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プロフィール
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仲里 沙月(ナカザト サツキ)
性別:
女性
趣味:
読書*映画鑑賞*ゲーム
自己紹介:
7/12生
本の虫!倅とメシアが大好きです!好き過ぎる!
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仲里沙月の悪/魔くん小説(二埋)ブログ。
サファイアの神 最終回!
頑張ったようで不完全燃焼な気もするなー。でも満足だ!
今回頑張り過ぎのメシア。
次はお気楽イチャイチャにしよう。
そんな感じで最終回!
決着の時は【つづき】よりドウゾ!
頑張ったようで不完全燃焼な気もするなー。でも満足だ!
今回頑張り過ぎのメシア。
次はお気楽イチャイチャにしよう。
そんな感じで最終回!
決着の時は【つづき】よりドウゾ!
(6)
太陽は落ち、国中の者が一カ所に集まった。
甘い匂いの中で皆、生気の薄い顔で王宮を見上げている。
王宮の傍の湖から何かが浮かび上がった。
黒い大きな翼のそれは紅い目を光らせて
国を見下ろした。
『 魔界の眷族よ 』
神は手を翳し、その足で宙を歩き
ドラゴンの正面に立った。
『 生贄を捧げ お前を鎮めよう
我は王 我は神なり 』
白いドレスに包まれた身体が、ふわりと神の手元まで浮かび
神は蒼の剣をドラゴンに翳した。
サファイアが光る、蒼い剣。
「…それが…蒼の剣か」
僕はゆっくりと上半身を起こした。
さすがの神も驚いた顔をしている。
「お前ッ…!何故…!?」
僕は右手を開いて、握りしめていたガラスの破片を落とした。
「何度も眠りに落ちて…何度も目覚めた…
ようやく…頭がはっきりしてきたよ!」
僕は神に掴みかかり、蒼の剣を奪うと
それを神に構えながら、下の国民に叫んだ。
「騙されるな!こんなの…全部芝居だ!
ただロープでぶら下がってるだけだ!」
「わぁあああッ!」
神を吊し上げているロープの一本を切ると
神は随分、人間らしい悲鳴を上げた。
「何がドラゴンだ!」
僕は髪飾りを外し、ドラゴンに向かって投げた。
造り物のそれは、髪飾りが刺さると皹が入り、
一瞬で崩れ去ってしまった。
国民は、信じられない、という顔で虚ろな目をして
僕達を見上げている。
…さっきから気になっていた、この匂い。
まさか、この匂いのせいでッ…!
匂いの元を探していると、大きな風がそこに吹き荒れた。
「この風はッ…!」
「悪魔くん!」
真っ白な翼を羽ばたかせ、彼女が僕の傍へ寄った。
「鳥乙女!」
「みんなもいるわよ」
鳥乙女が指差した先には、蝙蝠猫と家獣。
家獣の中にみんなの姿が見える。
「みんな、召喚された気配を感じたのにどこにも出ないって
見えない学校に集まったの。
それで、博士に事情を聞いて…みんな心配してたのよ。
悪魔くんの事だから、絶対無茶してるって」
鳥乙女はウインクして、みんなの元へ飛び上がった。
家獣の中にも、空のどこにも 彼の姿はない。
泣きそうになる目に力を込め、ロープに下がった彼に向いた。
「もう誰も騙せないぞ!」
「我は、我は神だ!選ばれた神なのだ!」
僕は怒りに任せて、神のロープを斬った。
神は残り一本のロープを必死に掴んでいた。
「そんな事言ってる奴ほど早死にするんだ!バカ野郎!」
『俺は魔界最強だぞ』
…二世
僕 二世が好きだよ。
もっと好きになったかもしれない。
恥ずかしくて 自分に言い訳して 誤摩化してた。
傍にいたい。
抱き締めてほしい。
名前を呼んでほしい。
伝えたい。 …ずっと 君が好きだよ。
もう 言えない。
いつも 大切なものは 失くしてから 気付く。
「あなたと刺し違えるつもりはない…
僕にはまだやらなきゃならない事があるから。
さぁ!みんなの前で全てを話すんだ!」
「我は…我はッ…!
我は神だ!こ、この子供こそ悪魔なのだ!」
そう言い張り、まるで救いを求めるかのように
一本のロープを強く握りしめていた。
その言葉を信じる者はもう誰もいなかった。
「…なんと……なにが"神"か……
あれではただの腑抜けではないかッ!」
「俺達を騙していたのか!」
「神に殺された俺の両親は!」
「私の息子は!」
「生贄にされた俺の娘は!」
人々はそれぞれに憎悪の声を上げた。
「そいつを引きづり下ろせ!」
「殺してやる!」
「獣に喰わせてやる!」
「そいつを引きづり下ろせ!」
その時。
ふわりと風が舞った。十二使徒とは違う気配。
振り向くと、そこに浮いていたのは神衛隊の隊長 クレスだった。
「…よくやった。"悪魔くん"」
クレスは僕を抱き上げ、最後のロープに手をかけた。
「人々に謝罪する気はあるか?」
「我は……神…だ…」
「……残念だ」
手をかけた部分が焼け落ち、"神"は 人々の中へ落ちていった。
僕は思わずそれから目を反らすと、王宮の方へ運ばれた。
降ろされた場所は、恐らく王が国民にスピーチするための場所。
「あまり、驚いていないようだな」
クレスは僕を見て、不思議そうに言った。
「…最初にあなたに会った時…
二世は弓が来る前に気配を感じていた。
悪魔が感じやすい気配がしたって事は…きっとあなたは
人間じゃないと思った」
「…なるほど。確かに利口だ」
クレスは一度息をついて、人々を見下ろしながら話し始めた。
「私が探していたのは、その剣だ。
その剣は確かに神のものだ。だが、ある悪魔に持ち去られてしまった」
「悪魔…?」
「君が倒した、東嶽大帝だ」
「なんだって!?」
半年ぶりに聞いた名前に、僕は思わず身を乗り出した。
「だが、その剣は悪魔には使えない。
そこで、人間に与え、あのような行いをさせたのだろう。
人は…力を手に入れるとすぐに我を忘れる。
私は神の言いつけでその剣を探し、見つけたが
この国は既に手のつけようがない程、荒んでいた。
様子を見るつもりだったが、君が来てくれて、思ったより事は簡単に済んだ」
「…魔力や召喚術が使えなかったのは、あなたがいたから…」
「そうだ。また悪魔に剣を持ち去られては堪らない。
ある程度以上の魔力は使えないよう、国中に封印を施した。
儀式の前に解いておいたから、お前の仲間達にももう影響はないだろうがな」
だからあの時、二世も魔力を使えなかった。
「…僕は…あなたを許せない…。あなたは……二世を殺した」
「…では、どうする?その剣で、私と戦うか?」
クレスは、持ったままの蒼の剣を指差した。
「僕は あなた達とは違う」
そう言って、剣を差し出した。
「確かに……あなたが憎い。殺してやりたいと思うよ。
……でもッ…」
『生きろよ 真吾』
「彼は、仇を討つために、僕を生かしたんじゃない…。
あなた達のように、冷酷にはなれない」
だって まだ 覚えてるんだ。
守ってやる、安心しろ、って 僕を抱き締めてくれた二世の腕を。
僕がここで憎しみに負けたら 二世が好きだった"僕"は いなくなってしまう。
楽しいとか 邪魔だとか 罰だとか そんなくだらない理由で
簡単に蜘蛛の糸を断ち切ってしまう神や天使には
とても なれそうにない。
「…噂通りだな」
「え…」
「"悪魔くん"の話しは聞いている。東嶽大帝を倒した、人間の少年。
世界を変えるかもしれぬと、神も見ておられる」
「……見物料取るよって、伝えておいて」
精一杯の悪態を吐いて、クレスから目を背けた。
クレスは笑い声を上げ、夜空に消えていった。
引き止めて、拳を振り上げてしまいそうで
それを見届ける事はできなかったけど。
まだ騒ぎのおさまらない人々を見ていると、奥から
人の気配を感じて、振り向いた。
「ッ…ディスター!カルナ!」
二人は僕の隣まで来た二人は、満面の笑顔だった。
「どうしてッ…!」
「話しの前に、これをなんとかしなきゃなぁあ」
ディスターは人々を見下ろすと、大きく息を吸い込み
「聞けぇえええええッ!」
鼓膜の破れそうな声で叫んだ。人々の騒ぎがピタリと止み、
ディスターは"神"に騙されていた事を詳細に話し始めた。
その時、一人の人が声を上げた。
「けど!火の雨は確かに悪魔の仕業ではないのか!?」
ディスターが言葉に詰まったのを見て、僕はディスターにこっそり囁いた。
「あれは、簡単な作り物だよ」
「作り物?」
「小さな丸いもの…布を巻いた石でも、なんでもいい。
それにアルコールを浸す。
そして、パチンコのような、打って飛ばす道具で
火を潜らせて、町や僕たちを狙ったんだ。
アルコールで燃えやすくなったそれは火を纏って降り注ぐ。
道具の威力が強ければ強い程、遠くまで飛ぶ。
きっと王宮の中を探せば、それが見つかるはずだ」
あまりに簡単な絡繰りを話すと、カルナは、よく判ったな、と
感心した。
火の雨が降った時。あの雨は理科の実験で使ったアルコールランプと
似た色をしていた。
勘だけど、神も悪魔も偽物だったんだ。多分当たっているだろう。
カルナは慌てて王宮の中を探しに行った。
ディスターは僕が言った事を人々に伝え、
「神は死んだ!俺達を救ったのは、この子供だ!」
「え!?」
僕の背中を叩いた。
「ほれ、なんか言えよ」
嫌だ、とは言える雰囲気じゃない。
一瞬だけ躊躇って、僕は息を吸って人々に向かって口を開いた。
「"神"も"悪魔"も、此所にはいなかった!
悔やむ事も…沢山あるけど……諦めないで!
人の力で、この国を、変えてほしい!」
大勢の歓声が上がり、まるでその場所が揺れているようだった。
「悪魔くん」
「ユルグ…」
声をかけたのはユルグだった。
その後ろに、他のみんなも笑ってる。
「よくやったな」
「いやはや!俺っちも活躍したかったでヤンスよー!」
「散々騒いで、行くのを渋ってたのは誰よ!」
相変わらずの蝙蝠猫と鳥乙女に、みんなが声を上げて笑った。
みんな、喜んでる。
十二使徒も、笑ってる。
「………これで、良かったんだよね…二世……」
そう呟いた瞬間 夜空に花火が打ち上がった。
花火は湖にも映って、色とりどり綺麗な光を散らした。
『 花火でも打ち上げてくか? 』
気付いたら、僕は駆け出していた。
百目が呼んでいたけど、僕は応える事も息がきれるのも忘れて、
階段を駆け上がった。
王宮の一番上の部屋までたどり着いて、窓に座る影を見つけた。
「よ!」
「…………」
「なんだよ、幽霊でも見るみてぇによ」
ニャハハ、と笑う顔に 僕はもう 泣く事を我慢できなかった。
滲む視界の中で走って、二世に抱き着いた。
「二世ッ………二世、二世ッ…!」
「…お前から抱き着かれんのは、初めてだな」
二世は少し驚いて、でもすぐに僕を抱き締めた。
顔を上げると、すぐ傍に二世の顔があって
僕たちはゆっくり目を閉じて、キスをした。
二世は僕の頬や瞼にもキスを落としながら、小さく話し始めた。
「あの時、あいつに肩を貫かれたけどな、死んじゃいなかったんだ。
あいつは"身を隠せ"っつって…俺を崖に突き落としたが
崖の途中に穴があってな、慌ててそこに飛び込んだんだ。
下、覗いたら偽物の死体もあるし、こりゃ人間の仕業じゃねぇなと思って
王宮に忍び込んだんだ。
んで、他の使徒連中にも会って、今夜お前を助ける手筈にしたんだ。
ディスターとカルナも、あいつに殺されたフリして助けてもらったらしいぜ」
まさか、そんな事になってたなんて…。
クレスの演技にすっかり騙されていた上、
同じ王宮内にいたのに、みんなの気配にも気付かなかったなんて
…やっぱり、ちょっと我を忘れてたのかもしれない。
「…教えてくれたら良かったのに…」
「…悲しかったか?俺が死んだと思って?」
「そりゃ…」
「へぇ。じゃあ、その訳、言ってみろよ」
「……二世…意地悪だ…」
光栄だ、と額にキスされて、今度は僕の全身をじろじろ見出した。
「儀式のお前、格好良かったぜ。
まさに、高貴なサファイアって感じだな」
「全部見てたの?」
「まぁな…俺の出番無かったじゃねぇか」
二世は眉間に皺を寄せて、僕を強く抱き締めた。
「守ってやる事もできなかったしよ…」
「…守ってもらってたよ。
君がいたから、ここまで来れた。
君が"生きろ"って言ったから、生きられた。
…君が、僕を好きだって言ってくれたから、僕は…間違わなかった」
憎しみに支配される事なく 君を 想い続けていられた。
「けど、カッコつかねぇだろ」
「…カッコつけてる暇があったら、ちゃんと抱いてて」
ぎゅ、と抱き締めて二世の腕の中で目を閉じた。
助けられなかった人 救えなかった人
後悔がない訳じゃない
自分の非力が 今も悔しい
でも 諦めない
みんなが笑顔で暮らせるように 笑って 生きていける世界を
必ず叶えてみせる
だから …ごめん
少しだけ
「…好きだよ」
「え……」
「大好きだよ、二世」
今だけ …休ませて。
「もう離さねぇ。…よくやったな。おやすみ、真吾」
二世の言葉に全身の力が抜けて、そのまま眠った。
二世と湖の畔で花火を見る夢を見て
今度は、バカ、なんて言わずに
手を繋いでデートしよう、なんて思った。
宝石よりも綺麗な 青い湖の傍で。
End.
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