事部屋だった。
慌てて開けたそこで 俺が見たものは
真っ赤に染め上げられた小さな部屋に
大きな血の池と
そこで横たわる エッちゃんとママさんとパパさん。

「なッ…おい!おい、しっかりしろ!」

エッちゃんを抱きかかえたがその身体は冷たく
光のない目には涙の跡があった。

「エッちゃん…!」

涙の滲む目を擦って、俺は真吾を探した。
部屋の中にあいつの姿はねぇ。
家の中に気配も感じねぇ。

「くそっ!…真吾!」

叫びながら空を飛んで探すと、神社へと続く道を
帰って行く行列が見えた。
嫌な予感を感じながら 神社で それを見た。

「し…真吾…」

真っ白な装束を着せられ、神木に結びつけられ、
斬りつけられた少年の姿。
それは 間違いなく 真吾だった。
名前を叫び、神木から解放しても
うめき声一つ上げず、まだ暖かい身体を
俺の腕からだらりと垂らした真吾は
息も心臓も 止まっていた。

「う、嘘だろ…なぁ…おい、真吾!」

昨日まで一緒だった真吾は
身体に幾つも斬り傷を抱えて
動かなかった。  もう二度と 動かない。



急速に冷たくなっていく身体を抱きながら
俺は自分の左手の肉を噛みちぎった。
そこから溢れる悪魔の血を口に含み
真吾に飲ませた。




『ほんっと、君ってキス魔だよね』
そう言った真吾に懲りずにキスをしたのは
つい昨日のことだったのに。
全く違う 冷たい 死の味。


"悪魔くん"じゃなくていい。
人間じゃなくてもかまわねぇ。
俺を憎んでも かまわねぇ。


死ぬなよ。死ぬなよ 真吾。




ビクッと痙攣した真吾の身体がゆっくりと起き上がった。
そいつは呆然としたまま瞬き一つしなかった。




ーーー




「おい、大丈夫だったのか、あんな事して」
「気にするな。あいつは悪魔の子だったんだ」
「あぁ、子供の内に殺しておいた方がこの町のためなんだ」
「家族はどうしたんだ?」
「…聞き入れてもらえなかったのでな…」
「だが、これも仕方ないことだ」
「そうだ。あの子供を生かしておいたら、きっととんでもない事に」


「そんなくだらねぇ理由で 真吾を殺したのか」



俺は行列の前に立った。 隣に立つ真吾は
まだぼんやりとした目でそいつ等を見ていた。
そいつ等は真吾を見て、凍り付いたように青ざめた。
真っ青な面の連中の間を、真吾は顔色一つ変えず
歌を歌いながらふらふらと進んだ。

「…帰りゃんせ 帰りゃんせ…」

静まりかえったその場所に
小さな歌声だけが響いた。




帰りゃんせ 帰りゃんせ

 お宮のご用がすんだなら この道通って帰りゃんせ   
 お宮のご用はすんだけど かわたれ時には お化けが出ます   
 お宮のお土産なに買うた おすしにお団子かしわもち   
 
 おすしをくれねば通らせぬ おとっさんのお土産あげられぬ  
 お団子くれねば通らせぬ おっかさんのお土産あげられぬ
 
 取った子返せば通 らせる 返しましょう 返しましょう





最初に悲鳴を上げたのは、他の奴らより
若い男だった。

真吾がゆっくりと手を上げると
そいつは宙に浮かび上がり 頭が潰れた。

それからは一斉に悲鳴を上げ
逃げる者、真吾に凶器を振り上げる者とに別れた。

それでもまだ顔色一つ変えず
真吾は腕を振っていった。

一振りして 男が三人 胴体が千切れた。
一振りして 逃げ出した男と女の 首が落ちた。

また一振り。 また一振り。
真吾は歌いながら 手を上げるのをやめなかった。
そしてとうとう 最後の一人になった。

「や、やめてくれ!たす、助けてくれ!
 おお、俺は、俺は反対したんだ!本当だ!」
「……帰りゃんせ…帰りゃんせ…」

何度目かのその歌を歌っていた真吾は
手を上げるのをやめた。

「 取った子返せば通 らせる 」

歌の一部を歌った真吾に、ただひたすら命乞いをする男は
一振りで 首が落ちた。

手を叩いて拍手をすると、返り血を浴びた顔が
ゆっくりと振り返った。

「すげぇな。俺の出番ねぇじゃねぇか」

真吾は微笑んで、ありがとう、と小さく言った。
俺は真吾の顎を掴んで、キスをした。
今度は 血の味がした。
真吾はゆっくり目を閉じて、目尻から返り血が垂れた。
俺にはそれが 泣いているように見えた。




終。
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