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仲里沙月の悪/魔くん小説(二埋)ブログ。
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Happy Halloween!

と、言うわけで本日はハロウィンこばなし。
テーマは『子供』『無邪気』です。でした。
今回は二埋ではなく倅・百目・メシアの三人組に
ハロウィンに挑んでいただきました。

何を隠そう、このトリオ大好きですから!
本当は二埋もありましたが間に合いませんでした!(開き直り)
仕事が少し落ち着いたらそっちは改めてupします。
いただいている拍手のお返事ももう少ししたらッ…!!

それではー!
とりっくおあとりーと!な方は【つづき】よりドウゾ!









「ハロウィンまでもうちょっとだモン!」
「今年こそちょっと暴れてぇよなぁ」
「何言ってんの!東嶽大帝がいなくなってまだ一年だよ?
 みんなまだ敏感な時期なのにおかしな事したら
 今度は二世が退治されちゃうからね」
「へいへい」
「悪魔くんー、僕もハロウィン楽しみたいモン…」
「うーん…そうだなぁ。それじゃ」




ハロウィンらしく 悪魔らしく




Trick or treat




見えない学校 広間。
夜の闇に蝋燭だけが光るそこでユルグと妖虎が
酒盛りをしていた。

「じいさん。此処は禁酒じゃなかったのか?」
「固い事を言うな。禁じられたものに程
 手を出したくなるものじゃ」

上機嫌の妖虎に、ユルグは渋々酒を飲み交わしていた。

コン、コン

他の使徒は眠っているか、遊びに行っているはず。
けれど、扉はまた コン、コン と鳴った。

「………誰じゃ?」

見えない学校とは言え、こんな夜更けでは警戒心が出る。
妖虎はゆっくりと扉のノブを回し、隙間から覗いた。

「お菓子くれなきゃ悪戯するんだモーン!」

そこには黒いマントにすっぽり身を包んだ百目がいた。
顔には大きなジャックランタンを被っていたが
それが百目である事は間違いなかった。
笑い声で両手を差し出され、二人は今日がハロウィンだと気付いた。

「おぉ…百目か。参ったのぅ…此処には菓子など…」

酒盛りをしていると百目にバレれば、必然的に悪魔くんにも伝わる。
なんとか誤魔化し、帰そうとしたが百目は笑ったまま動かない。
ヒヒヒ、と笑う声が耳に障る。

「…すまん。菓子は持ってなくてな。他を当たってくれ」

妖虎は扉を閉めようとしたが、扉はビクとも動かない。
それどころか 気づけば二人の周りには
目玉が不気味に光り、浮いていた。



「Trick or treat …だモン♥」



ジャックランタンが無邪気に首を傾げた。



★★★



ファウスト博士の部屋は本に埋れ、いつも通り薄暗かった。
そろそろメフィストが来る頃だと、博士は時計を見ながら立ち上がった。

コンコン

「…メフィストか?」

…コンコン

返答は無く、ただノックが繰り返された。
博士は杖を片手に、扉の前に立った。

「誰じゃ?」

……コンコン

やはり返答はない。
焦れたのは博士の方だった。勢いよく扉を開け、そこで杖を構えた。

「よぉ、博士」
「な…なんじゃ。メフィスト二世か」

博士は杖を引っ込め、二世の姿をまじまじと見た。
いつものシルクハットには紅い薔薇が飾られ
背中にはその背ほどもある大きな黒い翼。

「そうか、今夜はハロウィンか」
「そーゆーこった。お菓子くれなきゃ悪戯するぜ?」

ウインクして微笑む顔は子供らしく可愛いものだったが
博士の部屋には、メフィストと食べる予定のものしかない。
これをやる訳にはいかん、と博士は
二世を早々に追い払う事にした。

「ふ、む…すまんのぅ…わしは菓子を持っていな」
「じゃ、悪戯決定だな」

博士の言葉を途中で遮り、二世は待ってましたと
言わんばかりに、ステッキを軽く振り上げた。
次の瞬間、博士は炎に包まれ、部屋は業火に焼かれていく。

「メ、メフィスト二世!」

博士は慌てて杖を振ったが
二世の幻術の方が遥かに強力だった。
真っ赤な炎の中に黒い翼。二世の目もまた紅く染まっていた。



「Trick or treat …だろ?」


ニカ、と無邪気に笑うその顔に、博士は恐怖さえ感じた。







★★★




「おぉ、もうこんな時間か」

メフィスト家の一室。時計を見ながら
屋敷の主は慌てて仕度を終わらせた。
見えない学校へ博士を迎えに行き
今夜は久しぶりに温泉にでも浸かりながら
ゆっくり酒を飲む約束だった。


コン、コン


「誰じゃ?」

使用人が急かしに来たのかと思ったが、どうも違うらしい。
扉は冷たくノック音だけが返ってくる。

…コンコン

「………」

メフィストはステッキを扉に構え、そのまま 扉を破壊した。
大きな音を立て、崩れた扉の向こうに立っていたのは

「悪魔くん、か?」


足首まである黒のワンピースに、裏地は真っ赤のマント。
首には見慣れたソロモンの笛が下がっている。

「驚いた。奇抜な扉の開け方するんだね」
「あ…あぁ、すまん」

悪魔くんは部屋に入ろうとはせず、そこに立ったまま笑顔を見せた。

「お菓子くれなきゃ悪戯するよ?」
「お…そうか。今宵はハロウィンじゃな」

メフィストは仕度をした鞄を横目に見た。
あげられるものはある。
しかし、それは今から持っていかなくてはならない。

「誰かに菓子を持って来させよう。倅や百目と食べ…」
「メフィスト」

悪魔くんに背を向けた瞬間、すぐ間近で声が聞こえた。
慌てて顔を上げると、ステッキを構える間もなく
悪魔くんは机に乗り上げてメフィストの襟首を掴み、
鼻先が触れ合う程傍まで来ていた。
ふわり、と香る甘い匂い。
それが何か判断する前に、悪魔くんが笑った。

「Trick or treat」

子供らしい笑顔の裏側に、メフィストは
蝋燭のようにゆらゆら光る火を確かに感じた。






★★★



深夜一時。
百目、二世、悪魔くんは魔界の隅にある小さな小屋にいた。
そこは最近見付けた三人の秘密基地。
二世の魔力で灯りをつけ、それぞれの収穫を見せ合った。

「なんだよ、百目のはツマミばっかりじゃねぇか!」
「仕方ないんだモン!それしか無かったんだモン!」
「メフィスト二世だって…
 おかきに煎餅…あはは、大福まである!」
「共食いだモーン!」
「っるせぇ!よもぎ餅に言われたかねぇや!」
「まぁまぁ、お菓子なら僕の方もいっぱいあるから」

悪魔くんが指差した先には大きな風呂敷包み。
中にはチョコやキャンディーを始め、色々なお菓子が詰まっていた。

「やーっぱ、親父んとこが一番収穫できたな」
「さすがメフィスト。次から次から
 出てくるんだから、驚いたよ」
「で?どうだった!?魔界媚薬の香水の効き目は!?
 親父の奴、焦ってただろ!?」
「効果は三分だからね。
 途中で切れちゃってたかもしれないけど…
 でもあのメフィストが真っ赤になるなんて面白かったよー」

はい、と二世に小さな瓶を投げて渡した。
その中にはキラキラ光るピンクの液体。
三人分の笑い声の中、百目の腹がグーっと鳴った。

「僕…お腹空いたんだモン…」
「準備だなんだって、朝から何にも食べてねぇもんな」
「それじゃ。お腹いっぱい食べようか。飲み物もあるし」

風呂敷から取り出したジュースの瓶を見せると
百目が両手を上げて喜んだ。

「わーい!!僕そのジュース大好きなんだモン!」
「おーおー、高ぇもん出したなー親父の奴」
「そうなの?…じゃ、美味しくいただこうか」

パチン、と二世が指を鳴らし、三人の手元にグラスが三つ並んだ。

「いただきまーす、だモン!」
「成功を祝して、だろ?」
「じゃあ、間を取って…」

Happy Halloween!
乾杯の音と共に、子供だけの宴が始まった。





Trick or treat
お菓子くれなきゃ 悪戯するよ?






おしまい。
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