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仲里沙月の悪/魔くん小説(二埋)ブログ。
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本気で一気載せするつもりです。
今思えば一日一話ずつとかでも良かったんじゃ…
でも更新する時間が作れなかった時の事を想定して。

更新頻度見ると多くないのに
作品数は確実に多くなってるのは、一気載せとかするせいですネ。

はい。そんな事言ってももう遅い!
一気載せも話しもこっからですヨ!

そんな感じで第四話は【つづき】よりドウゾ!





(4)



急な上り坂を走って息がきれる。
胸が痛い。でも立ち止まる訳にはいかない。

走って 走って 僕達は小さな社にたどり着いた。

社の向こうにはまだ紅い鳥居が続いている。
きっと術者はまだ先だ。
息を整えながら辺りを見回すと
空から家獣が大きな音を立て降りてきた。
家獣から現れたのは 妖虎、象人、そして…。

「学者…」

ヨナルデ・パズトーリ。
いつも色んな事を教えてくれた。
いつだって笑って僕を迎えてくれた学者さえ

「悪魔くんを 殺すのじゃ」

虚ろな目に僕を映し、殺気を放っている。

「学者!僕だよ!」

いつも僕を褒めて頭を撫でてくれた大きな手は
今 、僕を指差して妖虎、象人、家獣が襲い掛かってきた。
二世とユルグが僕の前に立ち、攻撃を防いだ。

「無駄だ、真吾。こいつ等はもう術にハマっちまってるぜ」
「メフィスト二世の言う通りだ」

ユルグの狐火が妖虎を包み
いつも優しく諭してくれた妖虎の声が悲鳴を上げた。

「やめろ!戦っちゃだめだ!」
「悪魔くん。此処は俺に任せて、術者を倒せ」
「嫌だ!僕も残る!」

そう言うと二世が僕の身体を抱き、宙に浮いた。

「二世!離せ!」
「…ユルグに任せときゃ大丈夫だ」

ユルグはその様子を見て、口元に笑みを浮かべた。

「その通りだ。
 メフィスト二世。…頼むぞ」
「…言われるまでもねぇ。手助けしてはやれねぇからな」
「俺も、鳥乙女と同じだ。心配するな」


共に酒を飲み、碁を打ち、
悪魔くんを守っていこう、と 小さな主の笑顔を守ろう、と
誓ったじゃないか。
忘れたっていうなら、思い出させてやるまでさ。



「…死ぬなよ」

それだけ言って二世はそのまま振り返らず
鳥居を走り抜けるように飛んだ。




「さぁ、やろうか。じいさん。
 碁じゃ負けたが 飾りで第二使徒をやってるわけじゃないぜ」




***



「二世!戻って!」
「っるせぇ!術者をぶっ飛ばさなきゃ、呪いは解けねぇんだ!」
「でも鳥乙女やユルグを戦わせられない!」

蝙蝠猫を好きな鳥乙女。
いつも妖虎と一緒にいたユルグ。

「戦わせられないッ…!」

大好きな相手と戦うなんてッ…

降ろせと騒ぐ僕を二世は更に強く抱き締めた。

「信じてやれよ」
「…二世ッ…」
「あいつ等は選ばれた十二使徒だ。
 使徒は主が一番だ。あいつ等だって…
 自分やお前を悲しませる結果は選ばねぇさ」

そう言って笑った。
けどその笑顔はすぐに険しいものに変わった。

「…どうしたの?」
「…わからねぇ。
 嫌な気配だ…今まで感じた事も無ぇような…」




『   テ    ク ナイ 』



「え…?何か言った?」
「いや、俺は…」
「でも今確かに…」

その瞬間 空から
数えきれない程の弓矢が降り注いだ。
一本一本が血のように赤い矢が  二世の胸を貫いた。




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