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仲里 沙月(ナカザト サツキ)
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仲里沙月の悪/魔くん小説(二埋)ブログ。
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色々ネタが浮かび過ぎて ま と ま ら な い!
ちょ、ちょっと待って!!!!ちゃんと一個一個書くから!

そんな感じで進んでます色々。
今日は中学生編。女の子って最強だなーと思う。

では!なんか久しぶりに短編になった中学生編は
【つづき】よりドウゾ!













オレンジ色の町の小さな公園に
一人の女の子と 一人の悪魔。

「私…メフィスト二世さんが好きなの。
 ずっと…好きなの」

「…悪ぃ」

どこかで感じていた
それは、予想通りの答え。

「…好きな人が、いるの?」

Yesと言われるのも判っていた。
けれど今度は予想通りにはいかなかった。

「俺は…真吾が好きなんだ」

「真吾って……お兄ちゃん…?」

悪魔が口にしたのは自分の兄。
驚きで言葉を失っていると
メフィスト二世は肩を竦め苦笑い。

「人間から見たらおかしいかもしれねぇけどな。
 …ずっと、あいつしか見えてねぇんだ」

おかしい、と思った。
相手は自分の兄 ――つまり男だ。
けれど、真っ直ぐに言い切るメフィスト二世に
それ以上は何も言えなかった。
エツ子は俯き、しばらく地面を見つめた後
お願いがある、と呟いた。

「キスして。…それで…諦めるから」

「………悪ぃ」

苦々しく答えた声に涙が滲んだ。
いつもなら慌てて慰めるメフィスト二世が
今はただその姿を見つめたまま。

「エッちゃんが大切なんだ。…妹みてぇに思ってる。
 それは、真吾もな。手ぇ出したら殺されちまうぜ」

冗談めかして言ったが、目は見た事もないほど
真剣だった。

「それに…」

「…何?」

「決めたんだ…もう二度と…あいつを泣かせねぇって」






Talisman for fine weather






寝間着のまま毛布に包まって
真吾はしとしとと降る雨を眺めていた。

思い出すのは 妹の言葉。



『私…後悔してないわ』

『相手が、お兄ちゃんで良かった。
 …だって、素敵なお兄ちゃんが一人増えるって事だもの』

『メフィスト二世さんを大事にしてよ!
 じゃないと、お兄ちゃんの事、嫌いになるから!』



そう言って笑っていた。
泣いて責められると思っていたのに エツ子は笑っていた。

夢見がちで、ませていた小さな妹は
いつの間にか一人前のレディで
真吾は安堵と ほんの少し寂しさを感じていた。

曇天の空を見つめていると、部屋の扉がノックされた。
扉は返事をする前に開かれた。

「二世…」
「よっ。もう体、いいのか?」
「うん…明日には学校行けると思うよ」

合宿から帰ってきてすぐに高熱で
寝込んだ真吾は、ようやく学校へ行ける、と
安心したようだった。

「…エッちゃんから…聞いたのか」
「……うん」

昨日の夜。
いい加減眠るのにも飽きた真吾が本を読んでいると
エツ子が部屋を訪ね、告白した日の事を話した。

「エツ子は…、笑ってた」
「…そうか」

二世を好きだと言ったエツ子。
真吾を好きだと言った貧太。

「なんだか…大切な人を、傷つけていくみたいだ」
「真吾…」
「でも…嘘ついて逃げ回るより…きっといい」

エツ子も 貧太も 誰も 責めなかった。

「きっと…間違ってない」
「…あぁ。これで、いいんだ」

そう言って二世は真吾を抱き寄せ、キスをした。
もぞもぞと手を動かし、毛布の下、薄い寝間着の裾から手を入れ
ほんのり熱い真吾の身体を撫でた。

「に、二世!」
「…いいだろ」

そのまま真吾をゆっくり押し倒し、キスをしようとした二世に
右ストレートが決まった。

「痛ぇえ!」
「だだだだだだだめだってば!まだ無理!」
「ちぇ。いいじゃねぇか…ガード固ぇな」
「あ、あのねぇ!君は良くても僕はッ…だ、第一!男同士で
 どうやってするんだよ!」
「なんだ、言ってほしいのか?」
「違う!」

再度飛んできたパンチを右手で受け止め、二世は
大きなため息をついた。

「いつになったらいいんだよ」
「…ッ……せ、せめて今はやめてよッ…」

真っ赤になった顔が俯いた。

「…あー、判ーった、判ーった。
 お前がいいって言うまで、手出しゃしねぇよ」
「…ごめん」

謝る真吾の頭を撫でて、額にキスを一つ。

「…キスは、いいだろ」
「…風邪、うつるよ?」
「人間の風邪がうつって堪るか」

そう言って、起き上がった真吾にキスをした。

「もう熱はねぇみたいだな…」
「大丈夫だってば」

そう言って笑う顔は
まだどこか不調の色をしていた。

「無茶すんな。なんなら、ずっと傍にいるからよ」
「何言ってんの。ちゃんと学校行かなきゃダメだよ」


「そうよーメフィスト二世」


突然聞こえた声に振り向くと
部屋の扉に立っていたのは

「鳥乙女!」

懐かしい、天使のような悪魔は、久しぶりね、と明るく笑った。

「どうしたんだい?急に…。何か問題?」
「あら。何かないと会いに来ちゃダメなの?」

拗ねたような顔をしてみせる鳥乙女に
真吾はゆっくり微笑んだ。

「とんでもない。会いたかったよ。ほんと、久しぶりだね」
「えぇ…二人とも元気そうね」

二人を見て笑う鳥乙女はどこか寂しそうだった。

「…二世、コーヒー煎れてきてよ」
「は!?」
「あ、鳥乙女もコーヒーで良かったかな?」
「えぇ、大丈夫よ」
「じゃ、二世、よろしく」

有無を言わせない態度の真吾に、二世は渋々部屋を出て
階下へと降りていった。
真吾は座ったまま、ひんやりとした窓に手を当てた。

「…蝙蝠猫と、喧嘩でもした?」

ドキ、と鳥乙女の身体が跳ねた。
真吾は降り続ける雨を見たまま、答えを待った。

「…悪魔くんに、隠し事はできないわね」
「そんな…無理に聞き出すつもりはないんだ。
 でも、君はとても頭がいいから…言いたくないなら
 此所には来ないんじゃないかと思って。
 …話して楽になる事もあるって、言うしね」

そう言うと鳥乙女は笑い、すぐに悲しそうに俯いた。

「…本当は…悪魔くんが、あいつとどうなってるか、見に来たの」

"あいつ"は一階の台所でコーヒーの準備をしながら、くしゃみを一つ。

「悪魔くん…ずっとメフィスト二世が…好きだったでしょう?」

十二使徒の誰も気付かない中で
感の鋭い鳥乙女だけが、真吾の隠した心に気付いていた。

「鳥乙女には、隠し事できないね」

彼女と同じ台詞を笑顔で返し、真吾は鳥乙女の隣に座った。
その手にはテッシュを一箱とペン一本。
真吾は何枚か取って手を動かした。

「…あの様子じゃ、上手くいったみたいね」
「…うん…まぁ…」

真吾は返事を濁し、同じように俯いた。

「あら、照れる事ないのに」
「…照れてないよ」

苦笑いを向けて、真吾が見た鳥乙女は
今にも泣き出しそうな顔をしていた。

「…どうしてかしらね…」
「……鳥乙女…」
「…あんな…不甲斐ない悪魔を、好きになっちゃうなんて。
 …ちょっと女の子と遊んだとか、そんな話し聞くだけで
 冷静でいられないのよ…この私が」

淫魔よりも美しい彼女の頬に 一雫 雨が降った。

「お父さんもお母さんもいない…私が、
 誰かを…ちゃんと愛せるのかしら…」

強気で誇り高い彼女の心の奥には
両親の思い出が微かに残り、それは
寂しさと同じ場所にあった。

真吾は鳥乙女の涙を指で拭って、笑顔を見せた。

「勿論。だって君は、一人じゃない。
 僕も他の十二使徒も、みんなが鳥乙女の味方なんだ。
 …メシアと魔界最強の使徒が味方についてるんだよ?
 寂しくなったら、僕を呼んで」
「悪魔くん…」
「でも鳥乙女は、僕じゃなくて、蝙蝠猫を呼びたいだろ?」

辛い時には呼んで。でも 他に呼びたい名前があるなら
素直に、呼んでもいいんだ。立場とか種族とか関係ない。

「…悪魔くんも、悩んだの?」
「そりゃ、ね。もう眠れないくらい。
 冷静でも…いられなかったし」

肩を竦め、もうすぐ美味しそうなコーヒーを三つ
不機嫌な顔で持ってくるであろう彼を思った。

「悪魔と人間。メシアと第一使徒。男と男。
 これだけ不利でも、今はちゃんと…好きだって言える。
 好きだって…言ってくれる」

『好きだぜ、真吾』
鼓膜に残る 優しい声。

「悪魔でも天使でも、きっと神様でも、鳥乙女より綺麗なものなんて無い。
 …在り来たりかもしれないけど…絶対に大丈夫。僕が保証するよ」
「…でも、私…」
「それに、僕が見る限り、蝙蝠猫だって鳥乙女が好きだと思うけど」

そう言うと鳥乙女の顔が一気に赤くなった。

「主は使徒全員をちゃんと見てるんだよ?僕を信じて」

はい、と差し出したのは、笑顔のてるてる坊主。

「これは…?」
「んー…笑顔になるお守り、かな。
 鳥乙女は笑ってる顔が一番綺麗だから」
「……悪魔くんって、意外とタラシっぽいのね」

そう言って、鳥乙女はようやく笑った。

「あ」

声を上げ、真吾は窓を開けた。

「雨、上がったね」
「…じゃ、私、行くわ」
「うん。またいつでも遊びに来て。待ってるから」

ありがとう、と言って鳥乙女はベランダから飛び上がった。

「鳥乙女!」

真吾の叫びに鳥乙女が空中で振り返った。

「蝙蝠猫に伝えて。鳥乙女を泣かせたら笛吹きに行くよって!」

真剣な顔でそう言う真吾に、鳥乙女は声を上げて笑い、
差し込んだ日差しに彼女の笑顔が照らされた。

「君の心…絶対、届くよ!」
「…ありがとう、悪魔くん!」

曇天の空に幾つかの光の梯子。
その中を、白い翼を大きく揺らし飛んでいく彼女の後ろ姿は
まるで崇高な絵画のようだった。

「あれ?おい、鳥乙女はどうした?」

彼女の姿は見えなくなった頃、
二世はカップを二つ持って入ってきた。

「帰っちゃった」
「あぁ?…ったく。何しに来たんだよ」
「…気付いてたくせに」

持って来たのは二つのコーヒー。
鳥乙女と真吾と二世の分では、一つ足りない。
自分が持って来る前に、鳥乙女は帰ってしまうと
予想していたから、二つしかない。

「女の子って強いよね」
「ぼやぼやしてられねぇな」

そう言って二人は顔を見合わせて笑った。

「雨も上がったし、コーヒー飲んだら散歩でも行こうか」
「病み上がりのくせに大丈夫かよ」
「大丈夫だってば。明日は学校にも行くし」

そう言いながら、真吾は暖かいコーヒーを口に運んだ。

「散歩って、どこ行くんだ?」
「…そうだなー…」

天使の梯子を上って、雲の上まで。

そう言うと二世が笑った。




It continues.
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