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仲里 沙月(ナカザト サツキ)
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仲里沙月の悪/魔くん小説(二埋)ブログ。
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以後、短編はカテゴリ「こばなし」で、
目次にも基本載せないようにしようかなーと思います。

まだ開設して一ヶ月なのに目次が大変な事になってるので
リクいただいた作品だったり、なんかの記念だったり
気合い入れた短編だけ目次に載せる、という事で!

今日もバス内で考えついた一作。
反響があったらシリーズ化させますww

明日で『悪辣メシア』も一ヶ月経過。怒濤の勢いな更新でしたが
少しでも楽しんでいただけたか内心ビビりまくってます。
書けば書く程メシアは冷たくなり、倅はバカになっていく。あぁああ…

今回は東嶽大帝、倒したちょっと後の、こばなし。
「まぁ見てやるよ」という温和な方は【つづき】よりドウゾ!







「よ!出張ホストに来てやったぞ!」
「チェンジで」


孤独予防




真っ昼間からベランダでおかしな事を言う二世に
窓を閉めて背を向けたら、慌てた様子で
また窓を開けられた。

「おいおい!こんないい男に何言ってんだ!」
「何言ってんだ、はこっちの台詞だよ。
 ほんと、どこで覚えてくるの、そんな言葉」

人間界をよく知らないくせに、一体どこから拾ってくるのか。
父さんや母さんに聞かれたら苦笑いするしか
無いような事をたまに言ってくる。

「ここに来る途中、電柱に貼ってたぞ?出張ホスト」
「二世ー、前にも言っただろ?
 そういうのはまだ子供の君には早いの!」
「ケッ、たかだか百年しか生きられねぇ人間に
 子供扱いされたかねぇや」

確かに二世の歳は百年なんてとっくに越えてるんだろうけど
悪魔としてはまだまだ子供の彼に、あまり教育に良くない事を
教えたくない。
…って、これじゃあ二世の保護者みたいだ。
二世に向き直って、手を差し出した。

「今日もラーメンだろ?下、行こう」
「うー…いや、今日はだめなんだ。
 すぐ魔界に戻らなきゃならねぇ」
「え?なにか、事件!?」
「いや。親父に付き合って、ちょいと魔界貴族巡りだ」

何年かに一度、二世はメフィストと一緒に
位の高い悪魔の屋敷を挨拶廻りしてるらしい。

「東嶽大帝を倒してから初めてだからな。
 理想郷の話しをしに行くんだとよ」
「そうか…僕も行けたら良かったのに…」
「バカ言え。大人しい連中ばっかじゃねぇんだぞ。
 真吾なんか頭からバリバリ食われちまうぜ」

そ、…それはちょっと。
悪魔の中には人間を食事にする奴もいる事は知ってる。
悪魔と人間が暮らす理想郷を作るには、
その問題も解決しないといけないな…。

「うーん……」
「まーた始まった」

二世の指が僕の眉間を押した。

「ガキのくせに皺寄せて考え込んでんじゃねぇよ」
「でも…」

言いかけて、二世が差し出した小箱に目をやった。

「これは?」
「やるよ」

小箱には赤いリボンがついていて、
どこからどう見ても"プレゼント"だ。

「ど、どうしたの?僕、誕生日じゃないよ?」
「しばらくこっちに来れなさそうだからな。
 真吾が寂しくねぇように」

そう言われて、もう一度箱に目を落とした。
重くないけど、凄く軽いとも言えない箱。
何が入ってるのか開けようとして、顎を掴まれた。

「俺がいない時に泣くなよ」
「そんなに泣き虫じゃないよ」

そう言うと薄く笑われて、キスされた。
大人しく受け入れてると、抱き締められて舌を入れてくるから
…思わずみぞおちにパンチを入れてしまった。

「ゲホッ!」
「バカ!メフィストが待ってるんだろ?早く帰らないと!」
「…ケッ」

拗ねた顔で出て行こうとする二世を呼び止めて
引き出しに入れたままにしていた物を差し出した。

「…なんだ、これ?」
「お土産で貰った琉球のストラップだよ。
 僕は携帯電話、持ってないし…こんな物しかないけど
 君が、寂しくないように」

遠くの場所でも、僕を思い出してくれるように。
青い琉球のついたストラップをまじまじ見つめて
二世はすっかり上機嫌に笑顔を見せた。

「サンキュー」
「…気をつけてね」

そう言って二世にキスをして、
続きは帰ってからね、と言うと
真っ赤になってふらふら出て行った。
それを笑って見送って、持ったままの箱のリボンを解いた。
箱を開けた瞬間、パンッと大きな音がして
思わず目を閉じた。

「わっ…!」
「よぅ!」

さっきまで聞いていた声に目を開くと
目の前に二世が浮かんでいた。
ただし、サイズはピクシーくらいの。

「に…二世…?」
「お前が真吾か。よろしくな!」

笑顔も言う事も二世とちっとも変わらない
小さな彼は、同じく小さなシルクハットをクルクル回した。

「どうなってるの…?君は…」
「俺は本体の魔力の一部でー…まぁ、人間で言う"分身"みてぇなもんだ。
 本体が危険な目に合ったり、死んだりしたら消えちまうがな」
「本体って、二世!?」
「だから、俺がいる間は、あいつは無事って事だ」

魔力も使えるぞ、と出したステッキは爪楊枝くらい小さい。

「あいつがいねぇ間は、俺が守ってやるからな!」

小さな二世は僕の肩に座って、楽しそうにそう言った。

「…うん、よろしくね!」

笑い合って、もう一度窓の外の空を見上げた。
『真吾が寂しくねぇように』
小さな彼は早速、ラーメンラーメンと盛り上がっている。
寂しくて泣く暇は無さそうだ。


(笑って待っててあげるから 無事で帰ってきてね)


おしまい。
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