忍者ブログ
カレンダー
12 2025/01 02
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31

最終更新日*4.14
お知らせ 更新
前回更新日*2.13
こばなし 更新

やる気出ます!

現在お礼10種
ドラゴン二世×真吾
※完全パラレル設定
次回キリは50000番!
キリ番取られた方は
リクどうぞ!



連絡手段
←メール
プロフィール
HN:
仲里 沙月(ナカザト サツキ)
性別:
女性
趣味:
読書*映画鑑賞*ゲーム
自己紹介:
7/12生 
本の虫!倅とメシアが大好きです!好き過ぎる!
携帯はコチラ!
リンク
最新コメント
最新トラックバック
ブログ内検索
仲里沙月の悪/魔くん小説(二埋)ブログ。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

ゴシックロマンホラー30題!
着々と進んでおります。おります。おります?

うーん…怖くならないなぁ……
怖くないとお題無視なんじゃ………((((;゚;Д;゚;))))カタカタカタカタカタカタカタカタカタ

でも懲りない。やめない。自重しない!
今回は特に成人向けでも流血注意でもないと思います。
倅がちょっと男前になったくらいで。なった?なったかな。

今はクリスマス用の拍手お礼製作中です。
10作一気にクリスマス仕様変えます。やるぞー!
変えたらまたご報告しますので!

ゴシックロマンホラーのタイトルが歪んでるのは仕様です。
狂気染みた感じにしたいという無駄な足掻きをしてるわけですな。

それでは!06:鏡は【つづき】よりドウゾ!





0
  6
     
      





見えない学校の廊下を走って、どこだか知らない部屋に入った。
無茶苦茶に走ったから、何の部屋かもわからない。
息がきれて上下に揺れる肩を落ち着かせるように思い出した。

『いつになったら俺のもんになるんだよ』

二世の声が頭をぐるぐる回ってる。
好きだよ。愛してるよ。でも。
キスはしても、その先だなんて考えが追いつかない。
子供同士だし男同士だし、正直…迫ってくる二世は怖い。
頭を振って、気を紛らわそうと部屋を見回すと
埃だらけの布を被ったそれを見つけた。
僕の背より少し高いサイズのそれが気になって、布を取ったら
埃が舞い上がって、鏡が現れた。
古びた装飾の目立つ、でも綺麗な鏡。
鏡に写る僕は『僕』を見つめていた。

「…鏡……どうして、こんなところに」
『やぁ、こんにちは』

あまりの驚きで思わず固まってしまった。
今…鏡の僕が喋った…?

『僕は 君だよ』
「お…お前はッ…」
『僕は君で 君は僕。さぁ 遊ぼう』
「ぅわああ!」

鏡が光って、僕は目を閉じた。
なんともないように思えて恐る恐る目を開けると
そこはさっきまでいた部屋じゃない。
真っ暗闇の中に、さっきの鏡が置いてあり、そこから"向こう側"が見える。
向こう側はさっきまで僕がいた部屋。そこに…"僕"が立っている。

「な…どうして…君は…」
『千年ぶりに手に入れた身体がメシアだなんて最高だよ』

ー千年ぶりにー ー手に入れた身体ー

「そうかッ…この鏡は…!」

学者に聞いた事がある。
見えない学校には、封印されたものも保管されてるって。
あの鏡に悪魔が封印されていたんだッ…!

「くそ!ここから出せ!」

窓を叩いてみたけど、ビクともしない。

『無駄だよ。その中では召喚術も使えない。諦めるんだね』
「僕の身体で、一体何をするつもりだ!」
『さぁ…そうだな。魔界も人間界も支配してみようかな』

"僕"が笑う。自分と同じ顔なのに、寒気がした。

『…真吾?こんなところにいたのか』

部屋に二世が入ってきた。僕はまた鏡を叩いて、叫んだ。

「二世!」
『探しちまったぜ』
『うん…』

僕の声は向こう側まで届いていないようだ。
声が届かないなら、と笛を奏でてみたけど、反応はない。

「そんな…ソロモンの笛でもだめなのか!」
『心配かけて、ごめんね』
『いや……俺も、悪かった』

二世は俯いて、"僕"の肩を抱いた。
ほんとうに …ほんとうに気付かないのか?

『ううん、僕がいけなかったんだよ…ねぇ、二世』

シルクハットを取って、キスをするのが見えた。
二世は驚いた顔をして、それから、"僕"を抱き締めた。

「二世…」

ざわざわと胸が騒ぐ。
嫌だ 嫌だ 嫌だ

『好きだよ、二世』
『あぁ、俺も』

二つの身体がずるずると床に崩れていく。
僕は必死で鏡を叩き、叫んだけど 二人まで届かない。

「嫌だッ……こんなの嫌だぁああ!」

僕じゃない それは僕じゃない 違うのに

「気付いてよ!二世ーッ!!」

溢れた涙を拭うのも忘れて叫びながら鏡を叩き続けて
二世の身体が止まった。

『二世…どうしたの?』

向こう側の二世は一度"僕"をじっと見て、大きなため息をついた。

『確かに美味しい状態だが…俺が欲しいのはてめぇじゃねえ』
『な…なに…二世』
『気安く呼ぶんじゃねぇ』

二世の右手が光り、ステッキが現れ、それを突きつけた。

『真吾はどこだ』
『…目の前にいるじゃ』
『本物の真吾はどこだって訊いてんだ』
「二世!ここだよ、二世!」

偽物だと気付いても、僕がどこにいるかまでは気付いてくれない。
僕は叩くのをやめて、体当たりをしたり、蹴ったり殴ったりを繰り返した。
この鏡…鏡さえ割れればッ!
けど鏡はビクともしない。なんとか、なんとかしないと
あれは強い力を持った悪魔だ。このままじゃ、二世だって…

"僕は君で 君は僕"

「君は…僕…」

僕は自分の首を、ソロモンの笛の珠で絞め上げた。

『…グ、ガッ…!』

苦しさに歪んだ視界で、"僕"も苦しんでいる。
そうだ。あれは僕。それなら…
グラリと揺れる意識の中で絞め上げる力を強めた。

『グァッ!……ァ』

ビクともしなかった鏡にヒビが入った。
僕は自分の首を絞めたまま、ヒビの入った部分を思い切り蹴った。






「…ご……真吾、真吾!しっかりしろ!」

目を開けると、二世の顔が見えた。

「に……せい…」
「…脅かすなよ。こっちが死にそうだ」

苦笑いをして、良かった、と抱き締められた。

「僕は…ゲホッ」
「無理すんな。すぐピクシーんとこ連れてってやるから」
「大丈夫だよッ…それより」

立ち上がると、粉々に割れた鏡が見えた。
幾つもの破片が、血に濡れている。

「これは…」
「あいつは悪魔じゃねえ。鏡そのものだったんだ」

魔界の空気に触れて千年が立った鏡が、魔力を持った。
日本でいう、付喪神(つくもがみ)のようなものらしい。

「そうだったんだ…僕が出て来た時に、鏡が割れたの?」
「んな事より、お前、痣だらけじゃねえか」

僕の両手を取って、二世の眉間に皺が寄った。
夢中で叩き続けたから、僕の両手は真っ青な痣が広がっている。

「平気だよ、これくらい」
「バカ。痛いのに我慢してんじゃねぇ」

そう言って僕の手を舐めた。真っ赤な舌に背筋が震える。

「…悪ぃ」
「…二世…あの…」

なんて言っていいか判らず、屈んでキスをした。
二世は少し驚いて、すぐに僕を抱き締めたから
恐る恐る、舌を出して絡めた。

「……んッ」

また驚いたのか、二世の身体は少し震えて
次の瞬間には、また息が切れる程のキスをされた。

「…は、に、二世…」
「…あんまり煽んなよ」

やっと口を離して、苦笑いをする二世を見て俯いた。

「…真吾?」
「…もう、いいんだ」
「もういいって…」
「もう……逃げない」

好きなんだ。だから …逃げてちゃ、きっとだめなんだ。
僕の偽物を抱き締めた二世を思い出して、思わず黒い袖を掴んだ。

「真吾」
「で、でも場所くらいは選ばせてよ!」

慌てて腕を伸ばして、熱っぽい二世を引き離した。

「どこがいいんだよ」
「ど、どこがって……」

顔が熱くて、上手く思考が回らない。
えぇと、見えない学校なんて絶対嫌だし、僕の家は家族や百目がいるし…

「じゃ、じゃあ……き、君の、屋敷」
「おう。先に、ピクシーに怪我みてもらってこいよ」

軽い了解と頬にキスをされて

「後で迎えに行くからな」

お願いだからそんな耳元で囁かないでよ。



***


真っ赤な顔をした真吾を見送って
俺は散らばった破片に目をやった。

「…へ、なかなかの芝居だったな」
「…いえいえ、あなたこそ」

鏡の装飾が答えた。

「しかし魔界随一のメフィスト家のお坊ちゃんが
 あんな子供に夢中とは」
「うるせぇ。…真吾はもっと早く解放するはずだっただろ」
「へへへ…いや、彼が鏡の中で暴れてたもんでね」

下品な笑いをしやがる。蝙蝠猫の方がまだ可愛げがあるってもんだ。

「へへへへ、まぁ"風吹けば桶屋が儲かる"ってね」
「あ? なんだ、そりゃ」
「いや、そういうことわざですよ。出来事で第三者が得をする、ってね。
 で、私はいつ頃に此所から出していただけるんで?」
「……まぁ、その前に聞けよ。俺も好きなことわざがあるんだぜ」
「へぇ。そいつぁ」

ステッキが装飾を貫き、また呻き声が聞こえた。

「グガッ…ガガッ…」
「"死人に口なし"」

そう言って小さな電撃をそこへ落とし、声は途絶えたが
代わりに装飾から少し血が吹き出した。
顔に当たった紅い雫を舐めとって、床に散らばる破片を踏みつけた。

「あの世でせいぜい好きな身体を映すんだな」




終。
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:

material:wolke  template:ゆずろぐ

忍者ブログ [PR]