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やる気出ます!

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仲里 沙月(ナカザト サツキ)
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女性
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読書*映画鑑賞*ゲーム
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7/12生 
本の虫!倅とメシアが大好きです!好き過ぎる!
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仲里沙月の悪/魔くん小説(二埋)ブログ。
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メリークルシミマス!
好きなものだけ書いてクリスマス小説は
間に合いませんでした(・∀・)!(切腹

書きかけのままなので
いつかまとめてupしたいです!
できれば年内…いや、無謀か。

本日は同棲シリーズ二回目★
今回の曲はコチラ
有名な曲なのでファンから石入り雪玉飛んでこないか
不安で夜も眠れません!

最近どうも同棲シリーズ書くのが楽しい!
こっそり書いてるもう一つのシリーズ?も
楽しい!!
でもちょっと暇あいたらまた
30分でこばなし一本とかしたいでつ(・ω・)

そしてここでお知らせを一つ。
仲里は現在PC無し状態で…
拍手お返事は来年早々にPC買った後で…
申し訳ありません!!!!
しかし皆様の暖かいお言葉
もちろん無言拍手にも元気いただいております!


では★いつも通り、どんな駄文も許せる方のみ
【つづき】よりドウゾ★







仕事帰りのバスの中。
真吾は椅子に座って携帯の液晶を見ていた。
そこに映っているのは着信履歴。
『不在着信:メフィスト二世』
二世からの電話は特別、珍しい事でもなかった。
真吾は昔、まだ自分が実家で暮らしていた頃
二世から電話があった事を思い出した。

『元気か?』

バスは誰かの都合で、また止まった。
真吾は携帯を鞄に放り込み、窓の外を眺めた。
買った本を開く気分にはなれなかった。


ベル


久しぶりに見えない学校へ顔を出した二世は
懐かしい仲間と顔を合わせた。

「あんた、今悪魔くんと暮らしてるんでしょ?」
「お!いよいよゴールインってやつですねぇ旦那!」
「メフィスト二世ばっかり狡いなぁ」
「俺たちも悪魔くんとは随分会ってないからな」

鳥乙女、蝙蝠猫、サシペレレ、ユルグ。
広間に集まり、皆で席についたがメフィスト二世は不機嫌面のまま。

「良かったじゃない!あんたの片想いも遂に実ったって事ね」

心情を知る四人に囲まれて、二世は内心居た堪れない気持ちだった。

「…実ってねぇ」

椅子に腰掛ける事もなく、二世は小さく答えた。

「あら。一緒に住んでるのにまだなの!?」
「旦那も意外と奥手でヤンスねぇ!」
「悪魔くんはメフィスト二世の気持ち気づいてないの!?」
「色恋事には意外と鈍感なのかもな」

あーうるせぇ、と吐き捨て、二世は四人に背を向けた。

「あいつは、鈍感なんじゃねぇ」
「…メフィスト二世?」

鳥乙女が呼びかけても二世は振り返らず、扉に手をかけた。

「鈍感なんじゃねぇ。俺のどうこうなるなんて
    一ミリも思ってねぇんだ」

だから気づかない。
友達。家族。そのラインを超えられない。
二世はそのまま黙って広間を出て行った。
静かな廊下を歩き、慣れた魔界ゲートを潜れば
人間界は夕暮れの時間だった。

「…夕飯…どうすっかな…」

のんびり歩きながら携帯を出した。
半分無意識に真吾に電話をかけたが、仕事中なのか
電話に出たのは機械音の留守番電話。
録音が開始される前に終話ボタンを押してオレンジの空を見上げた。

「…声…聞きてぇなー…」

その相手はもうすぐ帰ってくる。
また疲れて、空腹のまま玄関の戸を開けるだろう。
そしてまた、美味しい、ありがとう、と笑うだろう。
それは一緒に暮らしている二世だけが知る笑顔。
早足で家に向かいながら、いつかもこんな風に
声が聞きたくて電話をした事を思い出していた。


***


すっかり陽が沈んだ頃に、疲れた様子の真吾が帰ってきた。
夕飯を終え、二世が湯船に浸かっていると
脱衣所でバタバタと音がした。
何事かと浴槽を出るより早く、真吾が入ってきた。
勿論、服を全部脱ぎ捨てて。

「んなッ…!!!?」

驚きで固まる二世に向かって、真吾は一言

「断水!」

と叫んだ。

「だ、だん…?」
「断水。水道管のチェックで、あと30分で水が止まっちゃうんだよ!
    忘れてた!」
「だ、だだだだからっていきなり入ってくるなよ!!」
「別にいいじゃないか。昔は一緒に入ってただろ?」

不思議そうに笑って、頭からシャワーを浴びた。
二世はそれを見ながら、東嶽大帝と戦っていた頃を思い出した。
あの頃より背が伸びた。切る暇がないのか、少し髪も伸びている。
濡れていく肌に手を伸ばしそうになり、二世は慌てて目を逸らした。

「はー…間に合った。二世、ちょっと詰めて」
「は…はぁ!?はい、入るなよ!狭いだろ!」
「だって寒いじゃないか。風邪ひいてる場合じゃないんだよ」

よいしょ、と構わず浴槽に入り、湯が溢れた。
二世は真吾から、首ごと目を逸らしたまま。

「二世、どうかした?」
「い、いや、べべ、別にっ…」
「…そういえば今日、電話した?」

そう言われて、夕方に真吾へ電話した事を思い出した。

「あ、あぁ…大した用じゃねぇよ」
「ふーん…君の電話って、いつでも大した用ないんだね」

からかうように笑って、真吾も二世から目を逸らした。

「ほら、東嶽大帝を倒して離れ離れになってから
     一年くらい、かな…電話してくれただろ?」
「覚えて、たのか…」
「まぁね。いきなり電話してきて驚いたから。
    元気か、って訊かれたっけ」

元気かと訊いて 他愛ない話で電話を切った。
ただ、それだけ。

「真吾…」

名を呼ばれて二世の方を見ると、二世は赤い顔で
真吾の頬に触れた。

「二世…?」

濡れた髪と、少し赤い顔。
それを抱き寄せようとしたところで、二世の意識は途絶えた。

「に、二世!!?」


***


重い瞼を開ければ、そこは見慣れた寝室のベッドだった。
額には冷たいタオルが当てられ、すぐ傍に真吾がいた。

「あ、気がついた?」
「真吾…」
「湯あたりする魔界のプリンスなんて格好つかないよ?
    ほら、水。飲める?」

二世はカップ一杯の水を受け取り、口に運んだ。
冷たい水がやけに気持ち良く染み込んでいく。

「……惜しい事した…」
「二世?なにか言った?」

なんでもねぇ、と呟いて二世はグラスを置いた。

「…今日はこのまま寝ちゃいなよ。
    明日は休みし、朝になったら洗い物も僕がするから」
「…あぁ…悪ぃ…」

まだ目眩のある視界を閉ざして、二世は眠りに落ちた。
真吾より遅く寝て、真吾より早く起きる二世の寝顔を見るのは
久しぶりだった。

「…悪い、か…」



あの時も君はそう言ったっけ。


『元気か?こっちも忙しくて
    なかなか会いにもいけねぇんだ。悪ぃな』


電話口から聴こえる声は優しくて、残酷だった。
僕がどれだけ声を聴きたかったか
僕がどれだけ君に会いたかったか
君はいつまでも、知らないまま
僕の事なんて何も、知らないまま。





「…おやすみ、二世」

すっかり眠った二世の手に少しだけ触れて
真吾も目を閉じた。





電話の後で 僕が泣いた事を
いつまでも君は  知らずにいる



fin.
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