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仲里 沙月(ナカザト サツキ)
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女性
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読書*映画鑑賞*ゲーム
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7/12生 
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仲里沙月の悪/魔くん小説(二埋)ブログ。
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倅とメシアは雨を口実に室内でひたすらイチャコラすれば
いいと思う!

そんなバカな事を言いながら、こちらはただのイチャ話し。
こちらも激短文。勝利はどちらに!!?

ふわふわ雨話しは【つづき】よりドウゾ!







雨の楽しみ方

1・好きな傘を差す
2・雨音を聴きながら眠る
3・君に




雨×飴





「よく降るなぁ」

学校からの帰り道
突然降り出した雨に、僕はシャッターの下りた店の前で
少し雨宿りをしていた。
クラスの子から貰った苺飴を舌で転がしながら
灰色というには黒い空を見上げていたら
ピンクの物体がふらふら飛んでいるのを見つけた。
それは片手に僕の傘を持っている。

「…あれは……」

まさか、とは思ったけど僕の前に降りたそれは
エツ子のカッパを着た二世だった。

「メフィスト二世…どうしたの、その格好…」
「どうしたもこうしたもねぇよ。
 ラーメン食いに行ったら真吾に傘持ってってくれって
 ママさんに無理やり着せられちまった」

不機嫌全開で口を尖らせる悪魔が
妙に可愛く見えたのは僕だけの秘密。
ニヤけないように注意しながら傘を受け取った。

「じゃあな」

飛んで帰ろうとする二世の腕を掴んで

「一緒に帰ろうよ」

そう言うと二世は少し驚いた顔をして、カッパを脱いだ。
二人入るには小さい、お気に入りの傘。
僕たちはピッタリくっついて家路を歩く。
今なら濡れないよう必死な子供にしか見えない。
あんな事とかこんな事までしてる恋人には
逆立ちしたって見えない、はず。

「あー…暑ぃ」
「湿度が高いからね」
「日本はこれが厄介だよなぁ。湿気っつーの」
「まぁまぁ。風情だよ」

梅雨から夏。冬へ入るまで日本は湿気地獄に落ちる。
本当にそんな地獄があったら日本人は
眉一つ動かさずに耐えそうだ。

「風情っつってもなー…あー、腹減った」

ラーメンを食べ損ねた不機嫌で可愛い悪魔は
真ん丸の顔で拗ねているみたいだ。
母さん、ラーメン出してからお使い頼めば良かったのに。

「あ、そうだ」
「あ?」

僕に振り向いた二世にキスをして
真っ赤な舌の上に飴を贈った。

「ちょっと小さくなっちゃったかも」
「…食いかけかよ」
「帰ったらラーメンがあるよ」

笑いかけると二世が、まぁいいか、と笑った。
何が"まぁいいか"なのかはよく判らなかったけど
お腹が空いた上に使いっ走りにされた悪魔のご機嫌は
飴とキスでなおったらしい。

「珍しいな。外でキスしたら怒るくせに」
「ま、雨だからね」
「雨だからな」

顔を見合わせて笑って、ザァザァと降る雨の中
もう一度 苺味のキスをした。

帰ったら宿題は後回しに
雨音を聴きながら君と遅い昼寝もいいね。



3・君にキスをする




おしまい。
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