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仲里 沙月(ナカザト サツキ)
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読書*映画鑑賞*ゲーム
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仲里沙月の悪/魔くん小説(二埋)ブログ。
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あれ。3で終わるはずだったのに。
思いのほか長かったww

と、いうか、今日全部載せる必要は
無かったんだなーと今気付きました。
でも出来てるんで載せます。
もうどんどん載せます。
下書きが溜まってくるのでww

(3)にもありませんが成人向け表現があります。
(4)に出ます。
でもこれだけ言ってるのに、読み返すと凄くしょぼい。
ホントにしつこいだけだww

早く出しなさいよ!という方は
(4)の前に【つづき】から(3)をドウゾ!





・tune the rainbow・(3)

「やめるんだ!どうして」
「悪魔くん!大丈夫!?」

鳥乙女が隣へ降りて来て僕の身を案じた。

「鳥乙女ッ!攻撃をやめさせて!」
「え?だって、悪魔くんがドラゴンに捕われてるって…」
「僕は好きでここにいたんだよ!誰がそんな事ッ…」

鳥乙女が驚いた顔を少し上に上げて、
言いにくそうに呟いた。
彼女の顔を見れば、誰が発端が一目瞭然だ。

「…蝙蝠猫よ」

空にはドラゴンとは別に
黒い影がみんなをここぞとばかりに仕切っていた。
家獣の上に、妖虎とユルグ、サシペレレが見える。
今は上手く避けているけど、このままじゃ怪我人が出るのは
時間の問題だ。

「早くやめさせないと!」
「私がいくわ!」
「だめだ!危険だよ!」
「でも!」

飛ぼうとする鳥乙女を制止して、ソロモンの笛を握った。
笛の音が ここからあの空に 届くだろうか。

「…信じるしかない!」

ソロモンの音色が戦いの騒音に混じる。
『みんな、やめてくれ!僕の話を聞いて!』
遥か高い場所に届くように、必死で笛を奏でる。
『お願いだから…止まってくれ!』
騒がしかった音が消えて、音色だけがそこに響いた。
笛を離すと、みんながゆっくりと降りて来た。
ほっと息をついて、崩れそうになった膝を気力で支えた。


***

笛の音が聞こえて、俺達は真吾の元に降りた。
真吾はしゃんと立っていたが、辛そうに眉をしかめていた。
徹夜続きであんなに必死に笛を吹いちゃ、無理もねぇ。

「良かった…みんな、誤解なんだ」
「悪魔くん、どういう事だい?」

サシペレレが首を傾げている。

「俺っち、見たんでヤンスよ!
 悪魔くんがこの黒ドラゴンに連れ去られてるところを!」
「それが誤解なんだよ。僕が彼に乗せてもらってただけなんだ」

全員が、そうなのか、と安堵する中で一匹だけ
抗議の声を上げたバカがいた。

「あ、悪魔くんは騙されてるんでヤンスよ!
 ドラゴンってのはそりゃ凶暴なんスよ!」

こいつッマジで八つ裂きにすんぞ!
火でも吹いてやりたいのを我慢していると、
ますます声がデカくなった。
初めて仲間を仕切って、ちょっとした
リーダー気取りだったんだろう。
引っ込みがつかない様子の蝙蝠猫にキレたのは 真吾だった。

「蝙蝠猫…」

真吾はソロモンの笛を首からはずしながら
蝙蝠猫に歩み寄った。

「悪魔くんが何て言おうガッ!?」

笛を蝙蝠猫の首にかけると、そのまま笛を掴んで
蝙蝠猫の首を自分の目前まで持って来た。


「運命数十二の使徒。僕の声が 聞こえない?」


にっこりと笑うその笑顔に、
その場にいた全員が凍り付いた。
慈愛のメシアを怒らせると
 …なんつうか… ……怖い。

「で、でも、悪魔くん?ドラゴンは確かに
 凶暴なやつもいるのよ?大丈夫?」

真吾は蝙蝠猫から笛を外して自分の首にかけてから
一度鳥乙女を見て 諦めたようにため息をついた。

「大丈夫に決まってるよ。
 …彼は、メフィスト二世なんだから」

ええええぇぇぇーッと叫ぶ中に一匹
全く驚いてないやつがいやがる。
…気付いてやがったな、ユルグ。
睨むと、ふい、と顔を反らされた。
真吾をお気に入りのユルグにとっちゃ今回の事なんて
『ちょっとした嫌がらせ』くらいなんだろ。

「こ、こやつがメフィスト二世!?」

妖虎もかなり驚いた様子だったが、それよりも俺は
どんどん機嫌の悪くなる真吾の方が重大だった。

「嘘だと思うなら、そのまま朝まで見てなよ。
 その内、いつもの姿に戻るよ。
 …僕、もう帰るね。おやすみ」

そう言って真吾はスタスタ歩き出した。
ちょっと待て!と叫ぼうとして
ポン、と俺の身体が音をたてて人型に戻った。
魔力を消費しちまったせいか。

「メフィスト二世!?」

驚く連中をよそに、俺は真吾を追いかけた。
帰る、と言ったくせに
真吾は見えない学校へ入っていった。

***

二世が呼んでいる。聞こえないフリをしていたけど
見えない学校の廊下で腕を掴まれた。

「おい、お前ッ」
「ちょっと待って。
 …みんなに見つかったら、喧嘩してると思われるよ」

中に入ろう、と仮眠室の扉を開けた。
この部屋は使用者が僕しかいない。
先に入ると、パタン、と扉の閉まる音がして
扉の前で二世が立ち尽くしていた。

「もういいよ。何がききたいの?」

なんでも答えてあげるよ、と言った声が
自分でも少し自棄に聞こえた。

「いつから、気付いてた」

二世の声がいつもより低い。
怒っているのは明らかだ。

「最初からだよ。あんな不自然に呼び出されて
 しかも、僕がドラゴンを好き、って言った後だし」

それに。

「目が…同じだった。気配も」
「あの姿になっちゃ、気配は随分変わってたはずだぜ?」

他の使徒連中も気付かなかったんだからな、と
吐き捨てるように言うから
僕は首を振った。

「気付くよ。どんな姿でも、君なら」

あぁ、でも。
君が蜘蛛になった時は気付かなかったっけ、
と笑ってみせると
二世が靴を鳴らしながら近づいて
また腕を掴んだ。
痛、と思わず言ってしまったけど
二世はお構いなしだった。

「全部 俺をからかってたのか」
「………」
「嘘だったのかって訊いてんだよ!」

怒鳴り声が心臓の深くに刺さった気がした。
そうだよ、嘘だよ、からかっただけだよ。
そう言おうとして 涙が溢れた。
ボロボロ溢れるその雫は
静かに静かに落ちていった。

「…ッ、ご…ごめッ…」
「……本当に全部 嘘、だったのか…?」

悲しそうに伏せられた目を見て
僕は 嘘を吐く勇気を 投げ出した。
気付いたら首を横に精一杯振っていた。

「全部ッ…全部本当の事だったんだ…!」

そう叫ぶと 腕を掴んでいた力が緩まった。
離してほしくない、とでも言うように
僕は止まらなくなった言葉を続けた。

「ずっと、言いたかったッ…ずっと君が好きだった…
 でも言えなかった…!」
「なんで言えねぇんだよ!俺はお前が!」

二世の腕を振り払って
両手で耳を塞いだ。
すぐに二世に取り払われたけど
僕は両目を閉じて首を振った。
聞きたくなかった。
それでもまだ 涙が止まらない。

「言うべきじゃなかったんだッ!
 君は悪魔で僕は人間なんだ!」
「関係ねぇ!俺は」

続きを聞きたくなくて
僕は二世の言葉を遮るように叫んだ。

「僕だって君だって、お、男同士じゃないか!」
「それこそ悪魔にゃ関係ねぇんだよ!
 人間の物差しで計ってんじゃねぇ!」

「僕は"悪魔くん"で、二世は第一使徒だろ!」

これには二世も黙った。
二世が何を考えているのか、判っていた。
僕と多分 同じことを。

「…僕は、"悪魔くん"なんだ。
 二世を…一番にしちゃ、いけないんだ。
 一番に想えないのに…」

一番に想えないのに
好きだと言ったら
それは多分 嘘だ。
好きだと言ったら
その瞬間に 嘘になる。

「じゃあ…じゃあなんで言ったんだよ!」

それは僕が 自分にもした質問だった。
泣き過ぎて上手く呼吸ができない。
けど 答えなくちゃ。

「伝えちゃ、いけなか、ったんだ。
 でも…、どうし、ても…君が、好きなんだ。
 気持ちを、忘れられ…なかった。
 忘れたく、なかった、んだ。
 傍にいるだけで…良かったはずなのにッ!」

自由に飛び回る君に
危険を顧みない君に
カッコ良くて優しい君に


たった一回でいいから
伝えたかった。



上がる呼吸を落ち着かせようと
必死で深呼吸をしていたら
黒い影に包まれた。
大好きな匂いがして
二世に抱き締められたんだと知って
腕の中で暴れたけど、その分
強く抱き締められた。

「…理屈コネて、俺の気持ちは無視かよ」
「…もし、万が一、君が同じように想ってくれても
 僕は、二世を一番にできないんだ…。
 そんな相手を好きになったら、二世が辛くなるだけだ」

だから どうか 言わないで。
だから どうか

「…ケッ。そんなもん覚悟できてら。
 世界のメシア、慈愛の王に手ぇ出そうってんだ。
 世界中の悪魔と人間を敵にしたって怖かねぇ」

どうか どうか

「一番じゃなくてもいい。
 誰よりも、真吾を一番近くで守りてぇ」

どうか 言って。

「好きだ。真吾」

聞きたくなくて 聞きたくなくて
でも 欲しくて 欲しくて仕方なかった
その言葉に 僕はバカみたいに また泣いた。


4)へ。
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