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仲里 沙月(ナカザト サツキ)
性別:
女性
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読書*映画鑑賞*ゲーム
自己紹介:
7/12生 
本の虫!倅とメシアが大好きです!好き過ぎる!
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仲里沙月の悪/魔くん小説(二埋)ブログ。
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散々悩んで結局載せちゃう。
こちらを読むとハッピーエンドになりますので嫌な方はスルーで!

BGMはコチラで!

では!お付き合いいただけた方がいらっしゃいましたら
コチラが最後になります!【つづき】よりドウゾ!





(Epilogue)



眩しい。 真っ白な光の中にいるみたいだ。
ここはなんだか 暖かくて すごく気持ちがいい。

「真吾」

大好きな声で呼ばれて首を上げたら、
大好きな顔が僕を見てた。

「二世…?」
「気がついたか」

何回か瞬きをして、ようやく周りがしっかり見えた。
大きなベッドで二世に抱かれて横たわってる。

「ここは…」
「俺の屋敷だ。見えない学校にいたんだが、
 あっちは今ばたばたしてっから、昨日
 こっちに運ばれたんだ」

腹は減ってないか、喉乾いてねぇかと尋ねて来るのを
全部無視して、僕が質問をした。

「僕 …生きてる?」
「頬でもつねってやろうか?」

ニャハハ、と笑われて、ようやく頭が
ハッキリしてきた。

「そうじゃなくてっ…だって、僕は…
 そうだ!二世だって…」
「それはわしから説明しよう」

メフィストが僕たちを覗き込んで笑った。

「おぉ、悪魔くんも顔色が良いのぉ。
 どれ、何か飲みながら説明するとしよう」

起き上がれるか、と一度訊かれて
僕は食堂の方へ案内された。
妙に足が痺れていて、二世に支えられながら歩いたけど
これじゃまるで僕の方がおじいちゃんだ。
食堂のテーブルに僕と二世が並んで座って
向かい側の椅子にメフィストが腰を下ろした。
すぐに、いい匂いのする紅茶が運ばれてきた。
一口飲むと、まるですごく久しぶりに飲んだみたいに
喉が潤った。

「さて…何から話したものか…」
「僕は、あの後どうなったの?
 確かに…僕は死んだはずなのに…」

そして 二世も。
あの時 二人で死ぬんだと思った。

「うむ…悪魔くんは思い出したくもないだろうが…
 黒悪魔に襲われた時、悪魔くんは悪魔に
 モレクとは別の呪いをかけられておったのじゃ」
「別の、呪いって…不死の?」

死んで楽にさせないための 拷問用の呪い。

「そうじゃ。あれは強い呪いじゃからな。あの黒悪魔では恐らく
 一回分の死にしか使えなかったじゃろう…じゃが
 実際にその呪いが効果を現したのは、倅が悪魔くんを刺した
 あの時じゃ」

右目を刺され、気を失った時、僕は死ななかった。
だから不死の呪いはその後も、僕の中に在ったんだと
メフィストが僕を指差した。

「幸運…としか言い様がない。
 人間である悪魔くんは、胸を貫かれ、確実に死んでおった」

一回分の幸運。
それが 僕の命を救った。
僕を苦しめるはずの呪いが 僕を助けた。

「でも…二世は…」
「俺があの程度で死ぬかっつーの」
「バカモン!お前が助かったのも、ただのラッキーじゃ。
 他の使徒がすぐにお前達を見つけて手当をした。
 人間ならば助からんが、倅は悪魔じゃ。
 それに、武器はステッキじゃったろう」

あのステッキは、二世が子供の頃から持っているもので
自分の魔力によって作り出した、身体の一部のようなものだったから
すぐ手当をして助かったんだろう、と
メフィストは笑ってコーヒーを啜った。

「呪われた者が死んだんじゃ。
 同時に呪いも消えたようじゃが
 剣は、あの後少し離れた場所から見つかってな。
 今、見えない学校で厳重に保管しておる」

学校がバタバタしてる、と言ったのは
それでだったんだ。

「もう少し回復したら、ピクシーに礼を言うといい。
 お前達のために何日も寝ずに頑張ったんじゃからな」
「そう…だったんだ……みんなに、迷惑かけちゃったね」

苦笑いをすると、メフィストがステッキを構えた。

「これが、あの後、話しを聞いた十二使徒の言葉じゃ」
「お、おい親父!」

何だか慌ててる二世に首を傾げたら、
…なんでもねぇ、と赤い顔してそっぽを向いた。
メフィストのステッキから映像が現れた。
そこに映っていたのは…

『いやね、もうそりゃ驚いたでヤンスよー!
 壮絶な戦いで、あっしはもう震え上がっちまって!』

興奮した様子で話したのは蝙蝠猫。
少し画面がブレて、次に現れたのは…

『二人の戦闘にはとても入り込めなかった。
 凄い速さで、目で追うだけで精一杯だったよ』

あ、学校の時間だ!と僕に変化して映像から消えた、サシペレレ。

『二人を見つけた時…まるで、何かの物語を見ているようだったわ。
 悪魔くんは紅い痣が消えて、月明かりの下で…
 …二人とも…血に染まって、抱き合ってたの…』

鳥乙女の目には涙が浮かんでいる。

『見えない学校に運んでも、二人の腕が離れなくて
 治療に苦労したんだゾウ!』

象人がふわふわ浮かびながら言った。

『バウー!バウ、バウー!』

こりゃ何を言っとるかわからんな、とメフィストが肩を竦めた。
なんだか必死な様子の家獣を見て、切なくなる。

『何の力にもなれず…ただ傍観しておっただけじゃ。
 まだ子供の二人に…全てを背負わせてしまった』

申し訳ない、と妖虎が頭を下げた。

『あの時、メフィスト二世も悪魔くんも死んじゃったのかと
 思って、いっぱい泣いたんだモン…
 本当に…生きてて良かったモン…』

百目が百個の目をうるうるさせて、
今度は僕が悪魔くんを守るモン!なんて言うから
こっちまで泣きそうになったけど、
僕が泣いちゃだめだと涙を堪えた。

『二人とも凄い怪我だったんだよ!』『危なかった!』
『でも僕たちが諦めちゃ、二人を助けられないからね』
『絶対、二人を死なせたりするもんかって頑張ったんだよ!』

ピョコピョコ跳ねるピクシーはいつもより元気がないみたいだ。
絶対、お礼を言いに行かなくちゃ。

『二人とも死んじゃうって…すごく怖かったの。
 なんにもできずにただ…泣く事しかできなかったけど…
 でも、本当に二人とも…生きててくれて…良かった』

そう言って泣き出した幽子の周りを豆幽霊が飛んでる。

『悪魔くんはあの時確かに死んだから、呪いも
 その時に消えたんダワサ。
 黒悪魔にかけられた不死の呪いで蘇ったが…
 本当に、本当に良かったッ…』

ヨナルデも泣き出した。良かった、良かったと繰り返し
泣く姿を見て、ますます泣きそうになった。

『………悪魔くん。……すまなかった』

生きててくれて…ありがとう、と、無口なユルグが細い目で
こっちを見た。

「みんな…」

すぐにでも会いに行きたい。
会って、謝って、お礼が言いたい。
メフィストに言おうとした時、もう一度、画面がブレた。

『いいじゃない!こんな機会ないわよ!』
『旦那ー!ビシィっとトリを飾ってくださいよぅー!』
『やめろっつーの!』

押し出されるように現れたのは二世だった。
包帯を巻いた身体、シルクハットのない頭には角が見えてる。
『頑張って!』とか『なんか言え』とか
聞こえる声に『うるせぇ!』と叫んで、二世が赤い顔で咳を一つ。

『あー…俺もよく覚えてねぇよ。ただ、夢中だった。
 あいつを殺す瞬間に…気付いたら、あぁしてたんだ。
 最期の時は…何にも考えてなかったな。
 あいつを離しちゃいけねぇって、それしか考えてなかった』

『それだけか』とか『頑張れー』とか聞こえる周囲に
『黙ってろ!』と叫んで、映像の中の二世は、
あー、と頭を掻いた。
照れくさそうな笑顔が、こっちを向いた。

『今度は約束、絶対守るからな。…アイしてるぜ、真吾』

他の使徒が、ひゅー!っと歓声を上げて真っ赤になった二世が怒っていたけど、
僕はそれ以上映像を見ていられなくて。
赤くなった顔を隠すように、俯いた。

「良い仲間を持ったな。悪魔くん」

メフィストにそう言われて、隣にいる二世に、頭を撫でられた。
せっかく我慢してたのに…みんなして泣かすんだから。

「っつーか、消しとけっつっただろ親父!」
「何を今更照れておる。ほれ、悪魔くんも喜んでおる」
「泣いてんじゃねぇか!」
「嬉し泣きじゃ。のう、悪魔くん」

いきなり振られて、僕は涙目で頷いた。
見上げた二世は、耳まで真っ赤になってる。
溢れた涙を拭って、前を向いたら
メフィストがステッキを振って、映像が消えた。

「ファウストがな…言っておった。悪魔くんに申し訳がない、と」
「そんな…!博士はなんにも、」
「悪魔くんをあそこまで追い詰めたのは、わし達じゃ。
 じゃが…なにも、悪魔くんを理想郷のための犠牲にしようと
 考えていたわけではない。
 ただ…君が心配だっただけなんじゃ」

悪魔に魅入られたら 身を滅ぼす。
ただそれが、心配だっただけだと言われて
僕の目からまた涙が落ちた。

「…ごめん、なさい」
「悪魔くん。わしはな、君が悪魔に恋をしても良いと思っておる。
 まぁ、この短気な倅を選んだのはどうかと思うが」
「なんだとクソ親父!」
「君は悪魔くんである前に一人の人間じゃ。
 好きなように恋をして、好きなように生きる権利がある。
 …悪魔くんの任を辞めたいというのも、自由じゃ」

顔を上げると、メフィストも二世も深刻な顔をしている。
僕が "悪魔くん"を …やめる?
涙をゴシゴシ拭って、顔を上げた。

「そんな事、絶対にないよ。
 僕は"悪魔くん"なんだ。僕がどんなに否定したって
 それは変わらない。それに」

隣を見ると、二世と目が合った。

「こんなに素敵な仲間がいる。
 どんな困難だって、立ち向かえる。
 …恋をしてても、ね」
「茨の道になるかもしれんぞ?」
「みんなが一緒なら、それもいいね」

メフィスト。博士。大好きな十二使徒達。大好きな、僕の恋人。
一人で耐える必要は、ないんだ。
みんなで、茨の道をいくのも うん。 悪くないね。



***



「結局、僕は守られてるだけだったね」

親父と話し終えてから中庭に散歩に来て
狂ったように咲いてる花を見ながら、
真吾が呟いた。

「そうでもないだろ」
「え?」
「お前にとどめをされる寸前…声を聞いたんだ」

『今だ!二世!』
あれは幻聴なんかじゃねぇ。確かに、真吾の声だった。

「そう、だったんだ…乗っとられてた時の事は
 ほとんど覚えてないんだ」
「お前は、黙って守られてりゃいいんだよ」
「そんな訳にいかないよ。…それでなくても
 一週間も寝たままだったんだし」

あの時から、俺は二日で目を覚ましたが
こいつは一週間も眠ったままだった。
強大な力を操った肉体の休息時間だろう、と
親父やピクシーが言った。

「ごめんね…二世の傷、僕が…」
「俺もお前に怪我させたんだ。お相子、だろ」

怪我させたっつーか、殺したっつーか。

「…茨の道、か」

薔薇の花を覗き込む真吾を見て
あの、紅い痣に支配された姿を思い出した。
『殺してやる』と叫び、俺に剣を振り下ろす姿を。

「二世、どうしたの?」

覗き込んで来る顔にはもう痣はねぇ。

「…なんでも、ねぇ」

そう答えると真吾は、花を一輪 摘んでもいいかと訊いてきた。
好きなだけ摘めよ、と言ったら
真っ赤な薔薇を一輪、差し出された。

「………」
「真っ赤な薔薇の花言葉、知ってる?」
「…知らねぇ」
「"あなたを愛します"」

ホラ。辛い思い出ばっかりじゃなくなるだろ?
そう言って、俺の胸ポケットに赤い薔薇を入れた。
あぁ …確かに、な。

「あ!そうだ!」
「ん?」
「デート、行かなきゃ!」
「は?今からか?」
「もうちょっと休んで、みんなにお礼言って、
 学校に復帰してからだよ」

勉強ついていけるかなぁと不安そうに
ため息をついたが、

「それ、いつになるんだよ…」

ため息をつきたいのはこっちだ。

「もういっそ学校なんて辞めて、魔界に住めよ」
「そんなわけにいかないよ。僕は人間なんだから」

拗ねた顔で腕を擦り抜け、笑顔で薔薇に囲まれてる姿は
とてもただの人間にゃ見えなかった。

「メシア様、だもんなぁ」
「…そうだよ。第一使徒、メフィスト二世?」

笑ったその顔に、俺は片膝をついて跪いた。

「これからも、よろしくね」
「仰せのままに メシア」

顔を上げると、照れくさそうに笑う顔が見えて
俺が立ち上がって もう一度 抱き締めてキスをした。



真吾を殺そうとした あの時。
あの時出した答えが正しかったのか
今でもわからねぇ。
ただ これからはずっと こいつと生きていく。
何があっても。



  「約束、だからな」
             「約束、だからね」




End.
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