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仲里沙月の悪/魔くん小説(二埋)ブログ。
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第三話です。
今回鳥乙女が活躍します。魔界のプリンセス!むしろ天使!
鳥乙女大好きです。ツンデレーションです。

十二使徒にカッコイイシーンを!と悩んだ末、
シーンが貰えたのは鳥乙女とユルグでした。その他はまた今度!

では★
鳥乙女大好きなそこのあなた!
【つづき】よりドウゾ★







(3)



月が雲に隠れて、辺りは電灯一つない真っ暗闇。
そこはまさに、悪魔の領域。

四人で小屋を出て、北を目指した。
暗闇に躓きそうな僕の手を二世が握ってくれた。
しん、と静まり返った暗闇に感じた不安や恐怖を堪えるように
僕は二世の手を強く握り返していた。
しばらく歩き、僕たちは足を止めた。

「此所だ」

ユルグの声に顔を上げると、そこには
幾つもの赤い鳥居が山の頂上へ続くように並んでいた。

「この先に…術者がいるのね」
「あぁ」
「ようやく、こそこそ隠れてやがる親玉の顔を拝めるな」

三人はまるで笑うようにそう言って、僕にはどれが
ひどく心強かった。

「行こう」

僕たちは鳥居を潜り、頂上を目指した。
少し進んで 出逢ったのは

「サシペレレ…幽子…蝙蝠猫…それに…ピクシー…?」

姿はいつもと全く同じなのに
目はまるで何も映していないかのように虚ろだった。
近寄ろうとした僕の前に立ったのは鳥乙女。

「鳥乙女…?」
「…先に行ってて。私は…あの子達に話しがあるの」

博士は言っていた。
『十二使徒や町の人々全員を操る程、強力な力じゃ』
それはつまり、鳥乙女・ユルグ・二世以外の使徒は
術に落ちたという事。

「駄目だ!君一人にッ」

君一人に戦わせるなんて。仲間同士で戦わせるなんてッ…

「お願いよ、悪魔くん。
 私を少しでも信じてくれるなら…お願い。先へ行って」
「そうだよ。行きなよ、悪魔くん」

サシペレレの口元には笑みが浮かんでいた。

「どうせみんないく所は同じさ」
「サシペレレ…君はッ…」
「どうせみんな 死ぬだけさ」

いつも僕を助けてくれた、サッカー好きの悪魔は
今、僕を殺そうと躙り寄って来る。
鳥乙女は僕の前から動こうとはしなかった。

「鳥乙女…」
「一人で大丈夫か?」
「あら、メフィスト二世。誰に言ってんの?」
「相手は、蝙蝠猫もいるんだぞ」

蝙蝠猫。
二人が恋仲なのは僕達も知っていた。
苦楽を共にした、大好きな相手と 戦わなくちゃならない。

「大丈夫よ。…信じてるから」


『あっしが、守るでヤンスー!』
お世辞にもカッコイイとは言えない顔して、そう言ってくれたわよね。
まだ、伝えたい事があるのよ。
呪いなんかに落ちるような男じゃ、ないわよね。



「ユルグ。メフィスト二世。悪魔くんを頼んだわよ」
「…あぁ」
「任しとけってんだ」

鳥乙女は僕に振り返り

「すぐ追いかけるわ。安心して」

そう言ってウインクした。
いつもの彼女らしい仕草に僕は頷き、
必ずだよ、と言って二人と一緒に奥へと走っていった。



「此処から先には進ませないわ。
 さぁ  かかってらっしゃい」




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