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仲里 沙月(ナカザト サツキ)
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仲里沙月の悪/魔くん小説(二埋)ブログ。
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長編ばっか飽きたよ!という方に
ド短編持ってまいりましたー!(いらん)
バス乗車時間わずか25分で書き上げた一品。
ものっっっすごくイチャイチャさせてやろうと思ったのに
満足いかなかった。もっとやってもいい。


長編より短編でしょ!という方は
【つづき】よりドウゾ!






Smile=0


太陽が沈むのを
ベランダから見てた。
調べ物とか宿題とか
やらなきゃいけない事もあるのに
イマイチ捗らない。


…あの本。欲しかったなぁ。
五千円って…高いよ…。


「バイトでもしようかなぁ」
「金無いのか?」

いきなり声をかけられて見上げると
天井から伸びてる小さな黒い足。

「いつからいたの?」
「あぁ…丁度真吾が
 ベランダに出て来たくらいからだな」

それ 結構前じゃない?

「声かけてくれれば良かったのに」
「真吾に見とれてたんだ」

軽口でそう言って、黒い影が
ベランダに降りた。

「二世って暇なんだねぇ」
「うるせぇ」

僕は窓を開けて
二世と部屋に入った。
風がない分 やっぱり部屋の方が
暖かい。

「真吾、金無いのか?」

バイトでもしようかと言ったのを
まだ引きずってるみたい。

「まぁね。うちはそんなに裕福じゃないし」

でも小学生がバイトなんか
できるはずないんだけど。

「俺が雇ってやろうか?」
「二世が?」
「一晩いくら―、とか」

ニヤリと笑う額にグーパンチをお見舞いしてやった。

「痛ぇ!」
「冗談じゃないよ」
「なんだよ、人間でも別に珍しい事じゃねぇだろ」

まだ言うか この口。
どこまで伸びるか引っ張ってやろうかな。

「いひぇえ!」
「二世は、僕をお金で買いたい訳?」

引っ張ってた頬を離して
真正面から睨んだ。

「身体をお金で買ったら、心は手に入らないよ?」

身体と心はセットで売ってないの、と言って
頬を摩ってる二世に抱き着いた。

「わゎッ!お、おい、いきなりなんだ」
「二世ってすっごくカッコイイ」

へ?と間の抜けた顔をしてる
二世を見上げて
僕は思い付く限り彼を褒めた。

「凄く強いし」
「ま、まぁな」
「由緒正しいメフィストの二代目なんて、流石だよね」
「だろ?」
「いつも僕を守ってくれるし」
「当たり前だっつーの」
「頼りがいのある第一使徒」
「そうそう」
「さすがは魔界のプリンス!」


ニャハハ、と笑った顔を見て
僕も笑ってしまった。

「ほらね」
「ん?」
「お金なんか無くても」

スマイル0円。
お金なんかなくても手に入る。

「……嵌められた気分だ」
「簡単に騙される君が好きだよ」

笑って頬にキスをしたら
顎を掴まれて 唇にキスされた。

「身体と心は力ずくで手に入れるか」
「君になら、売ってあげるよ」

お支払いは 君の身体と その心で。

「お前が手に入るんなら安いもんだ」

そう言って笑って
床に押し倒された。

0円のスマイルを浮かべながら。


(タダより高いものは無いらしいけどね)



End.
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