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仲里沙月の悪/魔くん小説(二埋)ブログ。
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「紅の約束」終わりましたー!
長かった。思った以上に長かった。本当申し訳ありませんでした。
『Epilogue』もありますが、一応ここで終わりです。
こんな終わり方 納得できん!という方のためのEpilogueです。

BGMは是非コチラで!
(※画像はちょっと怖いかもしれないので音楽のみで)
これ↑を聴いて浮かんだのが「紅の約束」でした。
Wiiの零も早くやりたいけど「零 紅い蝶」がまだ未クリア。

やっと終わりか!とホッとされた方は
お待たせしました【つづき】よりドウゾ!





(9)


あれから丸一日が過ぎた。
真吾がいなくなってから、一度会議を開いたが
全員同じ意見で、それはすぐに終わった。
戦闘になるかもしれない、と体を休めさせて
俺は広間の窓枠に座って、月を眺めていた。

「メフィスト二世、ここにいたのか」
「ユルグ…」
「メフィストからの頼まれものだ」

そう言って差し出したのは俺のステッキ。
いつも握っている部分が 切れ味の良さそうな光を放っている。

「休んでいなくて、いいのか?」
「……思い出してたんだ」


いつだったか デートに行こうと約束した。
魔界の本屋に連れてってやると言ったら
あいつは笑って喜んだ。
紅い葉の散って行く中で
愛していると言い合って キスをした。

『 二世 』

こんな時だってのに、笑って俺を呼ぶあいつを思い出した。

「俺は……」

俺は あいつを 殺すのか。
絶対に守ってやると言っていたのに。

目を伏せた瞬間。風が動いた。

「ユルグ。全員を集めろ」
「メフィスト二世?」

「…来たぞ」

俺達は見えない学校から飛び出して
そいつを見た。
風の吹く崖の上に月明かりを背負った真吾は、
笑っていた。

「悪魔くん…」

不安そうに呟いた幽子の肩が震えている。
俺はその肩に手を置いて、あいつを見上げた。

「みんな、こんばんは。答えは、もう出た?」
「あなたの理想郷なんかに、賛成できないわ!」
「そうだモン!悪魔くんはそんな事
 絶対に言わないモン!」

全員が口々に言う台詞を聞いて
真吾は、ふー、と息を吐いた。

「どうやら無駄みたいだね。仕方ないなぁ」

右手の剣がゆっくりと持ち上がりながら
真吾の身体が宙に浮いたのを見て、
俺はステッキを構えた。

「なら、君たちから死んでもらうよ」
「…全員、手を出すなよ」
「メフィスト二世!」

ユルグが叫んだのを無視して飛び上がり
振り下ろされた剣をステッキで受け止めた。

「最初に死にたいのは、君か」
「殺れるもんなら、殺ってみろよ!」

空中を飛び回っては真吾にステッキを振り下ろしたが
あいつは笑顔を張り付かせたまま、
全て防いでいった。

空が飛べても 魔力は使えねぇはずだ。

「魔力!絶対零度!」

真吾に向かって放った絶対零度は、片手で弾かれた。

「なッ…!」

咄嗟にステッキを振ったが、空振り。

「こっちだよ」

すぐ背後の上空から声がして、右肩を貫かれた。

「ぐぁあああッ!」
「メフィスト二世!」

下から、飛び上がろうとする鳥乙女の姿が見えた。

「来るな!…全員ッ…手を出すな」

血が肩からボタボタ落ちる。
真吾は剣についた血を舐めて、高らかに笑った。

「あははは!君、最高だね!」
「ヘ…、そりゃドーモ」
「……ねぇ、僕といこうよ」

急に静かな声になり、左手が差し伸べられた。

「一緒にいてよ…メフィスト二世」

そう言った姿に 俺の知ってる真吾の姿が重なった。

「…そうだな。俺も、本当は真吾と一緒にいてぇ」
「だったら」
「けど、お前は真吾じゃねぇ!」

一瞬驚いた顔はすぐに俯いて、残念だよ、と言った。

「…本当に…残念だけど」

こっちを向いた真吾の顔は、真っ赤な右目を光らせて笑っていた。


「その可愛い首に、胴体とサヨナラ言わせてあげるよ、ダーリン」
「ケッ…八つ裂きにしてやるぜ、ハニー」


空中を蹴ってステッキを力一杯振り下ろしても、
余裕そうな面で受けられた。

「やめて!もう、やめてぇえええ!」

幽子の叫ぶ声が聞こえたが、止まりもしねぇ。
幽子の涙にゃ弱かった真吾を思い出して
こいつは本当に違うのか、と頭のどこかで思った。
剣を受ける度、俺の体が速くなっていく。

「魔力!火炎放射!」

それも片手で払われ、また背後に回り込まれた。
剣を振り下ろされる頃には俺は あいつの背後にいた。

「これでお相子だ!」

真吾の右肩にステッキが深く刺さった。
骨を抉るような音がしてそいつを引き抜くと
あいつは悲鳴を上げて 左手で
肩ではなく右目を押さえていた。

「ぐッ…あ、ぁッ、…ッ」

広がっていた痣が、肩の傷に向かって引いていくのが見えた。

「真吾!」
「にッ……せい…」

左目が俺を見た。
それは確かに『真吾』だった。

「しッ…」
「二世…」

細められた左目から  涙が伝った。

「約束…だよ」

その直後
痣は一瞬で広がり、向き直った真吾の両目は
真っ赤に光っていた。

「殺してやる!」

怒りと狂気に満ちた目で剣を振られた。
なんとか防いではみたが、速さも力もさっきまでとは
ケタ違いだ。

『約束だよ』

「ちくしょうッ…ちくしょぉお!」

力いっぱいステッキを振っても
あいつは全てを防いで反撃を繰り返した。
ガァンッと剣のぶつかる音がでかく響く。
手が痺れた一瞬で、左腕を剣がかすめた。
かすっただけなのに、傷口からは血が吹き出し
痛みで怯んだ一瞬、真吾が剣を振り上げた。

「これで終わりだ!」

殺される、と思った瞬間
剣がピタリと止まった。

『今だ!二世!』

その時俺は確かに 真吾の声を聞いた。
俺は真吾を抱き締めるように手を伸ばし
あいつの背中から、ステッキで 自分ごと貫いた。

他の使徒が叫んでいるのが聞こえたが
もう飛ぶこともできなくなって
俺は真吾と串刺しになったまま
小さな森へ落ちていった。

木々にぶつかりながら落ちた時には
俺は真吾と抱き締め合うみてぇにして
座った状態だった。
互いの胸にはまだステッキが刺さっている。

「二世…」

呟いた真吾の口から血が吐き出されたのがわかった。
俺もほぼ同時に血を吐いた。

「…約束…守って、くれたんだね」
「…何も、守れてねぇ、だろ…」

デートにいこうと言ったのも
守ってやると言ったのも
殺すと言ったのも 結局全部守れなかった。
これじゃ、心中だしな。

「…あぁ……デート…行き、たかった、な…」

肩で、真吾は微笑むようにしてそう言った。

「…悪かった、な…約束、破って、ばっかで…」

朦朧としてくる意識の中で
真吾の腕が背中でしがみついていた。
俺もステッキを離して、血に染まった真吾の背中を抱いた。

「じゃあ、約束…しよう、よ」
「………」
「…ずっと…、一緒、だって…約束、して」

そう言って 真吾は目を閉じた。
俺も重くなってくる瞼に負けて

「あぁ …約束だ」

目を閉じた。
暗闇の中で見つけた真吾は
いつもみてぇに笑って俺を呼んだ。




『二世 愛してる』





End.



Epilogueへ。
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