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仲里 沙月(ナカザト サツキ)
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仲里沙月の悪/魔くん小説(二埋)ブログ。
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倅とメシアはイチャイチャしてんのも好きですが
マジで喧嘩したり戦ったりしてても萌えます。
もう、つまり二人ならなんでもいいという事ですな!

第六話はドSメシア!その救世主・危険につき怒らせてはいけません。

戦う覚悟と切なさ。ちゃんと書けたかは謎です!
第六話【つづき】よりドウゾ!






(6)




静寂だけがある洞窟の中を一人進んでいった。
そこは不自然なくらい静かで風の音一つしない。
そんな中で


『 ウ   ス   レナ  』


またあの声を聞いた。
やっぱり気のせいなんかじゃなかった。
途切れ途切れに聞く声は子供のもののようで、それは
僕に何か伝えたがっているようだ。

洞窟の出口は 月明かりに照らされた、見渡す限りの彼岸花。
黒い夜の闇に、はっきりと見える紅い花。それを囲う蝋燭。
さっきまでとは比べものにならないくらい大きな紅い鳥居が
その花畑の中に立っていた。

そして 鳥居の下に 二世がいた。

「よぉ。遅かったな」
「………二世」
「てめぇがあんなもんで死なねぇ事は判ってんだ。
 今度は 確実にぶっ殺してやるよ」

真っ赤な目。
僕は その目が好きだった。

本当に、好きなんだよ 二世。

「…主に向かって"殺してやる"だって?メフィスト二世。
 いい度胸だね」

君と出会った時に言われた言葉を思い出した。
まさか 僕が言う時が来るなんて思ってもみなかったけど



「おいで。…八つ裂きにしてあげる」



僕は刀を抜き 鞘を捨てた。

二世はニヤリと笑い、ステッキを僕へと振り上げた。
それを刀で受け、払いながら二世の元へ踏み込む。

強くなりたいと言ったら
"稽古してやる"なんて言われて
よく二世とこうしてたっけ。
勝てたことは 一度も無いけど。

振られたステッキを刀で受け、互いの全てで力比べ。
僕は全力だけど二世はまだまだ余裕がありそうだ。
そのままの状態で顔を近づけ

「こんなもんかよ、メシア様」

吐かれた言葉を無視して キスをした。
驚いたのか、一瞬弱まった隙にステッキを払った。
目の前にいるのは確かに二世なのに
頭の中で戦い方を教えてくれるのも、二世だった。

『いいか。マジで戦う時は、絶対に相手から目を反らすな。
 呼吸を合わせんだ』

自分の呼吸音が聞こえる。
目の前にいる彼を、僕はじっと見つめた。
頭を抱えて、辛そうな顔が見える。

「人間のくせにッ…な、にしやがったッ…!」

僕は答えず、刀を振り上げ走り寄った。

「ッ…魔力!稲妻電撃!」

叩き落された稲妻は僅かの差で僕に当たらなかった。
それでも威力はさすがだ。
衝撃で飛ばされた反動を活かし
舞うように二世の背後を取った。
二世は気づいたと同時に振り返り、僕の胸をステッキが
容赦なく殴りつけ、今度は吹き飛んだ。

「ゲホッ…!…ぅ…」

息をするだけで痛む胸を抑え、立ち上がった。
苦しそうにしている二世を見る視界は
ぐらぐら揺れていたのに、僕の心は凄く落ち着いていて。
声はまだ、僕を助けてくれる。二世の声。

『踏み込む時は一瞬で相手の懐まで飛んで』

言われた通り僕は二世の元へ踏み込み

『斬れ』

刀を振り下ろした。

二世は声も無く倒れ、僕は彼を見下ろした。
周囲に沢山の鈴の音が響き渡った。

その中に 一人の女の子が立っていた。
僕よりずっと小さな女の子は
その身体より長い黒髪を垂らして、僕を睨んでいた。

「………君が…術者だね」
「殺しちゃうのね。好きな相手も。結局あなたも
 人間なのね」

その子は僕を指差し、言葉を続けた。

「家族。友達。仲間。恋人。
 そんなものは意味ない。意味ない。
 一番可愛くて大切なのは自分だけ。
 大義名分を掲げてどんどん壊していく。
 そんな醜い生き物は いなくなった方がいいの」

月が雲に隠れ、暗くなった瞬間、女の子の身体が赤く光った。
同時に足元から伸びた花の蔓は驚く暇もない程速く僕の四肢を掴み、
その子の前へと差し出した。
手首を締め上げられ、刀が音も無く落ちた。
間近で見たその子は 明らかに人じゃなかった。
小さな髑髏が無数に並んで、人の形をしていた。

「君はッ…」
「メシアなんかいらない。
 全部全部 もういらない」

その子の瞳も髑髏だったのに
僕は何故かその時 その子が 泣き出すんじゃないかと思った。

「もう、いらない…?」
「いらない。いらない。いらない。いらない。
 あんただって、結局自分のために仲間を殺した」



殺した  僕が  二世を



「…僕は…二世を信じてる」




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