忍者ブログ
カレンダー
12 2025/01 02
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31

最終更新日*4.14
お知らせ 更新
前回更新日*2.13
こばなし 更新

やる気出ます!

現在お礼10種
ドラゴン二世×真吾
※完全パラレル設定
次回キリは50000番!
キリ番取られた方は
リクどうぞ!



連絡手段
←メール
プロフィール
HN:
仲里 沙月(ナカザト サツキ)
性別:
女性
趣味:
読書*映画鑑賞*ゲーム
自己紹介:
7/12生 
本の虫!倅とメシアが大好きです!好き過ぎる!
携帯はコチラ!
リンク
最新コメント
最新トラックバック
ブログ内検索
仲里沙月の悪/魔くん小説(二埋)ブログ。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

長編一気載せ。たかが一年じゃ人間そうは変わりません。
でも一気に読む必要はありません!(当たり前だ

倅のシルクハット見てると某ディズニー映画の魔法使いの鞄を
思い出します。
どんなデカいものも入りそう。
その内メシアも入れちゃったりして!

そんなどうでもいい話しをしながら第二話です。
まだ成人向けもグロテスクも出ません。
でも女装ネタ出ます!
着物っていいですよね。
着物なメシアってエロいですよね。

では★【つづき】より第二話ドウゾ★






(2)


僕たちは途中で魔導カーを下りて、山道を歩いた。
トンネルの入り口には 着物姿の女性が二人 立っていた。

「彼岸村へようこそ」
「お待ちしておりました」

その言葉に、僕たちは二人を警戒したけど
二人はまるで喋るマネキンのような顔をして
四つの着物を差し出した。

「村の掟で、洋装の方は入れません」
「どうぞ、こちらへお着替え下さい」

その着物を二世が受け取り、僕に手渡した。

「特に何の力も感じねぇ。ただの着物だな」
「これに着替えなきゃ村に入れないって事ね」
「…仕方ないな」
「仕方ないって…ユルグはどうするのさ」

青い狐の彼が着物なんか着れるはずがない。
そう思って言うと、ユルグは一瞬小さく光り
みるみる人間の形になっていった。

「ゆ、ユルグ…」

青く長い髪の長身の男性。彼は僕から見ても
相当カッコ良かった。
見蕩れる僕たちを完全に無視して、ユルグは着物を持ち上げた。
僕たちも着ているものを脱いで二世のシルクハットに仕舞い
渋々着物に袖を通した。

「…って、これ、女の子用じゃないか!」
「仕方ねぇだろ。男用は二つだ」

そう言うなら二世が着ろ、と言う前に
鳥乙女が僕の帯を結んだ。

「悪魔くん、可愛い!」

上機嫌の鳥乙女は白い着物に青い蓮の花が描かれた着物を
『羽根が出せないじゃない』と背中の一部を破いて着ている。
その着物に添え付けられていた簪を僕の頭に刺して
満足そうに笑った。
僕は、赤い着物に金の糸で描かれた蝶。小さな花の簪。
これじゃ女装なんだけど……ま、なんでもいっか。
今は格好なんか気にしてる場合じゃない。

「さぁ、着替えたよ。これで村に入れてくれるんだね?」

尋ねると二人はトンネルの前を開けた。
僕たちは真っ暗なトンネルの中を進み
出口まで何事もなくたどり着いた。
そこで見た村は、まるで時代劇のような古さを感じさせた。

人の気配がしないその村を見ていると
背後のトンネルからさっきの女性の声が響いた。

『…オニサン コチラ』

その声に反応するかのように、僕たちの周囲に
村人と思われる人たちが現れた。
全員、あの二人と同じ まるで人形のような
生気のない目をしていた。
そしてその両手には 切れ味の良さそうな日本刀。

「逃げろ!」

気付いたら、そう叫んで、走り出していた。

「飛んで逃げましょう!」
「賛成だ!真吾、乗れ!」

僕は二世に、ユルグは鳥乙女の背中に乗って空を飛んだ。
さすがに村人も空までは追って来れない。
次に僕たちを追ってきたのは 大きな鷹だった。

「キャアアアアア!」
「どゎわわッ!なんだ、こいつ等!」

鷹は的確に狙い、嘴や爪が僕達に傷をつけていった。
しかも鷹の数はどんどん増えてくる。

「空の方が危険だ!降りよう!」

地上に下り、慌てて村の民家に隠れた。
誰か住んでる気配も無いそこは、すっかり荒れ果てていたけど
身を隠すだけなら丁度いい。

「…とにかく、術者を探さないと」

けど、村の中をあちこち探す余裕はない。
どうしようか迷っていると

「村の一番北に山があった。そこから強い力を感じた」

ユルグは相変わらず変化のない表情で北を指差した。

「さっき飛んだ時に見つけた」
「ユルグ…ありがとう!」

思わずユルグの手を握って感謝を伝え、僕達は夜を待つ事にした。
悪魔にとって暗闇は一番有利だ。
すっかり陽が沈んだ頃、鳥乙女とユルグは、様子を探る、と
止めるのも聞かず出て行ってしまった。

膝を抱えながら思い浮かぶのは
エツ子や貧太くん…百目の事。
気を紛らわそうと二世を見たら不機嫌全開な顔。

「…二世?」

声をかけても返事一つしない。

「二世、どうかした?」

近寄って顔を覗き込むといきなり手を捕まれた。

「…どうしたの?」
「…なんでもねぇ」

そうは言っても僕の手を一向に離してくれない。
いつもなら可愛いと思う仕草がカンに障る。

「言いたい事があるならハッキリ言いなよ」

苛立ちながら言うと腕を引かれ、キスをされた。
一瞬触れただけで僕は二世を突き飛ばした。

「なにするんだよ!」
「ハッキリ言えっつったのは、てめぇだろ」
「…ッ、信じられない!」

キスなんかいつもの事なのに
無性に腹が立つのは きっと…怖いんだ。

「何考えてるんだよ!こんな時に!」
「…ユルグにされても、そうやってキレんのか?」

その台詞に一瞬止まって考えてしまった。

「なんでユルグが出てくるのさ」
「お前があいつばっか見てるからだろ」

そう言うと片手で首を捕まれた。
苦しくはないけど、食い込む爪が痛かった。

「お前は俺だけ見てりゃいいんだ」

その言葉に 僕は二世にビンタをお見舞いしていた。

「今はそんな事言ってる時じゃないだろ!!
 術者を倒さないとッ…」

今にも泣き出しそうな僕に、二世は驚いた顔をしていた。
でも泣かない。…泣いてたまるか。

「エツ子や貧太くんや…百目だって…!」

『あんたなんかいなくなればいいのよ』
『大嫌いだモン』

鼓膜に焼け付いた声に言葉を失うと、
二世の手がゆっくりと伸び、今度は僕を抱きしめた。

「……悪ぃ」
「…エツ子が、僕なんか、いなくなれば、いいって…
 百目が…僕なんか、大嫌いだって…ッ!」

わかってる。
エツ子や百目は自分の意思で言ったんじゃない。

でも

嘘で片付けるには 痛過ぎて。

「…ユルグがどうのなんて言ってる場合じゃねぇ
 って事くれぇ俺だってわかってんだ」

好き嫌いの前に今は 生死の問題。
それでも止められない。
感情の渦に 追いかけられる。

「…僕…怒ってるんだよ…」
「あぁ、わかってる」

追いかけられて
「なら…もう少しこのままでいて」
捕われる。
こんな事してる場合じゃないって、僕が言ったのに。
頭ではわかっていたのに、二世を振り払えない自分が恨めしい。
「真吾」
優しく呼ばれて顔を上げると二世は指を鳴らして
シルクハットを取り出し、片手で中をごそごそしだした。
「二世?」
「っかしーな…確かこの辺に…お、あったあった」
そう言って取り出したのは、シルクハットより大きな
一本の日本刀。
黒い鞘と紅い柄で、二世はそれを僕の帯に挿した。



「真吾にピッタリの刀だ。…いざって時のために、な」





(3)へ
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:

material:wolke  template:ゆずろぐ

忍者ブログ [PR]