ついに本当にやりました一気載せ。エピローグでございます。

思えば一年前。
とあるサイト様の二埋に惚れ込み、衝動的に開設となった【悪辣メシア】
亀更新になりながらも首の皮一枚状態でも続けられたのは
皆様のお陰でございます。
創作にも勿論、プライベートでもかなり元気とやる気をいただき
仲里は今もこうして書いております。

『悪魔くん』は書けば書くほど、書きたいものが増えていくので
仲里としてはまだまだ、どんどん楽しんでやっていきたいと思います！

一周年・ありがとうございます！
これからもよろしくお願いします！

それでは長くなりました『いろは唄』
エピローグは【つづき】よりどうぞー！！

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（Epilogue）



事が終わると真吾はまた寝ちまった。
裸のままシーツを被って、俺の膝を枕にして眠る顔は
警戒心なんて忘れちまったような、ガキらしい寝顔だった。
出会った頃のままの、タマネギみてぇな癖毛を撫でていたら

「あら。悪魔くん寝ちゃったの？」

部屋の入り口に鳥乙女が立っていた。
内心焦ったが、真吾は肩までシーツを被っているし
俺が着てないのは上半身だけだからバレやしねぇ…と、思う。

「あ、あぁ…さっきまで起きてたんだけどな」
「悪魔くん寝ちゃったんだモン？」
「なんじゃ。せっかくの祝い酒に主役は寝ておるのか」

ぞろぞろと十二使徒が集まり、小さな仮眠室は
あっという間にいっぱいになった。

「うるさくすんなよ。起きるだろ」

判ってるわよ、と小突かれて、鳥乙女が
真吾の顔を覗き込んだ。

「ふふ。こうして見ると、悪魔くんも子供ね」
「大先生も、人の子って事でヤンスねぇ」
「可愛いね」

真吾の頬をつつくサシペレレを睨むと、真吾が小さく唸った。
起こしたかと全員が息を呑んだが、すぐに穏やかな寝息を立てた。

「…今回一番頑張ったんだ。寝かせてやろう」

狐の姿に戻ったユルグが細い目で真吾を見つめた。

「家族や友人、仲間を自分より大切にする彼にとって
今回は…辛い戦いだったはずだ」

けど真吾は ただの一度も言わなかった。
逃げよう、とは 助けて、とは言わず、泣かず、
向かい合った。

「…自分の事なんざ考えてねぇんだ。守るもんしか見えてねぇ。
俺達が、守ってやるしかねぇんだ」

そう言うと、使徒全員が強く頷いた。

「勿論だ」
「悪魔くんを助ける事が、使徒の使命ダワサ」
「私もッ…頑張る！」
「僕も！」「僕等も！」
「僕だって、もっと強くなるんだモン！」
「そうじゃな。もう二度と、悪魔くんが悲しむ事のないように」
「バウー！」
「もう負けないゾウ!!」
「この子を、私たちが守るのよ」
「僕等の、大切な主で、仲間だからね」
「お、おおお俺だって!!ヨイショでヤンスよ!!」

心を固める連中に笑みが溢れたが
それを見た鳥乙女は眉間に皺を寄せた。

「そう言うあんたはどうなのよ？メフィスト二世」
「は？俺？…そうだなぁ」

気持ち良さそうに眠る真吾を見て、答えた。

「…もしもこいつが十字架に磔にされたら
もしそれが運命だって言われたら、
神ヤローに中指立てて助けにいく」

運命だとか カミサマだとか 関係ねぇや。

「俺達は、悪魔だからな」

その言葉に使徒が笑顔を見せた。
眠ったままの真吾も、微かに、笑った気がした。

人間なんざ信じちゃいねぇ。
惚れた相手なら尚更疑う。
けど、お前と一緒にいられる事だけは
お前が笑っていられる明日、ってやつだけは信じてる。
そのために、何処までも追いかけて、守り抜く。
覚悟しとけよ。
この鬼ごっこは、そう簡単には終わらねぇぜ。


End.